エコポイントの対象となる大型冷蔵庫が並ぶ店頭=「ヨドバシカメラ マルチメディアAkiba」
省エネ家電を買うと商品券などに交換できるポイントがつく「エコポイント」制度が始まって2週間。テレビや冷蔵庫では、ポイントが高い大型製品の売れ行きが前年の2倍以上に伸びている。経済対策として一定の効果はあると言えそうだが、大型ほど電力消費量も大きく「本当に環境にいいのか」という疑問は残る。
調査会社BCNによると、薄型テレビの4月の販売台数は、平均で前年比20%前後の伸びで推移していた。それが制度が始まった5月15日から28日までの2週間は、前年同期比で7割近く伸びた。特にポイントが高い46型以上の大型テレビの売り上げは2.2倍に。「エコポイントで大型テレビの売れ行きが加速した」(BCN)という。
冷蔵庫も大型に人気が集まる。調査会社GfKジャパンによると、11日からの2週間で、501リットル以上の大型冷蔵庫の販売台数が前年同期の2倍以上に伸びた。同期間の冷蔵庫全体の伸びは10%前後だった。
この制度では1ポイントが1円に相当する。テレビの場合、売れ筋の32型や26型には1万2千ポイントつくのに対し、46型以上は3倍の3万6千ポイント。冷蔵庫も大きさにより3千〜1万ポイントと差がある。消費者としては大きめのものを買った方が得に思える。「省エネ性能に優れた製品に買い替えても、不必要な大きさのものを買ったり消費電力が増えたりするのは『エコ』ではない」との声も根強い。(堀内京子)