人工透析患者の転院をめぐる県立広島病院の贈収賄事件で、収賄の罪に問われた元副院長に広島地裁は29日、執行猶予つきの有罪判決を言い渡しました。
判決によりますと、県立広島病院の元副院長で腎臓総合医療センター長だった田中一誠被告は、人工透析が必要な患者を後輩の開業医に紹介する見返りに20回にわたってあわせて630万円分の商品券を受け取りました。
贈賄側の開業医には、去年1月、執行猶予つきの有罪判決が言い渡され、刑が確定しています。
田中被告は、患者紹介の便宜を図ったことはない、商品券は妻が受け取り、自分に収賄の認識はないなどとして無罪を主張していましたが、広島地裁の伊名波宏仁裁判官は、「商品券が送られるたびに礼を言うなどしていたことから見返りの趣旨を認識していた」と結論付けました。
伊名波宏仁裁判官は、「県民の信頼を著しく失墜させ、強く非難されなければならない」と述べ、懲役2年、執行猶予3年、追徴金630万円の判決を言い渡しました。田中被告は即日控訴しました。(5/29 18:58) |