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6月1日は様々な法律改正が施行される。世の中の話題の中心は薬事法改正。薬局やコンビニ、そして通販事業者とそれぞれの立場の違いで意見も対立している。一方で道路交通法改正も施行される。ざっとどこがどのように変わるのか改正点を説明する。
今回の改正内容を一言で表現すれば飲酒を含めた悪質な交通事故に対する厳罰化である。これまで法の盲点とされた酒気帯び状態で人身事故を起こした場合、逃げ去ったほうが罰則が甘いなどの点が上がっていた。そこでひき逃げに対する扱いを厳しく手を加えたというわけである。
今回新たに耳にする言葉に「一般違反行為」と「特別違反行為」という用語がある。特別違反行為というのは、飲酒や暴走運転といった主に予め違反と本人の自覚があって犯す故意による事故に関連する違反であり、一般違反行為は特別違反行為以外の従来の違反を指す言葉として使い分けしている。
道交法に限らず、どんな犯罪でも故意によるものと過失によるものとでは罰則に差を設けている。本人の不注意で犯してしまった犯罪は一定度合い寛大に見るべきだが、故意による犯罪は厳罰に値する。まさに特別違反行為は故意で犯した違反を指し、厳しい制裁を課すことを目的に用語上区分化が行われたのだ。
特別違反行為に相当するのは、既に施行済となっている危険運転死傷罪から酒酔いや薬物なども運転する行為、事故を起こした時にその場から逃げ去る救護義務違反(ひき逃げ)が該当する。更に自動車を悪用し、本来なら移動手段を目的とした道具であるはずの自動車を使用して道路以外の場所で人を死傷させる行為も該当することとなった。
法が改正される前では、例えば他人に傷害を与えようとたくらむ者が、自動車を運転して人に故意にぶつかるなどの行動に出たとしても業務上過失死傷罪にしか該当しなかった。すると刑法の傷害罪よりも刑罰が軽いといった問題が存在した。今回の改正によってこれまでの盲点とされた道交法の問題点を穴埋めした改正とも解釈できる。
このように主な改正は特別違反行為に関することが中心だが、一般違反行為に関する用件のうち、酒気帯び違反に対する違反点数も大幅強化される。呼気1リットル中のアルコール濃度検出量0.15mg以上0.25mg未満時でも6点から14点へ、0.25mg以上では14点から25点へと前歴0回の累積点数0点のゴールド免許者であっても一発で免許取り消し処分に加え、欠格期間も2年へと大幅厳罰化される。
既に飲んだら乗るなは、既に世の中では定着してきているが根絶には至っていない。他の違反と違い、飲酒関連は乗る前から運転者は自制できる違反であるから当然の流れといえる。それにしても10年前、アルコール量関係なく酒酔い運転にさえ判定されなければ、わずか6点の罰金5万円以下という罰則の時代があったことが今となっては信じられない時代もあったのものだ。
今回の改正で久しぶりに運転免許の基礎知識コンテンツを大幅に手を加えた。最近のWeb更新は本コラムの文章作成ばかりに集中し、従来のコンテンツは事実上放置状態であった。少しずつ既存コンテンツのブラッシュアップも続けていきたい。 |
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