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2009年5月30日記載 |
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広告デザインは見る側と見せる側のノウハウの結晶である |
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先日、ある会社を訪問し、事業プランなどの打ち合わせをしながら、販促ツールをどう整備するかの話題となった。たまたま他の商材を宣伝する販促チラシを見ると、素人がパソコンでチョコチョコ作ったモノを一線を越えたプロの味を感じる販促物の数々が目に飛び込んできた。
その会社は決して規模は大きくない。一般に販促カラーチラシのデザインセンスは会社の規模に応じてデザインにも差が出ることが多い。もしデザインが一線を越えるレベルの販促物だとしたら社員は原稿だけ手書きでざっと作成し、チラシデザイン自体は専門のデザイン会社に外注するのが基本である。ところがその会社はなんと自社内の社員がデザインをしているという。
その会社が制作した数多くある販促チラシはいずれも素人的の私が見て一瞬でそのデザインセンスが高い。いずれもシンプルでありながら訴えたいことが伝わってくる洗練されたデザイン。文字の大きさ、カラーリング、そして読んでもらいたい文字情報を背景のシンプルなデザインが盛り立てている。販促物を見る多くの人たちは販促物のデザインを意識して見ることはないが、自然で且つ優れたデザインが背景にあるからこそ、販促物が一番訴えたい内容を見る人の記憶に刻むことができる。
宣伝を掲載する側はどうしてもたくさん情報を掲載したい欲が生まれる。A4サイズという限られたスペースに目一杯情報を詰め込みたくなる。しかし販促物というのは掲載する側の要求する意識と、見る側がその情報を捕らえる意識との差に大きな隔たりがある。
見る側がはじめから販促物の情報を細かく知りたい目的で見ることはほとんどない。むしろ見せられている感覚が大きい。だからこそ販促物を見て瞬間的に視覚に飛び込んでくる最初に目に留まる情報に興味を沸かせることが重要である。
販促物の中で最もデザインレベルが高いと痛感させられるのがマンション広告だ。一瞬でマンション販売広告であることがわかるし、写真と彩りも高級感あふれている。そして一番知りたい駅からどのぐらいの場所にあるのか、価格はいくらなのかは探さなくてもすぐに情報が伝わる。裏面には詳細情報の中で最も知りたい間取り図が掲載されている。そしてそれ以上詳しく知りたくなったら現地へどうぞという誘導付だ。
読む(見る)側が拒否せず、目に飛び込んでくる最初に伝えたい情報を先に脳裏に刻ませる。シンプルなデザインでなければ出来ないし、だからといってシンプルすぎても真意は伝えられない。逆に情報を掲載しすぎるとゴチャゴチャして読まれずに捨てられる。
最後に前半に書いたベンチャー企業の社長はこう言った。「うちは小さな会社だけど販促物には費用を掛けて力を入れています。そうでないとお客様に私たちの本気度は伝わりませんから。」と。全くその通りである。 |
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