トップ >  暮らし・日常 > ドイツの今年のトレンド「犬のベッド」あれこれ

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今年のドッグショー会場内メインリングでは猟犬協会による「ハンティング・ファンファーレ」(写真)や災難救助犬などのデモンストレーションが行われた。その他「子供と犬のベストカップル」や「ミックス犬コンテスト」も定番になりつつある。

今年もベルリンでは春先恒例のインターナショナル・ドッグショーが催された。

会場内は他のドッグショーに見られぬほど混み合い、リング脇をすり抜けるのも一苦労。出場犬・観覧犬ともに相当のストレスを感じたことだろう。ヒトも然り。

さて、リング上での熱い戦いをよそに、隣のホールでは同時に犬用品のメッセが開催されるのはどこの国でも同じ。ショーと同時開催のメッセは国内外の犬用品・フードメーカー各社にとって目玉商品をターゲットとなる客層にアピールする絶好のチャンスである。また訪問客の方も狙っていた商品・新商品などをメッセ価格で購入できるという、まさに購買意欲が掻き立てられる犬好きの一大イベントとも言えるのだ。

私にとっては毎年同じショーに通うことで、その年ごとの業界内の注目グッズの傾向がつかめるのが面白い。新商品にもたくさん出会えるし、質問だってし放題。

どうやら今年は「犬のベッド」が注目されているようだ。

ドイツの一般家庭ではこれまで「犬のベッド」といえばカドラーと決まっていた。カドラーはドイツ語では「フンデコルブ(Hundekorb)」と呼ばれ「犬の籠」を意味する。あるいは親しみを込めて「ケルブヒェン(Koerbchen=小さな籠)」と俗語で呼ばれ、このことから当然コマンドも「ハウス!」ではなく「ケルブヒェン!」なのだ。

まずクラシカルなスタイルとしてはラタン製の籠にクッションを敷いたもの。これは長年どのペットショップでも売られている、ごくごく一般的なもの。

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ドイツの犬のベッドといえば昔からこれ。素朴な天然素材で、薄手のクッションはいろんな柄が選べ、しかも洗濯も簡単。まさに犬の巣。

さらにここ数年普及してきたのは布製のカドラーだがこちらはケルブヒェンではなく「ベットヒェン(Bettchen=小さなベッド)」と呼ばれる。このあたり、ドイツ人は言葉を的確に使い分けたいらしい。

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今年のドッグショーで見かけたカドラーの数々。丸いの、四角いの、ふかふかなの、もけもけなの、様々である。

洗濯機で丸洗いできるのが好評か、はたまた布地のデザインが選べるせいか、全体的に柔らかく軽量であり特に小型犬を中心に売り上げを伸ばしている。今年は素材にこだわったものが目立つ。素材が軟らかいので使っているうちに型崩れしてしまうのが難点で大型犬にはあまり人気がない。むしろ大型犬には下のようなのが好まれている。

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写真左[Photo from Ridgi Pads]

犬の巣作りの習性をヒントに形作られたRidgi Pads のベッド。丈夫かつ手入れが楽であるようにと厚手の合成皮革を用い、豊富なデザインのカバーを取り替えることが可能。一つ一つが手作りだとか。

犬のベッドといえど部屋の中に置くわけだから見た目にも邪魔にならないもの、できればデザイン性があり部屋のインテリアにもマッチするものを選びたいというのがこちらの消費者の声。リビングに置く家具の流行をそのまま犬のベッドに繁栄させたものもある。「家族だから、家族として同じようなものを」との願いも込められている。

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[Photo from WOLTERS Cat & Dog GmbH]

またこの数年間で北欧と同じようにドイツでも小型犬人気が見られるようになり、一見お犬様風、ファッションに近い感覚で家具の小型版のゴージャスなベッドも注目を浴びているようだ。

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ここまで来てしまったらライフスタイルそのものが犬にも反映されているといっていいだろう。犬にとっては居心地が悪いはずがない。

この話を読んで気が付く方もいるかもしれないが、ドイツを含む欧州諸国では部屋の中にケージを置きそこに犬を入れるという日本のようなスタイルは受け入れられていない。ドイツに限っては「犬を狭い空間に長時間入れて飼ってはいけない」という法律もあるけれど、それよりもそもそもは犬は家の中を自由に動き回って飼われているという習慣から、まさかリビングにケージやサークルを置くなんて発想が湧かないどころか、そんなの見栄えも悪くて恥ずかしいという飼い主さえいる。

