2008年12月07日

国籍法:採決後

もう御存知の通り国籍法改正案の採決が参議院では5日午前に行われました。採決日前の段階で申し上げていた通り、自分は国民新党グループの一員として参議院国民新党の全員、新党日本・田中康夫代表、無所属の田中直毅議員、外山斎議員、川田龍平議員と共に「反対票」を投じさせて頂きました。

どのような脅しや圧力があろうと、論理的におかしな主張(法案)には心は動かされまい、主権国家の根幹に関わる問題の議論がこのような形で圧殺されて良いはずがないと、私なりの信念に基づいて行動をさせて頂いた次第です。また、自分だけでなく、今回の反対投票を行った議員はそれぞれ、大変な圧力の下、不安を感じながら行動を行った訳ですが、それをも上回る多くの皆様の熱い激励を賜りました事を、この場をお借りして感謝申し上げたいと思います。

さて、今回の投票行動については、我々9名が反対という事で意思を表明させて頂いた次第ですが、しかし、最後の最後まで「法案の修正」が「再考の府」である参議院で行われるべきだと思っていました。田中康夫氏も本会議直前、ギリギリの段階まで諦めていなかった事も申し上げたいと思います。

しかし結果としては、一切の議論が封殺される状況の中、採決を迎えてしまう訳です。一体、これは本当にどうなっているのか? 有権者の皆様も不審に思われるでしょうし、我々議員においても真相は全く判りません。二次補正や金融法案、あるいはテロ特法案などは、迂遠冗長、ダラダラ何ヶ月もかけて重要な事が一切決まらない中で、本法案の場合は衆議院+参議院で合計僅か10時間の質疑に留まり、極めて多数の国民の憂慮が示される中、「何者かに追い立てられるかの如く」、正に逃げるように採決を急いだという事態の背景に潜むものは何なのか? 疑念と不安を禁じえません。

今回の反対票を投ずるにあたっても、また法案修正に関しても、当初は統一会派を組む民主党からも多数の議員が趣旨に賛同したいという声を出してくれていました。一時は法案修正に必要な10名以上の署名が明らかに集まっていた事は事実です。しかし、ある時を境にして、その声は完全に立ち消えてしまう訳です。同様に署名も「自主回収」される運命となりました。

また採決時には「反対票」を投じようとした我々に対して、本来は味方であるはずの・・・同じ会派の民主党議員から罵声さえ飛んで来る事にもなりました。民主党内の議員に対しては、同党執行部からの「政治生命を脅かす程の相当の圧力」があったという噂も聞こえてきますが、残念としか言いようがありません。これは個々の法案への対応を是々非々とした参議院統一会派における信義則を踏みにじる行為であると共に、個々の議員の人格を「認知」しない今の参議院における「良識を失った数の暴力」の象徴とも考えられるものです。勿論、これは民主に限らず与党・自民でも同様の状況だったと思われます。それだけ、この問題に関しては有形無形の「背景」について考える必要があるのかもしれません。

しかし、繰り返しになりますが、国家の根幹に影響を及ぼす、今回の改正国籍法に関して、何故、欧州各国と同等の安全装置が組み込まれなかったのか?、数年後の見直し条項さえも排除された理由は何か?、改めてフォローしてゆく必要があると思います。また採決前日、田中康夫氏に対して、民主党代表である小沢一郎氏が「政権交代後には、真っ先に国籍法を再改正したいと思うから力を貸してくれ」と声を掛けたと聞いています。民主党の投票行動と代表の発言の内容に一貫性が無い事は明らかではありますが、今はその言葉を信用するしか無いのでしょう。

昨日は午後10時からのBS11「ニッポンサイコー」に出演させて頂きました。もしかすると次週も出る事になるかもしれません。

以上、改正国籍法採決後の状況報告まで
posted by morita at 15:56| Comment(20) | TrackBack(1) | 日記
この記事へのコメント
今回の国籍法改正案、一般国民にもまったくわけがわかりません。

なぜこのように重要な法案が、かくもあわただしく駆け込み採決される必要があるのですか?

多くの国民は考える間も、詳しい内容を知らされる時間もなく・・。

政権交代のための詭弁?・・ですか?
上層部・・の誰による圧力ですか?

こんな有様で本当に自公政権が倒せるのでしょうか。
今後の野党共闘に対する不信感が高まるばかりですが。

ごく一部でも不当な権力に屈しない議員がおられる事が救いです。
がんばってください。
Posted by ひろみ at 2008年12月07日 21:11
国民新党の志は分かりました。
皆さんの大変な覚悟の中の反対。
嬉しく思っています。
しかし民主と一緒に居ても駄目です。
いや、居たら駄目です。
民主保守の方と国民新党で一緒になれないのかなぁ。
Posted by at 2008年12月07日 21:16
国籍法改正については不透明な動きが多すぎて、政治不信に拍車がかかりそうです。それでも先生のように一部でも真摯に活動されている方がいれば、いつかはという期待も持つことができると思っていますので、これからのご活躍期待しています。
Posted by good at 2008年12月07日 21:44
 はじめまして。
 反対票を投じてくださりありがとうございました。

