2009年06月03日(水)
「育児にいらいら」7割が経験 山梨大と県、1歳児の親にアンケート
山梨大と県が1歳児の親を対象に行ったアンケート調査で、子育てをしていて「いらいらすることがある」と回答した親が7割に上ることが分かった。「子どもと離れたい」と感じた親も5割近くに上っており、親が子育てにストレスを抱えている実情が浮き彫りになっている。
山梨大と県児童家庭課でつくるプロジェクトチームが昨年度、1歳半検診に訪れた親を対象に調査し、303人から回答を得た。
「いらいらすることがある」と回答した親は「よくある」「ときどきある」を合わせて全体の68.1%。「子どもと離れたいと思うことがある」も46.7%に上った。「つい大声でしかる」(69.2%)「子どもと、どうかかわればいいのか迷う」(37.7%)との回答も目立ち、多くの親が育児に自信が持てず、不安を感じている現状をうかがわせている。
一方、子育て支援に関しては、84.8%が「同世代の子どもの親と知り合える場所が必要」と回答。「専門家による子育て相談が必要」も78%で、育児に関する悩みを打ち明けられる場を求めていることも浮き彫りになった。自由回答でも「地区や自治体によって子育てサロンなどの集いの場があったりなかったりする」など現状に対する不満が多かった。
調査に当たった加藤繁美教授(幼児教育)は「未就園児の親の多くは相談できる相手が限られることもあり、悩みを自分で解決しようとして、さらに孤立してしまう危険性がある」とした上で、「行政だけでなく地域全体で支えていく施策が必要」と指摘している。
子育てに関する調査は3回目。県などは児童虐待や子育てに対する不安意識など過去の調査結果を踏まえ、具体的な子育て支援策を検討する。
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