硬いプラスチックでできているバリケンネルや折りたたみ式のソフトケージはあくまでも犬を運搬したり一時的に隔離するための非常手段。たしかにいたずら防止や来客への気遣いとしてケージを使うというのは飼い主には楽かもしれない、しかし犬にとってはどうだろう?なんでも簡単便利な世の中、手間を省きすぎて本質を見失わないように気をつけたい。

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コメント






京子さん、こんにちは。happy01

先日はフィラリア・ノミ・ダニに関して色々教えてくださいまして有難うございました。

バリケンネルの件、私も聞いて欲しい事があります。

まりん(ラブラドール)は先月に救助犬の認定試験に合格し、救助犬のタマゴです。
一年間訓練所に通ったのですが、分かった事は、日本での作業犬の扱いの酷さです。
バリケンネル(ケージ)に長時間待機は当り前。生涯の内に一度でもあるかどうか分からない、いざ出陣のその時の為に、ケージ待機の習慣を付けさせられていました。
犬達はみんな、訓練中にも係わらず、ひたすら鍵を掛けられたバリケンネルの中で待たされていました。
若い、遊びたい盛りの犬たちなのに。。。
(服従訓練中の殴る蹴るは当たり前。。。の人もいます。)

また、別の理由として、出陣した先で、犬嫌いの人達に嫌な思いをさせない為に、犬をケージに仕舞って置くのがマナーなのだそうです。(ここでもマナーだそうですorz)
災害現場で犬に助けてもらおうという人達が嫌がらない為に。。。だそうです。

また、犬は狭い所が好きだから、犬の行動学から考えてもケージに入れて置く事は当然の事だそうです。

まりんも、寝る時は私と掛け布団の下に入り、視界を真っ暗にして眠ります。
安全な場所で熟睡したいと思っています。
ですが、長時間昼日中をオリに鍵を掛けられて行動を制限されたいと思っているとは思えません。
私は子犬の頃から自由にのびのびと育て、まりんの自主性を尊重しているのですが、直感で、訓練中のケージ待機を拒み続けたら、擬人化していると嘲笑され、嫌なら止めて貰うと言われました。
犬の匂い嗅ぎと言う趣味を実益に生かそうというボランティア精神を摘み取られそうになっています。

日本人は、変な事にこだわり、本質を見失いかけていると嘆いている所に、この記事がアップされ、嬉しくなりました。

寝る時に安全な場所に入りたいと言う事を、昼日中にケージ待機を強要する事に摩り替える事はいかがなものか。
助けてもらう立場の人間が、犬を道具orロボットのように、都合の良い時だけ出して使い、用の無い時は鍵掛けて仕舞うという発想はいかがなものか。
ワクチンプログラムの習慣によって社会性の乏しい犬達を育て、人間が一つ一つ教えて作り上げるという傲慢さはいかがなものか。(ここの臭いは嗅ぐな、ここの臭いを取れ、まっすぐ行け、右に行け、吠えろと一つずつ。。。)

この惨状。。。どう思います?
どうしたら、日本人は他種族に対して寛容になってくれるのか。。。まりんの世代ではムリかも知れませんね。
愚痴を言ってすみません。

これからも京子さんの情報を楽しみにしてます。
ではでは

投稿: mie | 2009/04/03 14:17

犬ベッドのない我が家・・・。
2匹それぞれにIKEAの椅子と大きめのクッションを専用の場所と決めてはいますが。
WOLTERSの犬ベッド、というより犬用家具お洒落ですね〜。
これならインテリアとコーディネートして置きたくなりますねえ。
と、呑気に読んでいたら・・・
mieさんのコメントに心底驚きました。
現状がそんなに酷いのか!というよりも、考えてもみませんでした。
こんな風に知らせて頂けるのはありがたいことですね。
私だったら「嫌なら止めてもらう」と言われたら
「上等でい!」とサッサと引き上げてしまいそうです。

