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すくすく水着
  ■ 意外な真実

 翌日になった。

「……うーん……」

 バイトに行く足取りが重い。桜ちゃんとあんなことをしておいて、顔を合わせるのかと思うと気恥ずかしかった。

「まあ……合意の上ではある、よな……桜ちゃん、帰る時、怒ってなかったし」

 だけど桜ちゃんの水着でオナニーしてたのも何故か知られてたようだし、フェラの時には水着に執着する性癖もうっかり見せてしまったわけで……。

「やっぱり、会いにくいよな……」

 だけどその一方で、もしかしたら今日も桜ちゃんとエッチなことが出来るかもしれないなんて期待も、少しだけあった。

「うーん……」

 複雑な心境のままプールに到着する。しかし……。

「あれ? 千夏。桜ちゃんは?」

 俺を待っていたのは千夏だけだった。

「あ、桜ね、今日はお休み。昨日の練習キツかったみたいだよん」

「ふ、ふーん……」

 何気ない千夏の言葉にドキッとしてしまった。

(そうかあ……。桜ちゃん、経験なさそうだったのにあんなことして……ちょっとムチャしすぎちゃったかな……)

「とゆーわけだからさ。にぃちゃん! 千夏の練習、みてよ!」

「よ、よーし。特訓するか」

 桜ちゃんのことはひとまず忘れることにしよう。バイトの時間の始まりだ……。



「……ふー、やれやれ」

 プールから這い上がった俺は、コンクリートに寝そべって荒い息をつく。

「千夏のやつ、妙に張り切ってるなあ。こっちまで煽られて本気になったよ……」

 久しぶりに全力で泳いだせいで、全身の筋肉が悲鳴を上げていた。

「でもまあ……こういう疲れも悪くはないけどな……」

 真夏の日差しで熱を帯びたコンクリートに肌を押し付け、冷えた身体を温める。
 と……。

「あれ?」

 職員用更衣室の扉が開くのが見えた。何気なく見守っていると、中から出てきたのは千夏の姿だけど……。

「何やってんだ、あいつ?」

 千夏はきょろきょろと辺りを見回してから小走りにプールサイドへと戻ってくる。なんだか怪しいというか……思いっきりコソコソしてるように見えるんだが。

「あんな部屋行ったって別に何も面白いものなんて…………あっ!?」

 ギクッとした。
 今、あの部屋には俺のスポーツバッグが置いてある。まさかとは思うが……。

「確認、してみるか……」

 プールに戻った千夏は他の水泳部員たちとはしゃいでいて、こっちの方は見ていない。注意を引かないようにそっと起き上がった俺は、そっと更衣室へと向かう。

「…………」

 室内に入るとムッとした熱気が襲い掛かってきた。
 床に目を落とすと水に濡れた足跡が、まっすぐに机の方に向かっている。
 その机の上のスポーツバッグは、一見、俺が置いたままのように思えたが……よく見るとポケットに紙が挟んである。
 俺はゆっくりとその紙を広げた。

『変・態・さ・ん』

『練・習・が・終・わ・っ・た・ら』

『女・子・更・衣・室・に・こ・い』

「そうか……そういうことか……。千夏、お前が犯人だったんだな……」

 見詰める視線の先で手が震える。

「あいつ……、俺のことなんか何も知らないくせに、カマかけたんだな。それを真に受けて俺ときたらビビりまくって……」

 腹立たしさのあまり、俺は手紙を細かく引き裂く。

「俺が昔、どんな思いをしたか、知らないで……! 人の古傷をえぐるようなマネをしやがって!」

 紙くずとなった手紙をゴミ箱に投げつけ、ついでにゴミ箱を蹴っ飛ばす。

「許さないぞ、千夏……見てろよ……」

 俺は暗い思いをふつふつとたぎらせながら、練習時間が終わるのを待った。




「へへっ、にぃちゃん、来るかな〜?」

 みんなが着替えてるのをやり過ごして、無人になった更衣室で私は待ちわびる。
 今日は桜も居ないし、にぃちゃんと千夏の二人だけ。だから今日はきっと……。

「……千夏? 居るのか?」

「あ、にぃちゃん!」

 扉の外からにぃちゃんの声がした。だけど中に入ってこようとはしない。

「んもう〜。計画くるっちゃうよ」

 仕方なく私は自分から部屋を出る。

「なぁに、にぃちゃん?」

 しらばっくれてニコニコしてたら、にぃちゃんはプールの方を指差した。

「千夏。どうせ居残りしてるなら、特訓してやるよ。こっちに来な」

「え? う、うん……」

 あれ、おかしいな? にぃちゃん、手紙また気付いてないのかな? でもまあ折角だからにぃちゃんの特訓、受けてもいいんだけど……。

「早く来いよ」

「うん」

 とりあえず成り行き任せでいいや。そう思った私はプールに飛び込んだ。
 でも……。


すくすく水着


「うっ、うう〜ぅ……。にぃちゃん、特訓って……これって何なの!?」

 私は変な浮き輪に座らされて、おまけに手までガムテープで縛られてしまった。
 腕を固定されてるだけで何だか力が入りにくいし、お尻がすっぽり浮き輪の穴にはまり込んで抜け出すこともできない。

