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トップインタビュー/久松猛朗(株)衛星劇場社長・(株)デジタルマガジン社長
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(株)デジタルマガジンは新大陸を目指し船出


松竹(株)の常務取締役を退任した久松猛朗氏は(株)衛星劇場と携帯コンテンツ会社(株)デジタルマガジンの代表取締役社長に就任した。同社は、すでに100以上のコンテンツ企画案を立ち上げ今秋には事業会社化、年間売上50億円を目指す



三井物産と共同で設立

 5月25日の定時株主総会で松竹(株)の常務取締役を退任した久松猛朗氏は、4月6日付で携帯向けコンテンツ企画製作会社「(株)デジタルマガジン」(資本金3千万円/06年4月6日設立)、6月20日付でCS放送会社「(株)衛星劇場」(資本金25億円/92年4月23日設立)の代表取締役社長に就任した。「(株)デジタルマガジン」は、松竹60%、三井物産40%の出資で設立した新会社。社長を含め専任スタッフ7名で企画会社として立ち上げた同社をどう事業会社として発展させていくのか、その経営戦略を「(株)衛星劇場」の事業展開と併わせて聞いた。

 ――「(株)デジタルマガジン」は4月6日付で発足したわけですが、どのような経緯で設立されたわけですか。

久松 僕は映画業界に入って以来、興行や配給に携わり年間興行収入2000億円という産業の中で生きて来たわけです。当った、はずれたということを繰り返している中で、2年程前からこれからはインターネットや携帯の時代が来るだろう、特に動画の需要は飛躍的に伸びるだろうと興味を持ち、三井物産さんに「こんなアイデアがあるんですけども」と提案したら「それは面白いですね」ということでご一緒することになったんです。その後、ワンセグ放送など新たなメディアが出て来たので、もう少し事業性を深堀りしてみようということで、今年の4月に企画会社を立ち上げて、今まさに事業計画書を完成させようとしているところです。

 ――具体的にどのような事業を展開するわけですか。

久松 簡単に言うと、携帯をメインにしてパソコンでも視聴できる動画を配信するというビジネスです。現在の携帯向け動画コンテンツは、長さや画質にいろいろ制限があってクオリティも良くない。そこで、30分から1時間ぐらいの長時間の動画を高画質で配信するというのが味噌です。そのために必要な技術開発なども現在行っている段階です。


秋に増資で事業会社化

 ――具体的にコンテンツはどのような内容のものになりますか。

久松 最初は、映画やドラマといったものではなく、バラエティに近い内容のものになります。現在、動画コンテンツは100以上の企画案を持っています。秋ぐらいには事業化が決まってどこかで正式に発表できると思います。

――コンテンツの企画・制作だけではなくて配信もするわけですね。

久松 はい、もちろんそうです。配信とそれからパッケージの販売も含めて、マルチで展開していきます。

 ――パッケージというのはビデオ、DVDということですか。

久松 それに限らずコンテンツによっては、CS放送の「衛星劇場」とリンクするということがあるかもしれません。

 ――先程、秋にも事業会社化というお話でしたが、その時点では資本金はどのくらいにするわけですか。

久松 いくらになるのかまだ決めてはいませんが、数億円規模にはなると思います。

 ――出資比率は松竹60%:三井物産40%ですが、これは当然松竹主導でやるということですね。

久松 そうですね。基本的に松竹の発意でやっていることですから。ただ、三井物産さんとは5分5分に近いパートナーシップで手掛けていこうという思いはあります。しかし、5分5分では両方が寄りかかってしまうことがあり、今回はあくまでも松竹がリードする形で60:40という比率にしました。事業会社にする時には、また改めて資本構成はやり直さなければならないと考えています。

 ――年間売上はどのくらいを目指していますか。

久松 数年間で50億円以上の売上を上げるぐらいの規模にならないと、会社を作った意味がないし、それぐらいのポテンシャルは十分にあると思っています。ですから50億を一つの目処に、何年で達成できるかだと思っています。いずれにしろ動画コンテンツは、ビッグ・ビジネスになる可能性を秘めています。今年の夏には携帯で3・5G対応の機種が発売され、数年後には4Gまで出てきます。この世界になってくると携帯上で動画を送ったり再生したりという事がかなり一般的になってくると思います。

 
(2006/09/05)
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