前回の記事のコメント欄で京子さんが書いていらっしゃいましたが
有権者としての権利をしっかりと使うことが何よりも大切ですね。
インターネットのような草の根運動ももちろん大切だし「流れ」を作ることはできるのですが、日本の様々な現状はやはり行政の力なくしては改善できないことがあまりにも多いと思います。
あまり知られていないのですが(アナウンスメントが少ない所がこれまた行政の怠慢だと思うのですが)環境省が動物愛護に関するパブリックコメントを募集したり、動物愛護部会が公聴会を開いたりしているようなので、こういったことはどんどん活用すべきだと思います。
救助犬なんて公共性の高い案件はなおさらのこと。
行政が正しく介入して(行政に「正しい介入」をさせるためには国民が目を光らせることが必要不可欠ですね)正しい方向に向かって欲しいと願います。

投稿: あが | 2009/04/03 16:02

こんにちは。
我が家では、昼間はソファや私が簡単に手作りしたクッションでくつろぎ、夜にはサークル内のベッドで寝ています。自分から入って行く事もあれば、ハウスの指示でいれることも。サークルは扉を閉めています。
そして時々、私たちのベッドで一緒に寝たりしていますが、基本はサークル内でひとりで寝かせています。

うちの犬を飼う前(今から3年ほどまえ)にトレーニングの勉強をしていまして、そこでは、クレート使用は基本、一緒のベッドで寝るなんてとんでもない…(その他リーダーになるための諸々のお約束)…という理論を学びましたので、当然のごとくそれを実践していたのですが、実際にこのコと暮らしながら、また、インターネットなどでさまざまな情報を仕入れるうちに、今では当時勉強したことが正しかったのかどうか疑問に思うようになっています。

ですが、一日中部屋中をフリーになっていたワンコが、クレートにいる時間を増やした事で少し落ち着いたという話も聞きますし、数年前の新潟の地震では、クレートに逃げ込んだおかげで落下物の下敷きにならずに助かったという話も聞きますので、一概にクレートやサークルで休ませる習慣をつけることも悪くないのかなと思ったりもします(落ち着くor落ち着かないはクレートを使うことだけで解決するものではないとも思いますが)。

今はまだ、私の中では、クレートやサークル使用について明確な答えは出ていませんので、ここでのみなさんのコメントやご意見、いろいろな情報などを参考にしながらこれからも考えていきたいと思っています。

投稿: そらぬし | 2009/04/03 16:44

あがさん、皆さん、こんにちは。

乱文を読み解いて下さいまして有難うございます。

行政の怠慢。。。本当ですね。

私は一会社員で、生活に追われる日々を過ごしています。
ひょんなきっかけで犬との生活が始まりましたが、カリカリを金魚のエサみたいに上げてれば良いのか、くらいしか犬の事を知りませんでした。(今は手作りですよ~)

昼間は留守で、まりんと一緒に居て上げられなかったので、一歳まではケージで帰りを待たせてました。
それが、言葉を覚え、ルールを覚え、部屋のものも私の許可無く触らなくなり、好きな所に居ても良いよ、となっても良い子で一人で待てるようになりました。

信じて上げると応えてくれる、そういう関係になりました。

成長して臭いかぎが得意になり、拾い食いをしなくなり、何か役に立つことは?と思い、捜索作業を教える事にしました。
あくまでもボランティアとして。

大型犬を沢山見て来た人達なら、まりんの特性を伸ばしてくれるだろう、と安易な気持ちで飛び込みました。

警察犬やプロの訓練所が厳しいというのは薄々感じていたので、ボランティアで楽しく学びたかったんです。

ですが、何処も一緒でした。
犬は成長するとずる賢くなり、期待通りには動かなくなるから、逆らえないようにきちんと管理しなければダメだという考えでした。

ずる賢くなるから、ずる賢くなる前に厳しく管理する。。。

私には奇妙に映りました。
お前はいずれ給食費を盗むようになる、何もする前からそういう目で見るのは、いくら犬に対してでも失礼ではないかと思いました。

こんなに従順に付き添い、一生懸命捜索して楽しそうにしているまりんの何を疑うのか、嫌な気分になりました。

私は、ケージトレーニングの全てを否定はしません。
人間だって、悪い事をすれば、考えなさいと、押入れに入れられたものです。犬だって、そうやって静かに考える時間は必要だと思います。

