朝日歌壇 1991年(38首)

【1月】

 マルクスもレーニンも墜ちて資本主義万歳聞こゆ地球滅ぶに 
    (名古屋市 荒川太郎 近藤芳美選) 

※社会主義が敗北しても地球は未だに滅亡していません。残念でしたね。

【2月】

 腰抜けの平和国家のままであれされどヤジ飛ぶこの国会は 
    (東京都 大田美和 近藤芳美選) 

 日本は何もしないと怒れるを聞く身はさびし何もしたくなし 
    (市川市 宮川綾子 近藤芳美選) 

 結局は無力な民が無条件に平和を願うことは罪ですか
    (山口県 木本光世 近藤芳美選) 

※ご存じ、このころ湾岸戦争への日本の協力が問われており、この手の歌が他にも続々出てきました。「とにかく何もしたくない」という幼稚な平和主義。平和というのは、時に命がけで守らなければ得られないものなんですよ。

 戦争に金(かね)みつぎたる我が祖国スイスになるとは夢のまた夢 
    (マレーシア 柏木正毅 島田修二選) 

出ました、“スイス信者”。スイスは国民皆兵の重武装国家で、武器輸出もしっかり行っています。いやいや、私もぜひとも日本がそんな国になってほしいものです。

 孤立するなどとたわごと戦乱のもとにぞかがやく憲法九条
    (本庄市 井上誠一 馬場あき子選) 

 戦争の永久放棄が罪のごと思わるる世になりて哀しも
    (横須賀市 加藤洋 島田修二選) 

【3月】

 在日の歴史は勉強したとの言葉やっぱり飲み込んで在日の父に会う 
    (兵庫県 紙川悦子 近藤芳美選) 

在日の歴史は是非とも正しく勉強して欲しいものです。“強制連行”されてきた、などという嘘ではなく。在日のほとんどは経済的理由で豊かな国・日本に移住してきたのです。

 元毒ガス兵の述懐を聞く二次会の少し静まり 
    (大阪市 谷笙子 近藤芳美選) 

※これのどこが短歌なのか。内容さえ気に入れば短歌として体をなしていなくても読者に読ませるのが朝日の方針のようです。

 桜餅このひとひらの塩の葉を日本などと言いたくなけれ 
    (千葉県 藤岡道子 島田修二選) 

※とにかく日本が嫌いのようです。

【4月】

 難民の流入ありて日本が人種の坩堝(るつぼ)と化す夢を見し
    (仙台市 佐々木穎 島田修二選) 

 いつよりか『世界』読まぬ夫を寂しみて肩冷え覚むる椎の葉鳴る夜半 
    (東京都 加登聰子 近藤芳美選) 

【選者の評】いつからか雑誌『世界』を読まなくなった夫と知る。おのずからな老いと衰えなのか。椎の葉の風に鳴る夜の目覚め。共に長く生きて来た寂寥が感じられる。

※夫のみならず、世間の大多数の人から『世界』は読まれなくなったのです。この夫は今なお理性的な判断能力を持ちあわせているのであって、「老いと衰え」は投稿者である妻と、こんな評を書く選者の方です。

(参考:2002年9月17日の日朝首脳会談以降、過去の媚朝報道を糾弾された岩波書店の見苦しい言い訳

【5月】

 大方は敗者に投じし地方選この虚しさを埋めつつ青葉
    (亀岡市 斎藤千鶴子 近藤芳美選) 

※社会党か共産党の支持者のようです。

 新緑の母港をいづる掃海艇改憲論者の見送る中で
    (沼津市 植野三郎 馬場あき子選) 

 来賓の「立て」の声あり君が代に立たぬ師の前立つ児立たぬ児 
    (大津市 大橋啓香 近藤芳美選) 

 戦争の手柄話を得々と話す小父さんよくないと思う 
    (諏訪市 大石まさ子 島田修二選) 

【選者の評】歌は理路を正すものではないから、時にはぎりぎりの直感でしか表現できなくなる。そのために、かえって真実に近づくということがあろう。「良くない」というせっぱ詰まった言い方しかできぬところに歌の真実がある。

※歌もさることながら、選者の評が何とも・・・。

 「湾岸後」のわれらの集い八月にあらねば報道もなくて終りぬ 
    (高松市 岡田昌子 近藤芳美選) 