「バランス感覚を養う訓練だ」

「ええぇ〜っ? そんなの聞いたことないよ〜!? って……わああぁん!」

 反論しかけた拍子に浮き輪がグラグラして、私は慌ててしまう。

「ほら、もっと足を開きな」

「ちょ、ちょっとぉ! やっ、やめてよぉ、にぃちゃん!」

 足を掴まれて引っ張られると、バランスをとるだけで精一杯。にぃちゃんに蹴りを入れる余裕もない。
 いつもなら平気で泳いでる水深なのに。揺れる浮き輪に座ってるだけでなんだか怖いと感じてしまう……。

「これから15分間、どんなことがあってもバランスを保つんだぞ」

 私の不安をよそに、にぃちゃんは真面目くさって宣言した。

「どんなことがあってもって……?」

「……ヘタに暴れると溺れるから、そのつもりでしっかりやれよ」

 にぃちゃんは私の質問を無視して、いきなりトプンと水の中に沈んでいった。

「や、やだなぁ……。な……何があるっていうのよ〜……?」

 水中でにぃちゃんが何をしてるのか気になったけれど、釣り合いを保てなくなるのが怖くて前にかがめない。

 これでもし身体が倒れちゃって、浮き輪が変な風に絡みついたままだったら、にぃちゃんが言うように溺れちゃうかもしれない……!

「ね、ねぇ、にぃちゃぁ……ん。もうやめようよ〜? こんな特訓やだよ〜」

 聞こえないと分かっていても、呼びかけてしまう。

「にぃちゃん、にぃちゃんってば〜……。…………ひゃぅっ!?」

 何かが太腿に触った!

「な、何っ!? 今の、何っ!?」

「ぷはーっ」

 息継ぎに上がってきたにぃちゃんに、私は涙目になって訴える。

「なんか触った! プールになんか変な生き物いるよ、にぃちゃんっ!」

 にぃちゃんはニヤッと笑う。

「今の、俺。驚いたか?」

「ひっ……ひっどーーーーい!!」

 私は思いっきりにぃちゃんを蹴飛ばそうとして、またバランスを崩して慌てる。

「にぃちゃんの馬鹿っ! 変態!」

 怒鳴りつけるとにぃちゃんの目が一瞬、きらっと光った。

「変態だなんて、ひどいな」

「だってこんな無理やり変なことするの、フツーじゃないもん!」

 にぃちゃんの目が凍りついたような色をしてるのに気付かず、私は叫ぶ。

「早く手、ほどいてよぉ! これじゃ浮き輪から降りられないよ〜っ!」

「だから、これが特訓なんだって。ちゃんとバランスとれよ」

「そんなの……! あっ、ちょっと!」

 にぃちゃんは再び水中に消えた。と、思う間もなく太腿にさわさわと変な感触が伝わってきた。

「ひゃはははっ、くすぐったい! くすぐったいよ、にぃちゃん! やめて〜!」

 大声で笑った弾みで浮き輪がグラリと傾いて、私は慌てて身体の位置を整える。

「も、もう分かったから、他の特訓しようよ〜。こんなのヤダ……はぅん!?」」

 またにぃちゃんが触った。
 だけど今度は太腿じゃなくて……もっと内側の水着のライン、ぎりぎりのとこ。

「そ、そんなとこ、反則だよ、やめてよぉ、にぃちゃぁんっ!」

 すりすり、すり……。にぃちゃんの指は何度も股のラインを往復してる。くすぐったいけど恥ずかしくて、少しゾクゾクするような、すごく変な感じ……。

「ね……ねぇ……にぃちゃ……」

 にぃちゃんの指から逃げたくて、私はお尻をもじもじと揺する。不安定な浮き輪がつられて揺れるけど、それどころじゃないんだもん!

