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高山“非情”鈴木下し3冠防衛/全日本

3冠初防衛に成功した高山(右)は鈴木から健闘をたたえられる
3冠初防衛に成功した高山(右)は鈴木から健闘をたたえられる

<全日本:愛知大会>◇30日◇愛知県体育館◇3350人

 3冠ヘビー級王者の高山善広(42=高山堂)が、初防衛に成功した。チャンピオン・カーニバル覇者の挑戦者鈴木みのる(40=パンクラス)を22分59秒、原爆固めで撃破した。対戦成績は2勝1敗で高山が勝ち越し。IWGPタッグ王座を制した盟友らしく、試合後はがっちりと握手して健闘をたたえあった。

 お互いの力を確かめ合うように、壮絶にぶつかった。序盤から高山は鈴木の痛めている首を、鈴木は高山の右ひざを攻めた。友情を封印して非情に徹した。15分過ぎからはひたすら顔面を張り合い、最後は高山が原爆固めでとどめ。試合後は2人ともマットに大の字になってしばらく起き上がることができなかった。

 高山にとって鈴木は新日本に参戦していた04年にタッグを結成し、IWGPタッグ王座を4度防衛した盟友。食事に行くとアルコール抜きで4~5時間も会話が続くほどウマが合う。だが挑戦者が鈴木に決まった4月29日の後楽園大会後は「私情を挟まず、たたきつぶしてやるという気持ちじゃないと勝てない」と一切の連絡を絶っていた。

 試合後、立ち上がると、リング中央でガッチリ抱き合った。「オレらの中の“どっちが強いか決定戦”。鈴木みのるはやっぱオレにとって欠かせない男」と高山。盟友の力をあらためて肌で感じた初防衛。王者は「復帰後2度目だな」とビールをグイッと飲み干した。【八反誠】

 [2009年5月31日8時55分 紙面から]


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