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【外信コラム】北京春秋 ゾッとする話
このニュースのトピックス:核・ミサイル事情
米国籍の女性記者2人が北朝鮮の兵士につかまった事件で、かつて中朝国境地帯を延々と車で回り取材したことを思いだした。いまから思えばゾッとする。というのも、女性記者をつかまえたとき、北朝鮮の兵士は中国領内に入り込んでいたという話もあるからだ。
当時、ある「案内人」と一緒に自動小銃を手にした北朝鮮兵士と1メートルほどの距離で話をした。「案内人」からは事前に「撮影は絶対に駄目。何するかわからない」と注意されていた。その指示を守って正解だったと思う。
しかし、鴨緑江でモーターボートから対岸の北朝鮮側を撮影したとき、北朝鮮の監視所周辺にいた兵士が雨あられと石を投げてきて頭をかすった。棍棒(こんぼう)を手に追っかけようとした兵士もいた。ボートを操っていた中国人は「撮影は大丈夫だ」と言っていたのだが…。
石を投げてきた兵士らは私のことを「中国人」と認識していたと思う。話をした兵士も「中国は資本主義になった。修正主義者だ」などとののしっていた。
中国側も北朝鮮には批判的だ。中国の国防大学教授の張召忠氏(海軍少将)は北朝鮮が先に弾道ミサイルを発射した後、「人工衛星」から送信しているという「金日成将軍の歌を聴かせてほしいものだ」とブログで書いた。痛烈な皮肉だ。中国政府関係者と本音で語り合うこともあるが、北朝鮮を良く言う人にはまだ会ったことがない。
(野口東秀)
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