「やめようってば……あぅん!?」

 指先が……もっと変なところに触ってきた。股間の真ん中の……私の恥ずかしいところに。

「うそぉ!? そんなとこっ!?」

 お尻を揺らしたせいでにぃちゃんの指が滑ったのかも……。とりあえず大人しくして、次ににぃちゃんが息継ぎに上がってきたら何としてでも解放してもらうんだ。

「……ちょ、ちょっと! だ、だからソコはダメだって……ああぁんっ!?」

 間違いなんかじゃないんだ。にぃちゃん、わざと触ってる! どうしてそんな恥ずかしいとこ、わざわざ……!?

「……ぷはーっ……」

 浮上してきたにぃちゃんに叫ぼうとして私は息を呑む。

「な、なに、それ!?」

 にぃちゃんは、どこかに隠していたらしいシュノーケルを着けていた。

「ちょっと! っていうことは……」

「あと12分。ノンストップだからな」

「あっ! 待って!」

 にぃちゃんの姿が沈んだと思った途端にアソコに指が触れてきた。
 しかも何本もの指が這い回ってて、さっきまでの軽いタッチじゃなくて……。

「やだやだやだぁ! やだぁ! あっ、はあぁん! そ、そんなとこ……っ!」

 布越しに割れ目の形を確かめるように、指先が押し付けられてる。アソコの襞にそってなぞられて何度も何度も擦られる。

「ひゃぁぁん、んっ、やっ、やあぁ、やだあぁ、にぃちゃん! ああぁん!」

 じわじわと妙なこそばゆさに混じってアソコがじんじん痺れてくる。

「なっ、何してるのよぉ! そんなの……だ、ダメだよぉ! んああぁっ!」

 冷たい水に触れているのに、アソコだけがカッカと火照り始めてる。触れられるたびに温度が上昇していく気がする。

「お、お願いっ、ほんとに……ほんとにダメぇ、変な気分になっちゃうぅ!」

 もう感じるのはくすぐったさじゃなかった。じわじわと切ないもどかしさが込み上げて、オシッコしたい時みたいな感じがしてアソコがすごくムズムズした。

(も、もしかして、これが……カイカンなのかな……感じてるってことかな?)

 エッチなことすると感じちゃうんだって、前に誰かが言ってた。あんまり興味なかったから詳しく聞かなかったけど……きっとこれが、そうなんだ……。

(いつまで我慢すればいいの……? あと何分残ってるの……?)

 とにかくにぃちゃんが指定した時間だけ我慢すれば終わるんだから。それに……感じちゃったとしても、変なことしたのはにぃちゃんの方なんだから、私は気にしなくてもいいんだから。
 だから……あと少しの間だけ頑張ればいいって思ってた……。

 それなのに……。

「んはあぅ! あっ……ああぁん!」

 急ににぃちゃんの触り方が変わって、私は変な声を出してしまう。ネチネチっとしたタッチで、ムズムズするところばかり狙って集中攻撃されてる。

「やっ、やあぁぁ、あぅんっ、んふぅ、んんん……っ、な、何してるの……っ?」

 細かいところをほじるように、にぃちゃんの指が動いてる。私の中に潜んだ何かがほじり出されようとしている。

「ふはあぁんっ……あ、熱いよぉ……、にぃちゃぁん、アソコ、熱いぃ……」

 割れ目の筋が撫でられる。筋の上にあるコリッとしたマメみたいなところも突かれる。オシッコの出口も、それよりもっと下の方も、お尻の穴までも……。しつこく弄り回されてる。

「くふぅぅんっ、んひぁぁ、や、やあぁ、はぅ、んっ、あ、ああぁぁぁんっ」

 身体が仰け反って倒れそう。縛られたままの後ろ手でつるつるした浮き輪を掴もうとする。今にも溺れちゃいそうで怖くてドキドキして、心臓がバクバク鳴って息苦しくて、だけどそれは怖いだけじゃなくて、胸の奥がズキンズキンって痛いような、身体が溶けちゃいそうな変な感じ……。

「ひゃぅぅ、あっ、あ、ああぁ……う、あぁぁ、ん、はあぁ……っ!」

 私は顎を上げて、犬みたいに舌を伸ばしてハァハァと息をする。込み上げる感覚を堪えることだけで一杯になってしまって、何も考えることができない。

「んあああぁっ、に……に、にぃちゃあぁん! んくぅぅ〜〜〜〜〜〜んっ!!」

 ブルブルブルっと全身が震えた。しかも震えは止まらなくて、何度も何度も頭のてっぺんから爪先までびりびり伝わった。

「あああぁぁぁ、ぁぁ〜〜〜〜〜……」

 ようやく震えが止まった時、私の身体から力が全部抜けてしまって……。

「……あ、ぁぁ…………ぁ……」

 股布を押し上げる勢いで、私はおもらしをしてしまった。
 生暖かいオシッコが布目を通して噴き出してプールにじゅくじゅくと広がっていく。周囲の水が薄黄色く染まって、対流の渦がゆらゆらしてる。

「やあぁ……ふえぇぇん……」

 ショックと恥ずかしさとで、私は思わず泣き出してしまった。

「……まだ終わりじゃないぞ」

 にぃちゃんが重々しい声で何か言ってる……。どうして……? にぃちゃん……なんで千夏のこと、睨むの? なんでそんな怖い顔してるの……?



