August
17
2008
連日熱戦が続く北京オリンピックを観戦しています。観戦していて、オリンピックというのは、今の世界情勢を忠実に反映しているなと感じます。ホームゲームとはいえ、中国勢の圧倒的な勢いは、どの種目をとっても本当に凄いですね。それから相変わらずアメリカは、経済が衰退しつつあるとは言え、やはり世界のリーダーは俺だ!と言わんばかりの強さが有りますよね。国力の反映という観点で見てみると、中国、アメリカ、そして韓国は本当に国を挙げてスポーツを振興している様子が伺えるのではないでしょうか。その点、日本の場合は、選手個人に対する依存度がいささか高いように思いますね。経済的な事情や練習環境なども劣るようですが、何よりも選手に対して非常にプレッシャーをかけるような報道姿勢であったり、モチベーションの出し方であったりと、少し気の毒な感じがしますね。特別な才能があって、もちろん血がにじむような努力があって、オリンピック出場資格を得た選手に対し、勝つことを義務のように考えるのはどうかと思います。特に、実績のある選手ともなれば、事前に相当のプレッシャーをかけてしまい、肝心の勝負で実力を発揮できないくらいの精神状態に追い込んでしまう事が非常に多いのではないかと思いますね。もっと、闘いやすい精神状況を作ることも必要なのだと、観戦していて思いました。メダルを獲得することは、選手も、そして観戦してる国民も嬉しいことに違いありませんが、運悪く負けてしまったことが、悲劇であってはならないと思います。勝負ですから、「運」も大きな要素になってきます。だからこそ、負けることもある。しかしそれは悲劇ではないと思います。それまでのプロセスを賞賛すべきであって、悲劇の演出を故意にしてはいけません。華やかな舞台裏の努力を理解して、賞賛すべきものだと思うのですが、いかがでしょうか?
女子柔道の谷選手は、金を強烈に期待されながら銅メダルに終わりました。判定の是非論もありましたが、出産、育児を経験した女性にとって銅メダルを獲得出来たことこそ、賞賛に値します。旗手を務めた男子柔道100キロ級の鈴木選手の初戦敗北が、日本柔道の危機であるはずがありません。苦戦の続く星野JAPANにしても、野球というゲームでは全勝などありえるはずもなく、また金を獲れるという確証などはどこにもないのです。他の種目でもそうですが、実力プラス運プラス勢いプラス・・・・というように、あらゆる要素が入り混じって競われるわけで、オリンピックとはアスリートの最高のステージであることに異論はありませんが、だからこそ、負けることに対し、寛容であるべきなのですね。
日本選手に関して言えば、個人レベルでは申し訳なくなるほどに、「日の丸」を意識して、多大なプレッシャーを感じて、本当に頑張っていると思います。結果としてメダルを獲得すれば、一番得するのは日本という国家なのですから、そして国家とは我々国民なのですから。選手個人に過度な重圧を与えるようなシステムは、今後改めてゆかねばならないと思いました。僕、個人としては、何と言っても女子柔道の谷本歩実選手の決勝戦での鮮やかな一本と笑顔が印象的です。そしてもう一人、女子卓球の平野早矢香選手の真剣な表情がとても素敵でした。彼女のファンになりました!
それと、この大会が終わって最も記憶に鮮明に焼き付けられたと感じるのは、ジャマイカのボルト選手が人類とは思えぬパフォーマンスを発揮した陸上男子100mmでしょう。9秒69・・・それもあのパフォーマンスで!世界中の短距離アスリートの度肝を抜いたあのレース。人類に限界はないのでしょうか?
Posted by 有海啓介 | この記事のURL |