知的障害のある女子生徒にわいせつな行為をしたとして、警視庁池上署が横浜市磯子区坂下町、元バス添乗員、山上厚容疑者(73)を準強制わいせつ容疑で逮捕していたことが分かった。同署によると、山上容疑者は「知的障害者ならわいせつな行為をしても周りに言わないと思った」と容疑を認めているという。同署は余罪があるとみて捜査している。
逮捕容疑は、今年3月4日午前8時20分ごろから約20分の間、東京都大田区内を走行中の都立の特別支援学校の送迎バス車内で、中学部3年の女子生徒(14)にキスしたとしている。車内には20人以上の生徒が乗車していたという。
同署によると、バスの運転手の男性(47)が昨年5月ごろ、わいせつ行為に気付き、バスを運行する「東都観光バス」(豊島区)の相模営業所の上司に相談。しかし上司は何も対応を取らず、逆に運転手に対し「ここにいられなくなってもいいのか」と言ったという。
このため運転手は、運転席のバックミラーに小型ビデオカメラを設置。わいせつ行為を記録し、映像を同署に届け出たという。
同署によると、山上容疑者は02年4月からバスの添乗員として勤務していたが、今年3月末に退職したという。同営業所長は事件について「何も話せない」とコメントしている。【古関俊樹】
毎日新聞 2009年5月1日 東京朝刊