ですが、トレーニングである以上、長時間閉じ込めてはいけないと思うのです。

10数年しかない生涯を、いつ来るか分からない災害の為に、一時的避難場所に過ぎないバリケンネルに閉じ込めておくのは違うと思うのです。

犬に関する行政のことを何も知らないため、嫌なら辞めろと言われると、全てを否定された気分になります。

褒めて育てれば、応用と機転が利く素晴しい犬になる事を証明するため、嫌でも頑張って認定試験を受け、見事に合格しました。

なので、陰性強化に疑問を持つ人に、それは間違っていない、そう伝える事が、せめてもの私に出来る事かなと思って、京子さん他皆さんに聞いてもらいたくなり、書きました。

ブログに京子さんの言葉、沢山引用させてもらいました。
すみません。これからも引用させて下さい。m(__)m
ではでは。

投稿: mie | 2009/04/03 18:33

自分の生活にあった犬育てをしていけばいいと思いますが。
犬種によっても犬の性格も一様では無いと思うのです。
犬を飼っている人間側の考えも色々です。お国柄もあるし。
自分の愛犬にはストレスを与えたくないですから、
我が家のリビングにはケージが2個並んでいますが、入り口はいつも開け放っています。犬ベッドも2個並んでいますし、彼ら用のソファもあります。
高齢になってからは、ケージが好きになったみたいですよ。気が付けば入って寝ています。
日本では、クレートトレーニングは躾と共にやったほうが良いといわれます。
車での移動中の安全、入院中のストレスの緩和の為だそうです。
躾をするという当たり前のことをまだまだ疎かにしている日本では、留守中のいたずら、本犬の危険回避の為に、ケージに閉じ込めたりもするのでしょうね。
まりんちゃんの訓練中「いやならやめて貰う」と言われたら、私なら即座に、引き上げますね。だって、ダニに刺されて10ヶ月も青あざを作り、それでも、あ~私でよかったって思う自分ですから。
うちの子はガンドッグのトレーニングをしていましたが、そこは匂いをかぐな、そこいらへんで匂いをとって探せ。こっちを見て!右へ行って、と指示を与えます。
実にうれしそうに、指示に従ってます。そしてダミーを回収してきます。
一体になって仕事を終えた満足感は他では味わえません。
ただの遊びですが、救助犬でも、こんな訓練の延長ではできないんでしょうかねえ。

投稿: | 2009/04/03 22:07

あっ、↑のコメントはわたしでした。

投稿: あみまま | 2009/04/03 22:11

うちでは、Hundehöhle(犬の穴?)というクッションで周り中囲まれたようになっている「巣」が一つと、ベットヒェンが一つ、お台所に薄いマット一枚が、エニー用に置いてあります。それでも寝るときは、私達のベットで一緒に寝ます。ただ身体の具合の悪い時(4年間で2度)は、「巣」で寝ました。あと寒くて散歩に出たくない時(苦笑)、「爪切り」等何か嫌な事を察知した時は、巣へ逃げ込みます。原則的に「巣」にいる時は手を出さないようにしているので。何かストレスを感じる事があると巣へ行って周り中ガリガリ掻いたりもします。ケージはなくて家の中で自由にしていますが、邪魔されないで落ち着ける自分の場所は持ってる、といった風でしょうか。

投稿: miniwindi | 2009/04/04 06:25

ベッドやクレートを選ぶのって苦労しています。
良さそうと思って買っても、犬たちには不評だったりしますし。彼らの好みがいまだに分かっていない、駄目飼い主です。

我が家はみんなクレート嫌いで、誰も入りませんでした。おやつをクレートの奥に置いてみても、素早くくわえて飛び出てくるし。
変化があったのは、4頭飼いになった頃からで、気がつくと、あんなに嫌がっていたクレートに、自分から入ってくつろぐようになっていました。

今はソフトクレートを開けっ放しで置いてあります。時々閉めることもあります(食餌〜食後1時間とか)が、別に嫌がりません。
結局、クレートトレーニングをする事もなく、彼ら自ら”ねぐら”として必要に応じて使ってくれるようになりましたです。

ちなみに、長老犬は、いまでも入りません^^;

ベッドは、長老犬用に、人間用の『ごろ寝布団』なるものを生協で2000円くらいで買って使っています。
あと、形状記憶素材の薄手のクッション(厚み4cmくらい?)もなかなか使い心地は良さそうです。こちらはすっきり四角にサンドカラーで、見た目もいいです。

そうそう、犬の訓練ですが、今もmieさんが経験されたような訓練所はけっこう見ますね。電気ショックを使っているところも実際にありますし。私が知っているのは全部地方の訓練所なので、特殊なのか(旧態が残りやすい)と思っていましたが・・・