 今回のDNA鑑定を盛り込まないことは、偽装の見破り方の有効性が見当たらないことと同時に、『本当の親子関係でも認知がされない』可能性があります。
 聞き取り審査を厳格にするほど、そういった例は増えていき、かといって審査をゆるくしたら偽装が増えていきます。

 改正案たるもの、以前よりデメリットが減り、メリットが増えることでなければ意味をなしません。


 それにしても小沢さんは何を言っているのか意味がわかりません。採決前にそんな話をするぐらいなら、そもそも不備のある法案成立は阻止できるでしょう。仮に採決直後にいったとしても同じことであり国民をバカにしすぎです。

 もはや信用など出来ませんし、その他の議員も国民の怒りに触れました。この問題は与党も野党も関係なく「日本国の存続発展」に心から考えてくれている議員か否かが大きくわかりました。

 利権にこだわる政治屋よりも、真に国民の意を汲んでくださる政治家を目覚めた国民は支持していきます。
 森田先生のご活躍見守らせていただきます。
 
Posted by てん at 2008年12月07日 21:50
反対してくださった議員の皆さんのことは応援していましたが、小沢氏の言葉で目が覚めました。

国の根幹に関わる事(広い意味での安全保障)や外交を政局にすることは、国を滅ぼす原因になりかねないと思っているので、今さら「政権交代したら・・」などと言う小沢氏は全く信用できません。
Posted by at 2008年12月07日 21:56
今回の件で政治の闇の部分を垣間見た気分です。
採決された日には吐き気もしました。
小沢代表への不信感は日に日に増すばかりです。
先生にはなんとか民主党の暴走を止めるブレーキになっていただきたいです。
応援しています。頑張ってください。
Posted by サリバン at 2008年12月07日 23:02
私も平和ボケしていた人間の一人ですが、
今回の件で、政治不信、偏向マスコミ腐敗などの現実に目覚めました。
私の様な人間もこれから増えるのではないでしょうか。
私達も可能な限りの事はやっていきます。
森田先生、応援しています!
皆でより良い日本を作りましょう!
Posted by てつや at 2008年12月07日 23:38
国籍法改正の話にしても、何よりメディアはこれに関する国会情勢を詳しく報道したのでしょうか?何かサラッと触れただけで終わった感じじゃないでしょうか?大事な法案なら尚のこと、結論を急ぎすぎるべきでないし、かといって時間をかけて議論すれば、与党はじめメディアまでも一緒になって「政局の道具にするな」とか「審議妨害だ」などと繰り返し批判する(テロ特審議に見られるようにね)。自民党の政策が国会を通らないと国が前に進まない、という発想こそおかしくて、「おかしいものは変えて行こう」という信念の元に行動する議員の行動は、決して政局的な行動ではないと思います。(よって、田中さんはじめ、皆さんの行動は「造反」などでは決してない。)正に新党日本の理念でもある「おかしいことはおかしいというだけでなく、一緒に変えて行こう」の実行こそニッポン再考の道ではないですか?ひいては政治の再考にもつながると考えます。
Posted by おかしい事は変えていこう at 2008年12月07日 23:50
国民世論の意を汲んで反対票を投じてくださり
感謝いたします
この反対票の記録は勲章ですきっと

まあ通るとは思っていたので
これから長い戦いになりますが
自分も国民の一人としてがんばります
Posted by 茨城在住 at 2008年12月07日 23:50
勇気ある行動、感謝いたします。

しかし小沢代表、なぜか国籍法の審議だけは受け入れたくせに、もう再改正したいだとは・・・。
ただ政権を取りたいだけで、どうせ改正しても穴だらけで、さらにどこの国の利益なんだかわからん法案を通しまくるに決まっています。

本当不信感でいっぱいです。
Posted by まこ at 2008年12月08日 00:04
政権交代後に改正できるモンなら、
するつもりがあるんなら、
【今ヤットケッちゅうの!!】>小沢

森田議員、民間有志は
【改悪国籍法の再改正】に向けて
この先も頑張っていきます。
一日も早い【再改正】に向け、御協力
お願いします!
Posted by 保守議員支持者 at 2008年12月08日 00:05
勇気ある1票ありがとうございます。

やっぱり、圧力はあの団体から来てるんですかね?
Posted by at 2008年12月08日 02:29
先生、今回は国民の声を聞いてくださってありがとうございました。
先生がとても純粋に国政に取り組んでくださっている姿がよく分かりました。
素直に報告してくださって感謝しています。
しかし、相手が信用に足る人物かどうか。危険です。
民主党は採決前にこの法案の危険性を知っていました。党首がやると言う改正は、本当に日本人にとって有益な改正でしょうか。
よくお考えになってください。
これからもがんばってください。応援しております。
Posted by 主婦まあ at 2008年12月08日 08:34
国籍改正法についていろいろ調べていると先生のブログにたどりつけました。

