皆さんはバイクや自動車のエンジンがレシプロ式とロータリー式に別れているのは
ご存知でしょう。 しかし、レシプロ式(ピストンがシリンダー内を往復する物)は 更に給排気バルブの位置によってサイドバルブ方式とオーバーヘッドバルブ方式に 分かれる事はご存知でしょうか? (オーバーヘッドバルブ方式は更にOHV,SOHC,DOHC,と 更に細分化されます。) 今はオーバーヘッドバルブ方式全盛でサイドバルブ方式は殆ど使われていません。 僅かにエンジン式発電機やポンプ、管理用機器に使用されているのみです。 サイドバルブ方式は吸・排気バルブがピストンの上ではなく、シリンダーの横に 並んで上向きに配置されているのが大きな特徴です。 これをクランクシャフト近くに配置されたカムシャフトで直接駆動するのです。 構造が非常にシンプルであり、エンジン本体(特にシリンダーヘッドを コンパクトにすることができ、エンジン内部の駆動箇所が少ないために丈夫なエンジンになりますが、しかし、その反面、燃焼室が横に長く広い形状になってしまうため、圧縮比を十分に上げることが出来ず、燃焼室の表面積も大きく、熱損失が大きくバックファイアが発生しやすいなどの欠点を持ちます。 また、給排気の流れが非常に悪く、火炎伝播にかかる時間が長いため、エンジンの許容回転数も4,000rpm程度か、それ以下に制限されてしまうなど、どうしても最高出力が低くなってしまうというのが最大の弱点であります。 サイドバルブ方式の構造と混合気の流れ方 これらの欠点を解消すべく、レシプロエンジンの構造は OHV(オーバーヘッドバルブ)、更にはOHC(オーバーヘッドカムシャフト、 SOHC(シングルオーバーヘッドカムシャフト(2バルブ)→ →DOHC(ダブルオーバーヘッドカムシャフト(4バルブ))へと 進化していく事となったのです。 オーバーヘッドバルブ方式の構造と種類、混合気の流れ方 ただし、これらのエンジン形式は順番に発達した訳ではなく、OHV,SOHC,は 今でも新開発車に用いられる場合があります。 国産車は殆どDOHCですがドカティなどはSOHCを 今でもスポーツ車に使用し続けています。 さすがにSV方式のエンジンは今となっては使われなくなりましたが ハーレイ・ダビットソンはなんとレース用エンジン!として1970年代まで 使い続けました。 OHCは500ccまで、SVは750ccまでとする米AMAのクラスCの レギュレーションを最大限に生かすためでした。 市販車はKR、そのロードレースバージョンがKRTTでした。 今はハーレイ・ダビットソンもSOHCかDOHCを使用していますが、 熟成されたSVの技術はなかなか捨て去るには惜しい所まで進んでいた様です。 by SS992 | 2009-05-23 16:11 | メカ談義 | Comments(0)
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