県内ニュース

県警の再発防止策、浸透せず 1年前にも現職の飲酒運転事故発生

2009年05月31日 12:50
 現職の県警警察官が30日、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕された。去年4月、同様の事件で男性警部補=懲戒免職処分=が逮捕されてからわずか1年余りで再び起きた不祥事。去年の事件を契機に、県警はさまざまな再発防止策を講じてきた。今回の事件は、一連の対策が職員一人一人にまで浸透し切れていなかった実態を浮き彫りにした。

 去年の事件は、春の交通安全県民運動期間中の4月11日に発生した。出勤途中の警部補が天童市内で追突事故を起こし、道交法違反(酒酔い運転)容疑で現行犯逮捕された。アルコール検知の結果、呼気1リットル当たり約0.5ミリグラムを測定。県民挙げた撲滅運動の「県飲酒運転をしない、させない、許さない条例」の施行直後の事件で、県議会議長は「極めて遺憾」とのコメントを発表した。

 県警は去年の事件を受け、各種再発防止策に取り組んできた。事件の3日後に緊急の警察署長会議を開いて業務管理の徹底などを指示したほか、県内各警察署で対話会を重ね、県警本部長らと署員が不祥事防止の取り組みなどを意見交換した。また、職員から募集した職務倫理標語を掲載した「ポリスマインドカード」を全職員に配布。それぞれが家族の写真を張ったり、座右の銘を書いたりして携行し、倫理観の醸成に努めていた。

 6月1日、改正道交法が施行される。今回の事件は、飲酒運転など悪質・危険な違反の行政処分を大幅に重くする改正法の施行直前に起きた。30日の記者会見で、去年の不祥事以降の再発防止策や今後の取り組みなどを問われた佐藤正顕警務部長は「自分の問題としてしてとらえるよう注意喚起してきたが…」と言葉を詰まらせ「再発防止に、さらに徹底して取り組む」と続けた。

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