投稿: ハニフラ | 2009/04/04 12:16

こんばんは。
クレートトレーニングについては私も非常に頭を悩ませた一人です。

人生の大半を犬と暮らしてきましたが、クレートトレーニングについて知ったのはインターネットが普及してからです。
アメリカの獣医行動学者(イギリスで免許をとられたとか)のイアン・ダンバー博士の提唱した犬の心理に基づいたトレーニング方法とのことでしたが、犬を閉じ込める時点で私がくじけてしまいました。
頭では移動の際や旅行時のこと、被災時を考えるとしたほうが良いということはわかっていました。
専門家が犬の生態に沿った無理ないしつけ方法だと提唱しておられますし、犬は安心、安全を手に入れますし、犬を預ける際にクレートトレーニングを前提にしているところも多く(というかほとんど)ありました。
震災時ボルゾイ系雑種を預かったときのことも頭によぎり、非常事態については頭の片隅にいつもありました。
メリットばかりです。
しかし、心理的抵抗が大きくて挫折してしまいました。
どうしても、マインドコントロールのような気がしてならなかったのです。
素人の馬鹿な、それこそ擬人化した考えで、犬のプラスにはならなかったかもしれませんが。
また、犬を常時自由にさせておくと制御できなくなる、と間接的にいわれたこともあり、悩みました。
一方徹底したクレートトレーニングの結果、自由空間に連れ出しても不安で飼い主の側からあまり離れない、という話も飼い主さんから聞きました。

さんざん悩んだ挙句――現在は庭を常に自由に駆け回り、日向ぼっこをして、好みの場所に寝る日々です。
確かに庭にはクレーターが開き車の内部は破壊されましたが、のびのびと暮らす彼らをみることは私の幸せですし、たぶん彼らもそう思ってくれているんじゃないかな、と。
とくに制御できないという実感もないので、私はこのスタイルを当分変えることはないでしょう。

ベッドの話題から逸れた挙句の長文、失礼いたしました。

投稿: rio | 2009/04/04 22:23

みなさん、いつもたくさんのコメントをありがとうございます。
またもや遅れてのレスとなりましたが、どうぞご寛容いただけますように。(^^;)

>mieさん
お話が現実のものであるとすると、私もちょっとビックリです。
いろんな思惑は交差するとは思いますけれど、そろそろ力づくでの訓練は終わりではないかと。
犬の嗅覚を利用した捜索の仕事は犬にとって本来とても楽しいもので、それだけに犬種を問わず多くの犬が実に生き生きと活躍することができます。
決して強制的に教え込まれるものでもなく、それよりも向き不向きのスクリーニングを重視する方が犬のためには重要です。
またケージ待機のトレーニングの方法もいろいろあります。
救助犬が狭いケージに入らなくてはならない理由は捜索の状況等を考えると当然ですが、犬へその関連付けとして仕事のメリハリとルールを教え込むことも必要になってきます。
それにより犬にとってストレスが過剰であると判断できるならば、全体的に「救助犬」という活動は不適当であるということになります。
悔しがったり、怒ったりすることはありません、他にはいくらでもドッグスポーツはありますから。(笑)
ご自身とご愛犬の双方に無理のないものを選ぶこと、これがまず第一歩じゃないかしら?
楽しく継続するにはもちろん団体の雰囲気や姿勢なども関係しますから、これからちょうどいい季節になりたくさん開催されるイベントにいろいろ足を運んで交流を広げるのも一つの手です。
おうちの中でくさくさしているより愛犬とお出かけ、これに尽きます。

>あがさん
IKEAの椅子やソファは結構いい感じですよね、気兼ねなく使えます。
ナニを隠そう、うちの犬のベッドも本当はヒト用のベンチ(地中海風)で、犬種の習性を考えて少し位置が高いものを選びました。
お陰で導入後すぐに本犬納得がいったようです。(笑)

動物愛護に関するパブリックコメント募集は一部の方にはおなじみになりましたけど、まだまだ全体的には知名度も低く、浸透の度合いにならんで果たしてどの程度反映されるのかも心配です。
口うるさく言ったもの勝ち、と言う気もしないでもありません。(苦笑)