政治に関しては勉強不足で恥ずかしながら森田先生のお名前を初めてしることとなりました。
圧力の中反対の一票を投じてくださった森田先生に感謝するとともにどうかこれからも負けないで反対の活動を続けていってください。


今回の先生の記事の中で一番気になったのは

「今回の反対票を投ずるにあたっても、また法案修正に関しても、当初は統一会派を組む民主党からも多数の議員が趣旨に賛同したいという声を出してくれていました。一時は法案修正に必要な10名以上の署名が明らかに集まっていた事は事実です。しかし、ある時を境にして、その声は完全に立ち消えてしまう訳です。同様に署名も「自主回収」される運命となりました。」

本当に恐ろしいですね。当初疑念を抱いていた議員さんも討議党則に縛られて反対するのをやめてしまうとは・・・

このまま更なる売国的な法案が施行されていくと本当に真の日本人はどうなってしまうのでしょう。

私は決して諦めることなくこれからも地道に反対活動し続けていきます。
森田先生も他の問題の解決等お忙しい中とは存じますがこの国籍改正法は一日でも早く再改正できるようご尽力いただけるようよろしくお願い致します。
Posted by U.S at 2008年12月08日 20:56
国籍法改正について検索したら、辿りつきました。今回の件は、何かいぶかしいものを感じています。

国籍というのは、とても大事なものだと考えています。それなのにあって無きがごときの審議で採決されるなんておかしすぎます。しかも、多くの国会議員は、国籍法の改正についてあまり把握していなかったようですし、さらに閣議決定もほとんどスルー状態だったと聞きます。
その上、マスコミ報道はほとんど無視状態。穿った見方かもしれませんが、裏に何かあるのではないかと思ってしまいます。

私は、民主党の沖縄ビジョン(改訂されて少し変わりましたが)や外国人参政権には反対ですが、それでも去年、森田さんと新党日本に投票して良かったと思っています。地元民としては、今回の反対票を投じられたことを誇りに思います。
Posted by たけし at 2008年12月08日 23:53
はじめまして。
地元の選挙区のものです。

私は今回の件について、国会議員他関係機関に反対のFAXを送ったものの一人です。今度は請願書提出にむけてがんばります。応援してます。これからも日本の未来のためにがんばってください。
Posted by けろ at 2008年12月09日 11:58
民意を伝えていただきありがとうございます。
こんな法案がなぜ通ってしまったのか疑問でしたが、やはり圧力が存在するんですね。
先生のように、国民の代表であることを自覚して国民のために、そんな圧力には負けないで欲しいものですが…

先生も何かと忙しいでしょうが、これからも国籍法改正にむけて日本のために頑張ってください。応援しています。
Posted by 冬月 at 2008年12月11日 03:20
小沢一郎氏が「政権交代後には、真っ先に国籍法を再改正したいと思うから力を貸してくれ

嘘っぽい!
では、何故?民団と協力して
外国人参政権を推進するのか?
国籍法に反対する国民の多くは
外国人参政権にも反対の筈。
帰化すれば済む話。
こんな事、小学生でも判る。
Posted by SATO at 2008年12月14日 09:50
衆院での3分の2再議決が今年に入って4度目。しかも金融機能強化法にいたっては参院採決は「否決」でなく「修正議決」でしょ?それを衆院通過時の法案を再議決する愚行は憲政史上初のことではないですか?1月の新テロ法から数えて4回も行うとは、いくら憲法上認められているからとはいえ、参議院の、直近の民意を「古い民意」の上に成り立っている今の衆院議席で否定する愚考をこれ以上許してはなりません。

自民党(衆院)の議員は口を開けば「参議院の意見も尊重して」と小泉さんなんかも言ってましたが、結局のところ大事にしてきたのは参院や二院制でもなんでもなく、自民党族議員、利権屋の声でしょう。

そもそも今の衆院の議席は今の総理が作り出したものではない、断じてない。それを参院が逆転され手いるから、使っちゃえ、という安直な考えは今後の政権党への悪い慣行を残すことにつながります。

今年の漢字は「変」でしたが、本当に今の政権を「変える」ことでしか、崩壊直前の議会政治の正義を守る方法はありません。

今の自民党の政治運営に対しては、綿貫さんや渡部さん等、正副議長経験者が最も怒り心頭であるかと思います。
Posted by おかしい事は変えていこう at 2008年12月14日 13:43
富山県では、あなたが民主党村井氏と一緒に写っているポスターをあちこちでみかけます。
ポスターに2人で写っているということは、あなたの考えが民主党と同じと考えてよろしいのでしょうか?
Posted by at 2009年01月04日 13:21
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12月8日
Excerpt: 国籍法改正案に反対票を入れた、無所属森田高議員のブログ。(民主党会派) すごーくストレートに、純粋に、今回の法案の問題について色々と思いを巡らしてらっしゃるのに、 >採決前日、田中康夫氏に対して、...
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Tracked: 2008-12-08 01:57