 泣きべそをかいている千夏をプールサイドに引き摺り上げ、突き飛ばすようにしてコース台に手をつかせた。

「これからが本番だ」

 素早く股間の布をギュッと片側に寄せた。薄桃色をしたつややかな性器が日差しの下に露になる。

「んああっ? な、何……っ!」

 異変に気付いた千夏が身体を捩ろうとするがもう遅い。
 俺は手に吐いたツバを素早く塗りこめて、陰茎を千夏の中心に突き立てる。

「きっ……い、あ、あ、あぐぁぁっ!」

 水中で充分ほぐしたつもりだったが、千夏の膣口は相当にキツイ。ほんの数ミリしか進んでいないのに、ぎちぎちと万力で締め付けられるような痛みが亀頭を襲う。

「いっ、い、い、痛……っ!」

 苦痛を覚えるのは俺よりも千夏かもしれない。全身を強張らせて引き攣れるような悲鳴を迸らせている。

「腹で息をしな、千夏。力を入れると余計痛い……らしい。よく知らないけど」

「うっ、うくぅぅっ、……む、無、理……っ、き、ひ……っ、う……っ」

(千夏……処女なのかな……)

 あれだけ弄った割には濡れていないし、見るからに痛そうにしているし。

(ちょっと可哀相だったかもしれないけど……自業自得だよな)

 勝手な理屈で自分を納得させ、俺は再び千夏の尻を引き寄せた。
 根元に手を添えて支えながら、じりじりと力いっぱいに腰を押し出す。幾度も突き続けるうちに、張り出したエラがようやく狭い入り口を通り抜けていく。

「くああぁ……あ、あっ……」

 一番の難所を過ぎたあとは少しずつ肉棒を動かせるようになった。俺は自分の快感だけのために、ゆるゆると腰を遣う。

「あー、ここもちょっと狭いな……」

 入り口ほどではなかったけれど、先端が突っかかる部分を感じた。

(これ、処女膜というやつ、かな)

 そんな珍重なものをもらえる日が来るとは夢にも思わなかったが……ありがたく頂くことにする。

「よいしょ……っと」

 力をこめて腰を送ると輪ゴムが切れるようなぶちっとした感触と共に、抵抗がなくなった。

「うくぅぅぅっ! あーーーーっ!」

 千夏の背中が沈み込み、反対に高く上がった頭の方から大きな悲鳴が聞こえた。
 俺は構わずに根元まで千夏の中に埋めこんでしまった。

「ううぅぅ…………」

 千夏はひくひくと背中を波打たせて肩で息をしている。繋がった股間から赤いものがあふれ出してきた。

(……やっぱり……)

 鮮血の証を眺めて黒い満足に浸りながら、俺は腰を押しつけたまま、ゆっくりと胎内を掻き回すように揺さぶった。

「うくぅぅ……ふぅぅ……」

 千夏のうめき声をBGM代わりにグイグイと腰を擦り付ける。粘膜がきつく俺を包み込み、吸い付くようにひくつく。
 じんわりと温かな膣の粘膜に包まれる快楽が俺のペニス全体をとろけさせる。