>そらぬしさん
クレートに限らず、「犬が落ち着ける場所はどこか?」ということを考えてみる必要がありますよね。
「安心感が与えられる」はずのカドラーやクレートなども、リビングの通り道の脇など「家具の隙間にちょうど納まる」(=飼い主の都合の良い)場所に置かれたのでは落ち着いた雰囲気を作ることはできません。
喧騒から自分で身を引いて落ち着ける場所という意味では、犬の寝床は往来の多い通路から離れ、かつ状況を観察できる見通しの良い一角ということになります。
そして犬がその場所にいるときはできるだけ邪魔や意地悪をしないように、というのも大事ですよね。(特に子供のいる家庭では)
その場所に好んで居座るかどうかは、トレーニングで強制できるものではないと私は思います。
ベッドやクレートなどの形よりもまずその場所選びから、ではないでしょうか。

>あみままさん
「留守中のいたずら、本犬の危険回避の為に、ケージに閉じ込めたりもするのでしょうね。」これ、一番心配です。(笑)
閉じ込めるのは簡単ですけど、それが犬にとってどれだけ影響するか、もっと他にやり方があると思うんですよね。
いたずらっ気を起こさないように留守番前には存分に体力・気力を発散させておくとか、危なそうなものはできるだけ片付けるとか、犬が本当に落ち着ける場所を確保するとか。
それを飛び越してまずケージに閉じ込める、という手段は私にとって受け入れに抵抗があります。

また使役に適した犬種においては犬種というだけでトレーニング成果の期待は一気に上がります。
しかし、その中でも個々の差はありますし、もちろんトレーニングの方法とそしてなによりトレーニングを行う側の慣れ・不慣れなども大きく影響します。(トレーナーがトレーニングを行うと犬がしゃきっとしているのに、飼い主が行うとだらける、というのはよくありますよね)
犬との対話は言葉でなくて体全体を使ったボディランゲージ+雰囲気、頭でっかちでは犬にバレてしまいます。
犬との一体感は味を占めてしまうとヤミツキになりますね。

>miniwindiさん
犬の穴は小型犬ならではですね。
自分の場所に籠って出てこないときは、それなりの自己表現ということで私は受け止めています。無理して引きずり出すこともないし。
どちらかというと子供部屋みたいな感じですね、そこは犬が自分の世界をつくるところで、たまに「飼い主」としてチェックをする程度。(笑)
用があれば自分から出てくるでしょうし、来客などのどんな状況でもそこが犬の居場所ということで空間をなんとなく仕切っています。

>ハニフラさん
牧羊犬としてグローネンダールはあまり大勢の生活に向いてない部分もあるんじゃないかなと、今思いました。(この辺が大勢で狩りに出る犬種と違う気がします)
でもそれはそれで自分たちでどうにか状況に適応するのでしょう、それぞれが自分の場所を持つようになったのだと思います。
自分で選んだ自分の場所ね。

それにしてもいまだに電気ショック使っている訓練所なんて、マジでびっくりです。(@@;)

>rioさん
クレートトレーニングは犬によって向き不向きが分かれそうですね、いずれにせよ一部で利点を上げるようですが万犬向きではないと思います。
rioさんの場合はご自身の問題ですね。(笑)
うちのサルーキーでは常時室内自由にしていますけど、制御できないと思うことはありませんし、戸外でも拙ブログでご存知のとおりです。
むしろそれは飼い主の側の問題の方が大きい気がします。
うちの場合は結局クレートトレーニングなんてせずに、車内での待ち、室内ベッドでの待ち、という条件付けだけを取りました。
そしてその場で快適に待ちができるように、フカフカ度や高さなどにも気を使ったつもりです。
実は昔友人の車で待ちをさせ、わずかな私のミスで車内ボロボロにされたことがありますので、その経験を生かして、です。
留守番も然り、身をもって体験し、力づくでは行かないうちの犬との駆け引きを学びましたよ。
犬を力で制御する、と言うのは昔ながらの先入観ではないかと感じました。
私も今のスタイルを変えることは当分ないと思います。

投稿: 京子アルシャー | 2009/04/07 22:27

はじめまして、ちょっと前の記事にコメントを付けさせていただきます。

私も、住宅の居間にバリケンがどんと置いてあるのは、どう見ても不細工に思えて仕方ありません。

ケージに入れておくことを習慣にすると、余計に、オープンの場所でお行儀良くできなくなるように思います。

うちでは、ケージ/バリケン等は、それを要求する場所へ出かける時専用です。子犬のときや、痴呆の始まった老犬には、それなりに閉鎖した空間も用意することもありますが、それは、「臨時措置」です。

ケージ/バリケンという閉鎖する空間を用意しなくても、小さいときから、自由にできる場所で生活する事になれているうちの犬は、ハウスといえば、用意された場所(オープン)におとなしくしています。

