すべての従業員がこの本を読めば、劇的に生産性が上がるだろう。
ビル・クリントン(アメリカ合衆国大統領)
「7つの習慣」に出会った時の衝撃と興奮は今も鮮明に覚えている。それ以来、私の座右の書となり、人生の道標となっている。また「7つの習慣」が弊社の幹部研修における中核をなすのは言うまでもない。これほどに人間に深い慈愛に満ちた目で捉え、書かれた本を私は知らない。
高野 登 (ザ・リッツ・カールトンホテル 日本支社長)
昨秋「ホスピタリティを学びたい人への三冊の本」というタイトルの記事を書きました。
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読書の秋です。秋は私たちにゆっくりとした時の流れを感じさせてくれます。心を落ち着かせ、じっくりと本と“対話”してみたいものです。 今日は、ホスピタリティについてもっと学びたい、という方々に三冊の本を紹介します。 それは
「真実の瞬間」ダイヤモンド社 ヤン・カールソン著
「武士道」 三笠書房 新渡戸稲造著
「7つの習慣」キング・ベアー出版 スティーブン・R・コビー著
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私は、ホスピタリティやおもてなしをテーマにした講演を行っていますが、ポイントは「ホスピタリティは分かち合いの心、WIN―WINの姿勢」と申し上げています。
<WIN―WINとは>
「自分も勝ち、相手も勝つ」という意味であり、関係する両者ともにメリットのある状態をつくりだすということです。議論においては、どちらかの意見を選ぶのかではなく、より魅力的な「第三案」をつくり上げるということです。<参考>相手を負かして自分だけ勝つ状態は「Win-Lose」、自分が引いて相手を勝たせる状態が「Lose-Win」であり、自分にも相手にもメリットがない状態が「Lose-Lose」です。
私は、このWIN―WINを上記の7つの習慣から学びました。WIN―WINの姿勢で臨むことにより、冒頭のクリントン氏の言葉通り「劇的に生産性が上がる」と確信し、講演でも紹介させていただいております。
WIN―WINについてより詳しく知りたい場合、はWIN―WIN WIN―LOSEで検索してみるとよいでしょう。
さて、表題の件についてコメントいたします。福田首相と小沢党首の会談をどのように考えるかです。
私はホスピタリティのプロを育成するコンサルタントですが、今回の結果やマスコミの論評や議員の発言は非常に残念に思います。
両党の「案」は確かに違います。それでもWIN―WIN、つまり魅力的な「第三案」をつくり出すためにテーブルについた党首に対して「密談者」というレッテルを貼るマスコミや議員達。
国民を不幸にするためではなく、幸福にするためにWIN―WINの姿勢で臨んだ両者を批判する意見には、本当に閉口してしまいます。
両党の「思考回路」は違います。「思想」や基本となる「OS(基本ソフト)」も違います。その両者が話し合っただけで「大連立」つまり、「思考回路」も「思想」も「OS」も一緒にするのかと騒ぎ立てる方々の多さにも驚嘆します。
両党共に「自立」と「共生」と「安心」、そして「国民の生活第一」の社会づくりを目指すとしています。その両党がWIN―WINの姿勢でなくて、どうしてその使命が達成できるでしょうか。
この国に暮らし、働く人たちにとって何よりも求められる姿勢はWIN―WINのスタイルです。WIN―WINの考え方です。閉塞感と不安が溢れる日本社会、日本のリーダー達には、分かち合いの心とWIN―WINの姿勢を大切にするホスピタリティの精神を忘れないでいただきたい、そう申し上げたいと思います。