2009年5月31日8時0分
滋賀県安土町選管が、津村孝司町長の解職請求(リコール)に向けて住民団体が提出した署名の効力を確認する作業として、署名した住民に対し、署名を集めにきた人の名前を尋ねる文書を郵送した。住民団体は「活動を抑えるのが目的ではないか」と憤っている。
文書は29日付で、三つの質問の最初で「署名を集めに来られた方はどなたですか」と聞き、名前を知っている場合は個人名を、知らない場合は性別とおよその年齢を記すよう求めている。ほかに、署名が町長の解職を求めるためのものであると説明を受けたかと、署名簿の表紙や町長解職請求の要旨を見たかを尋ね、6月3日必着で返送するよう求めている。
署名は、隣接の近江八幡市との合併に反対する「急ぐな合併・守ろう安土みんなの会」が町選管に提出。リコールに必要な有権者の3分の1(3291人)を上回る4209人分が集まった。町選管が有効と判断すれば、町長のリコールの是非を問う住民投票が実施される。
住民団体によると、文書は署名者に30日から届き始め、相談が相次いでいるという。大林宏代表は「リコールをつぶすためにここまでやるのか、という怒りでいっぱいだ」と話す。
一方、井上源三郎・町選管委員長によると、ある地域で郵便ポストに署名用紙を入れ、後日回収された例があったとの情報があった。署名集めが、登録された受任者によって手続き通り面談のうえ実施されたかどうかを確認するため、その地域の署名者に問い合わせをしており、「正確な審査をする上で必要なことだ」としている。