リードも、ケージもバリケンも、便利な道具ではあるけれど、日常生活で使いすぎると、犬が社会生活を学ばないように思えて仕方ありません。

もちろん、ケージに入る練習もしたほうがいいのでしょう。臨時的隔離措置として。

しかし、わが家の犬で、ケージを知らないで育った犬に、必要に迫られて(ケージに入れることを義務付けられる場所へ行ったのです)9才の時初めてケージを導入した時、別に騒ぎもせず、ああ、ここにいれば良いのね、とおとなしくしていました。

人間の日常生活野中で生活し、普段の生活のお行儀を学んだ犬は、そんなものなんじゃないかと思います。

投稿: dddd | 2009/05/01 11:28

>ddddさん
正直言って「ケージをリビングに置くこと」や「ケージに入れての留守番」が日本では普通になっている(または推奨されている)という話を聞いた数年前、とても驚きました。(^^;)
と同時に、日本に住むいろんな方から「アルシャーさんちではどのようなケージを使ってますか?」とか「留守番はどのようにしてますか?」といった質問をいただくことが重なり、ん~と唸った次第です。
犬はモルモットとは違います。

『リードも、ケージもバリケンも、便利な道具ではあるけれど、日常生活で使いすぎると、犬が社会生活を学ばないように思えて仕方ありません。』
これ、とても同感です。
飼い主にとって都合の良いことは同じ分だけ犬にとってどうかと考えてみる必要があると思うのです。
放すと危険だから、留守中にいたずらすると困るから、といろいろ飼い主側の理由はあると思いますけど、それを一つ一つ時間をかけて教えてゆくこと、それが犬と飼い主との関係にも大事であるのにもかかわらず、なんでも快適な状況に慣れてしまっているのか短絡的な考えが先行し、またそれをよしとする社会ができつつあります。
危ない状況を事前に回避するのも手ですけど、日常のことに関しては手間を省いてはいけないと思うのですよね。
留守中に(あるいは日中)いたずらが激しくて困るというのならば、なぜいたずらばかりをするのか?ということについて犬を閉じ込める前に考える必要があります。
(多くにおいては運動不足や社会経験不足が原因なのですけど)

うちの犬の話で恐縮ですが、もちろんケージはなし、かといって家具などに手を出すこともなく毎日ゴロ寝を繰り返しております。
えらそうに言えることではありませんが、運動やドタバタなどは戸外で、家の中はゆっくりと寝る場所であるということをやってきた当初から普通に一貫しています。(例えば家の中での「持って来い」遊びなどはせずに、遊びたいときはとにかく外へ)←なにしろ外トイレ派ですから、とにかく外へ出ます。
エネルギーをもてあましていると家の中で馬鹿な考えが浮かぶようで...
もしも我が家にケージなぞが置いてあった場合、まず主人に文句を言われることでしょう。(必要性を感じないのにそんなものを置くな、と)
そして友人・知人にも何を言われるか分かりません。(笑)
下手すると獣医局に通報されます。(そして動物保護についてとくとくと説教を食らうことでしょう)
それよりも、こちらではまず毎日ケージに入れて何時間も留守番させると言うのは、法的にも許されていません。
ケージに入るトレーニングはうちの犬にはしていませんが、過去に何度かケージに入れてみたときに特に拒否する様子も暴れることもなく、ただじ~っと恨めしそうに外を見つめていました。
「はよ出してね」そう言いたげに。

おまけにケージってそんなにお安くないし。(笑)

犬も日常から多くを学び取る動物です。
特に人間との暮らしを通してこれほどまで生活を習得する動物って他にはないですから、それが犬の魅力でもあり、また閉じ込めて飼うべきではない動物のひとつです。
(社会性を持つ動物は閉じ込めて飼うと行動障害が出てきます)
日本の場合は街の中のペットショップなどで個別のケージに入れられている仔犬の陳列(生体)販売からしてすでに一般は感覚が麻痺しているような気もします。
もうそこで犬がケージの中に入っている姿が頭にインプットされているのかも。(それじゃまるで水槽の中の魚、かごの中の小鳥と一緒)
だとしたら、あまりにも考えなさ過ぎですよね。(^^;)

あらやだ、話が止まらなくなりそう。

投稿: 京子アルシャー | 2009/05/04 07:35

 
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