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国立マンガセンターに女性漫画家激怒「最低のギャグ」

「緊急経済対策とは思えない」

 歳出総額が過去最大の13兆9256億円となる2009年度補正予算が29日夕、成立した。バラマキ批判も飛び交うが、その象徴となっているのが麻生太郎首相の肝いりで117億円もの建設費が計上された「国立メディア芸術総合センター」(仮称)だ。民主党の鳩山由紀夫代表も先の党首討論で「総理がアニメ好きなのは分かるが、そんなにお金を使う必要があるのか」と批判したが、女性漫画家も夕刊フジの取材に激怒した。

 「漫画家も読者も日々の生活が苦しい中、ハコモノと天下りが残るなんて最低のギャグです」

 こう語るのは、女性漫画家の牧村しのぶさん。1986年、角川書店「ASUKA」漫画大賞に入賞してデビュー。現在、「家庭ミステリー」(ぶんか社)や、「別冊家庭サスペンス」(黒田出版興文社)でレギュラーを持つ。

 同センターは、アニメや漫画、映画などの作品を展示する新設美術館で、建設候補地は東京・お台場。文化庁の有識者検討会がまとめた構想では、延べ床面積約1万平方メートルの4−5階建てとなる見通しで、11年度の完成を目指している。

 これだけ多額の予算が付いたのは、最新の週刊コミック誌を秘書に買いに行かせるほどの「漫画好き」として知られる首相の影響が大きいとされる。

 牧村さんは先月末、同センターの建設構想が発表された際、「税金の使い方が完全に間違っている!」と、激しい怒りを感じたという。

 「長引く不況で、漫画家は原稿料を引き下げられ、仕事が急激になくなっている。無理な徹夜仕事で体を壊したり、自殺した人もいる。一方、読者の手紙を読むと、経済的に苦しくて新刊が買えず、中古の漫画を買っている人も多い。首相や政府はこうした現状を知って、117億円も税金をかけてセンターを建設しようというのか」

 そのうえで、牧村さんはこう注文を付ける。

 「漫画なら国会図書館で無料で読めるし、映画なら最近は宅配レンタルもある。わざわざ交通費をかけて、お台場まで漫画や映画を見に行く人がどれだけいるのか。とても、緊急経済対策とは思えない。まさに、ハコモノ行政で、役人たちが天下り対策で出してきた案ではないか。あれだけ多額の税金を使うなら、国民が漫画を楽しめる生活を取り戻してほしい」

 首相はこうした声をどう聞くのか?

ZAKZAK 2009/05/30

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