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「厚遇批判」肩身狭い市職員 鹿児島・阿久根市長選(1/2ページ)

2009年5月31日1時17分

 鹿児島県阿久根市の出直し市長選で、市職員が肩身の狭い思いをしている。前職の竹原信一氏(50)が「市役所改革」を掲げ、職員批判を繰り広げているためだ。

 竹原氏は告示後、新聞に折り込んだ選挙運動用ビラ「住民至上主義革命」の中で、市役所職員と市民に「官民格差」があるとして、「年収700万円以上の職員が54%というのは我慢の限度を超えている。3千万円にもなる高額退職金もひどすぎる」と指摘した。「職員は貴族、市民が下僕。下僕扱いされている市民が主権を取る事、これは革命」とも記し、民間から能力重視の職員採用をするなど「市役所の構造改革」を図ると宣言している。

 職員批判は現職時から。2月には市のホームページで07年度の消防をのぞく職員268人の年収を1円単位で公開し、「経営という観点から市役所人件費を見ればめちゃくちゃだ」と攻撃してもいた。

 基幹産業の漁業や商店街の不振、隣接する出水(いずみ)市からの大手メーカーの工場撤退などで疲弊している市に、厚遇批判は大きな反響を呼んだ。市民の平均所得は年200万円程度と言われ、職員は市民の厳しい目にさらされている。

 「ボランティア活動している時でさえ、手当はいくらだと言われる」「700万円以上の職員につないで、という電話が掛かってきた」。不満を募らす職員は多く、市役所を辞める人まで出てきたという。現職時代の竹原氏の指示で庁内に張り出された07年度の各課の人件費総額を記した紙が、竹原氏の失職後すぐにはがされたこともあった。

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