「メキシコ愛」がオーラとなって漂う。陽気なラテン系の楽曲で入場した和毅はソンブレロ、ガウン、シューズ、トランクスすべてにメシキコ国旗に使われている赤と緑のカラーで統一し、リングへ上がった。
「日本人を倒すとうれしいな。よかった。落ち着いてできたよ」
1回から左ジャブを顔面に突き刺した。2回には終盤にボディーブローの連打でダウンを奪う。4回にラッシュを仕掛けると、レフェリーが試合を止めた。
新型インフルエンザの影響を受け、4月29日にメキシコから緊急帰国を強いられた。現在、メキシコも落ち着きをみせているが、発症国の危機は消えていない。
それでも、和毅は“第2の故郷”に戻ることにこだわっている。次戦は6月下旬に決定し、同3日には現地へ向かう。前回メキシコでの試合(4月11日)は、テレビ中継の関係で試合直前に6回戦から4回戦へ変更されるハプニングを味わった。逆に、プロモーターの意向ひとつでラウンド数が突然、増えることもある。日本ではあり得ない体験を刺激として、たくましく進化するのだ。
父・史郎氏(44)とも、20歳までは世界挑戦より実戦経験を積むことで意見が一致。父は「最終的にはラスベガスで3人(一緒)に試合をやらんとな」。長男・興毅(22)、次男・大毅(20)=ともに亀田=との夢舞台へ。連勝街道を突っ走る。(江坂勇始)