 近所の犬、ゴリはみかけは汚いがやさしいワンコ。放し飼いなのに毒餌にやられないのが不思議。 |
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しかし大家のおじいは、
「人間ばかりがえらいわけじゃない。ヤマネコばかりがえらいわけじゃない」 という哲学の持ち主で、去勢をさせません。あるがまま。しかしベタベタにかわいがるわけでもない。おじいも自由に暮らすかわりにネコも気ままに生活しています。見ていると対等な感じがするのです。ネコはときに10匹ぐらいに増えますが、もらわれたり死んだりして、だいたいいつも4〜5匹に保たれています。
島のペットは、特に放し飼いの場合、長生きできないことが多いようです。“毒餌”と呼ばれる殺鼠剤を食べて死ぬことがあるからです。本来は畑の作物を荒らすネズミ退治のためのものですが、犬やネコにまで効いてしまうらしい。大家さんのネコが数匹、犬も1匹、それで死にました。また、古い集落では犬、ネコを飼うことを嫌う傾向があります。鳴き声がうるさい、特に放し飼いだとそこら中でフンをし集落を汚す、というイメージのようです。そのため、放し飼いの犬・ネコは毒餌をやって殺してもいい、という暗黙のルールがあるとか。怖いですねぇ。
ほかに命を縮めるモトとなるのは、交通事故。大家さんの2匹目の犬は、私の車の後を追って県道に飛び出し、前から来た車にはねられて死にました。すべてがあっという間の出来事でした。まだ1歳半ぐらいだったのに。
しかしペットもやられてばかりいるわけではないのです。特にネコ。大家さんのネコはネズミを捕まえたり、ヘビをくわえていることがあります。友人宅のネコは、天然記念物のリュウキュウコノハズクを取ってきたことも。キャットフードで暮らしながら、野生の本能は失われていないみたいです。
(41回に続く) |