「う。うぅぅぅ……」

 喉の奥で唸るような声をあげて、千夏が懸命に俺を振り返った。

「ひ、ひどいよ……」

 ようやく喋れるようになったのか、恨みがましい目で俺を見上げながら呟く。

「なんで無理やりするの? 千夏、こんなの、やだ……お仕置きみたい」

「まだまだ序の口だよ。お仕置きっていうのは……こういうことだろ!?」

 俺は高々と手を上げ、千夏の尻肉めがけて勢い良く振り下ろした。


すくすく水着


「いっ………!!」

 身体ごと飛ばされそうな、ずっしりした重たい衝撃に私は飛び上がってしまう。

「痛ぁぁぁっ!」

 痛みは後からついてきた。仰け反るくらいのじんとする痛み……。
 振り返れないから見えないけど、きっと私のお尻、真っ赤な手形がついている。

「なっ、何するの、にぃちゃぁん!」

「だからお仕置き」

 にぃちゃんの声は楽しそうにヘラヘラしてる。私は猛烈に腹が立ってきた。

「馬鹿馬鹿馬鹿っ! 馬鹿にぃ! にぃちゃんなんか、死んじゃえっ!」

「ナマイキだなー……。えいっ!」

 弾けるような音と一緒に、お尻に衝撃がきた。続けて骨まで響く痛みも。

「いっ!! い、痛いってば!」

「でもなー。これ、案外いけるぞ? こうやって叩くとさ……」

 三度目の平手が飛んでくる。

「アソコがギュって締まるんだよな。俺のチンポ、食い千切られそう」

「そっ、そんなの……!」

 わざわざ恥ずかしい言い方をされて頬っぺたが熱くなる。

「ま、しばらく我慢してなよ。そのうち気持ちよくなるかもしれないし」

「絶対ならないっ!!」

 そう、気持ちよくなんか、ない。アソコは裂けちゃったんじゃないかって思うくらいに痛いし、お腹が変な風に押されて気持ち悪いし、第一、自分が今まで何も知らなかった場所に何かが入って動いてるっていうだけでも変な感じ。こんなのが良くなるわけ、ない……。

「こんなの……っ、やだっ!」

「聞きわけが悪いなー、千夏は」

「ひゃぅっ!?」

 また平手が飛んできた。お尻がぱあんと高い音を立てる。痛いところの上に更に痛みが重なって何だか頭がぼうっとする。身体も頭もジーンと痺れてる。

「はははっ、すごいな、締まる締まる」

 にぃちゃんが笑ってる。アソコが突き崩されてる。お尻が熱い。アソコも熱い。痛いのと熱いのと苦しいのと悲しいのとゴチャゴチャになってくる。

「にぃちゃ……あっ、うあぁ……っ」

 目の前の景色がぼやけてくる。身体の中がぐにゅぐにゅ動かされてる。内臓の位置まで変わってしまいそうな気がする。

「にぃちゃ……、ち、千夏……も……もう……だ、だめ……っ」

 プツンとテレビのスイッチを切ったみたいに、私は暗闇の中に沈んでしまった。



「ぐすん……ぐすっ、ぐすん……」

 失神から覚めた千夏は、乱れた水着を直そうともしないで鼻をすすっている。

 小さな子供みたいに泣きじゃくる姿を見ていたら罪悪感が湧いてきた。

「……なあ、千夏」

 俺は少しだけ態度を和らげて言う。

「お前……なんで、あんな手紙、書いたんだ?」

 千夏は驚いたように顔を上げた。

「ぐすっ……だって……千夏……」

 忙しくしゃくりあげる合間に、ぼそぼそと呟く。

「……千夏……、にぃちゃんのこと、好きなんだもん……ぐすっ……」

「……へ?」

 一瞬、思考がついていけなかった。
 千夏が俺を好き? それに、どうして好きな相手に『変態』なんて書くんだ?

「だって……。にぃちゃん、桜のこと、好きでしょ? 千夏、桜には勝てないもん。だけど……変態っぽいことさせてあげたら、にぃちゃん、千夏のほうがいいって思ってくれるかもしれないでしょ?」

 涙をいっぱいに溜めた目で、千夏は俺を見上げる。

「ほんとはもっと優しくしてもらう計画だったけど……でも……にぃちゃんにしてもらったのには変わりないから……。だから……千夏はこれでいいの」

 そう言って無理に微笑もうとする。

(そういうことか……。千夏は、俺の気を引くために……あの手紙を……)

「お前……馬鹿だなあ……」

 それならそうと、もっと素直に言えばいいのに……。そうしたら優しくしてやれたかもしれないのに。
 可笑しいような愛しいような複雑な気持ちになって、俺は千夏の髪をくしゃくしゃと撫でた。

(なんだ、そうだったのか……)

 千夏は俺が好きで……。桜ちゃんも俺のことに親身になってくれて……。俺って果報者なのかもしれない……。

「わああぁん、にぃちゃあぁん!」

 抱きついてきた千夏の小柄な身体をぎゅっと抱きしめる。
「ほんと、馬鹿だなあ……」

 二人ともそんなに俺を想ってくれてるのなら……次は三人で遊べるかもな。どんなことをしようかな……。
 あやすように千夏の背中をぽんぽんと叩いてやりながら考える。

(今年の夏は楽しくなりそうだな……)



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