※「集会をやったが報道されなかった」というサヨクの歌は、他の年にも出てきます。何でそんなに報道してもらうことにこだわるのでしょうか。

【6月】

 忘れざる吾の十八北京の夜に胸抉らるる「抗日歌」聞く 
    (宗像市 河野通弘 近藤芳美選) 

 武力なき平和の夢も褪せゆきて戦後は長き徒労のごとし
    (高松市 稲暁 島田修二選) 

 国境は誰がためなりやあて先に日本国と書きつつ思う
    (中国 北村小夜 佐佐木幸綱選) 

※国境は、一つには日本が中国共産党に侵略されないためにあります。我々は中国と“国境のない”ウィグルやチベットのようにはなりたくないのです。台湾人民の大多数も、中国と“国境のない”状態など御免こうむりたいので、国民は兵役に就き国防に懸命です。

 「非武装」に縋りて初投票せし日の遠くあふるる怒りやどりなきまで
    (東京都 加登聰子 近藤芳美選) 

【7月】

 便衣隊の疑いありと野に並べ引金ひきしが老いをさいなむ
    (新潟市 渡辺正夫 近藤芳美選) 

※中国軍は国際法で禁止されている便衣隊(非戦闘員を装った兵士、ゲリラ。便衣隊を銃殺してもジュネーブ条約第4条により合法)を多数使ったために、日本軍は非常に苦しめられました。中国人の辞書には昔も今も法遵守という言葉はありません。

 娘子軍というは慰安婦船倉のハッチ閉じねばならなかった懺悔
    (島根県 祖田功 近藤芳美選) 

【8月】

 尋ねゆけばアリラン峠知るはなし強制連行梅雨のかなたに
    (釜石市 鈴木弘太郎 近藤芳美選) 

 教科書が少年の日に少しずつ戻りながら来る敗戦記念日
    (福岡県 江藤文与志 近藤芳美選) 

 教科書が拒めばわれら語り部となりて伝えむ戦争の惨
    (新潟市 渡辺正夫 近藤芳美選) 

※教科書から問題の記述をいくらなくしても、サヨクどもはしつこく青少年向け反日宣伝をやるつもりらしい。

 日の丸を土産に欲する若者の願いを拒めりかたくなに我
    (東京都 山久美子 島田修二選) 

【9月】

 慰安婦は己が意思にて加わりしと記す人あり女たちはいま
    (福井市 観正一 近藤芳美選) 

 反安保あれは麻疹と言い捨つる史観あり今日のモスクワは何
    (秋田市 辻金一郎 近藤芳美選) 

※この歌が意味不明。「今日のモスクワ」とは、ソ連が崩壊したことを指すのですが・・・。

 社会主義破れて淋しさびしかり資本主義に理想のありや
    (東京都 坂口弘 近藤芳美選) 

※このころの朝日歌壇には、連合赤軍事件の死刑囚・坂口弘の歌が時々載りました。これもその一つです(もっとも、事件当時のことや現在の獄中生活などを詠う真摯な歌がほとんどで、それほど変な歌はありませんが)。

 被害史より加害史重しさあれども口つぐむ者日々に老いゆく
    (名古屋市 寺西金一 近藤芳美選) 

【10月】

 社会主義語らんとすれば口噤(つぐ)む友の憂鬱私の孤独
    (厚木市 飯沼鮎子 島田修二選) 

 強制連行されし慰安婦は十七歳詫びを求めて語る日本語
    (釜石市 鈴木弘太郎 近藤芳美選) 

【11月】

 中国人殉難烈士慰霊塔「烈士」は悲し廃坑の跡
    (安中市 神宮克夫 近藤芳美選) 

 一人だけ史観守るといい切りてローザを挙ぐる涙ぐみつつ
    (東京都 西山公啓 近藤芳美選) 

※ローザとは、社会主義者ローザ=ルクセンブルグのこと。ソ連崩壊で寄ってたつ思想の崩れたサヨクの惨めなこと。

 強制連行の婦女らなりしか心なくその嬌声をききし兵の日
    (福岡県 平田倶則 近藤芳美選) 

【12月】

 かぎりなき言葉の操作強行採決知らぬまに殺されるやもしれぬ
    (厚木市 飯沼鮎子 島田修二選) 

 話しいる意味解さねどその語気の胸に沁むかも従軍慰安婦
    (福山市 武暁 佐佐木幸綱選) 

サイトマップへ戻る