2009年04月23日

エレベーター死亡事故と安全の維持管理

東京都港区のマンションで、都立高生がエレベーターの床と天井に挟まれて死亡しました。

当該エレベーターで過去に多発していた不具合(誤作動など)と死亡事故との関係が調べられていますが、いずれにしてもこの事故も「人災」であるのは間違いありません。

以前からこのブログで書いているように、ホスピタリティを構成する最も重要な要素は「安全、安心」です。
今日は安全の維持管理という観点からこの事故が発生した原因を推察してみたいと思います。

まずは、最大の疑問点から
それは「なぜ、扉が開いたままの状態でエレベーターが上昇してしまったのか」ということです。

もともと機械装置というものは不具合が発生するものであり、さらに言えば「壊れる」ものです。最新鋭の航空機でも、最高級車であろうと同じです。続きを読む
2009年04月21日

紀宮さまがディズニーランドをご訪問された日のこと

紀宮さま、ご結婚おめでとうございます。
皇族の紀宮さまから民間人となったのですから、これからは黒田清子さんとお呼びするのですね。
幸せな家庭を築かれることをお祈りいたします。

今日は、紀宮さまが東京ディズニーランドを訪問された時のお話を少しだけさせていただきます。

86年(昭和61年)の6月9日のことです。東京ディズニーランドにはこの日、二つの「うれしいこと」がありました。

一つはドナルドダッグの52回目の誕生日です。
そしてもう一つの「うれしいこと」が紀宮清子内親王殿下のご来園です。続きを読む
2008年01月22日

アーカイブリスト

Hospitality
 「この世で一番怖いのは、雨やもり」
 教育問題について考える
 日本をホスピタリティ国家に

 ホスピタリティとコンプライアンス                                     
 CS(顧客満足)とホスピタリティの関係@
                               
 ホスピタリティとは、ディズニーランドのホスピタリティとは
            
 ホスピタリティ 3つの大きな着眼点とは
            
 ホスピタリティとサービスの違い@
                    
 ホスピタリティとサービスの違いA
                                           
 トヨタ方式 ディズニー方式 おもてなしとホスピタリティ @
                              
 ホスピタリティ・ビジネスとは ホスピタリティ経営とは
 ホスピタリティを学びたい人への三冊の本
 ホスピタリティマンション?
     
 ホスピタリティの根っこと「豊かさマインド」
               
 病院のホスピタリティ
                 
 ホスピタリティとゴルフの精神
 

 ホスピタリティとは、ホスピタリティと「成果主義」について考える@
 ホスピタリティとは、ホスピタリティと「成果主義」について考えるA
 

  「国家の品格」とディズニーランドのホスピタリティ                           

 安全管理 マニュアル                 
勇気を持って発言「原子力は安全です」

 
エキスポランドのジェットコースター事故とディズニーランドの安全管理
 エレベーター事故と安全の維持管理@                          
 エレベーター事故と安全の維持管理A
                                 
 ホスピタリティの創造にはマニュアルが必要
               
 JALとホスピタリティ
                     
 台風対策にもマニュアルが活躍 
   
 ブログの役割と明石市花火大会歩道橋事故
               
 プール事故:安全な社会に再生させるためには
                 
                  
辛口ホスピタリティ・コラム
 郵政公社 トヨタ式に混乱
 トヨタ方式 ディズニー方式 おもてなしとホスピタリティA                            BSEと吉野家のおもてなし
 スタジオジブリのホスピタリティと電通のホスピタリティ
                
 郵政職員「バッジで格付け」は逆効果
 ディズニーランドに学んでいない愛知万博の「おもてなし」
 愛知万博も「官から民へ」ディズニーランドと比較せよ                  

Disneyland
みんなのミッキー 独り占め「家族に東京ディズニーシー貸し切り…開園25周年記念」
ディズニーランドとマイケル・ジャクソン
                       
 皇太子さまご一家の東京ディズニーランドご訪問について
 
 紀宮さまがディズニーランドをご訪問された日のこと
 香港ディズニーランドと東京ディズニーランドの違い、香港ディズニーランドの謎と疑問                                    ディズニーランドに関する2冊の書籍と「ミッキーの十戒」                              
 ディズニーランドのホスピタリティ・アクションとは
 ディズニー方式「独り立ち教育」 


教えていただいたことなど
 教えてもらえるということ  

2006年10月16日

ディズニー方式「独り立ち教育」

安部総理の著書「美しい国へ」では教育に関してこのように書かれています。
「教育の目的は志ある国民を育て、品格ある国家をつくることだ。」

ディズニーキングダム(王国)に当てはめればこういうことになるでしょう。
「教育の目的は実際に活躍できる国民を育て、国民に夢としあわせを提供できる国家をつくることだ」

さて、政府が教育改革推進のため設置した「教育再生会議」が明日から始動するそうですが、私はこの会議には全く期待していません。なぜならば、前述した安倍総理の教育改革の目的があまりにも曖昧であるからです。

教育の目的は志ある国民を育てるという「出発点」から入ってしまうと「出口」つまり、育った国民は志のある国民ということになってしまいます。「志」と言うことばは「美しい」同様に抽象的で観念的なことばです。情緒的なことばと言っても良いでしょう。

総理はどうやら日本の教育問題の本質がお分かりでないようです。現在の荒廃した教育の背景にあるもの、それを知るにはこちらの書評が役立ちます。私も全く同じ認識です。長くありませんのでぜひ読んでみてください。
「心でっかちな日本人」
http://www.nikkei-bookdirect.com/bookdirect/tatiyomi2/page0.html
続きを読む
2006年09月14日

教育問題について考える

今朝の朝日新聞の一面に「小学生の暴力 最多2018件 05年度公立校」という記事が掲載されました。
教師に対する暴力も前年対比38%も増えているそうです。

なんということでしょうか、行き着く所まで行き着いてしまったということなのでしょうか。日本の教育現場は、今や「末期症状」ということなのでしょうか。

今日は教育の問題について私の考えを書いてみたいと思います。


先日このブログでこのように書きました。
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私はホームヘルパー2級の資格を取る教育が、ディズニーランドで行われている従業員教育と180度違うということを思い知らされました。

私が受講した会社は上場している大手企業でしたが、教育現場での仕事というものがまったく分かっていないようです。当然、仕事の出来ばえ(アウトプット)も私から言わせれば「最低」のものでした。

正しい考え方と正しい教育による正しい働き方(教え方)、そして現場管理は相互に連関してはじめて良いアウトプットを生み出すのです。
これがディズニー方式の基本的考え方であると私は考えています。

残念ながら、私が受講した教育会社同様、プール事故を起こしてしまった管理会社とふじみ野市には、今日のブログに何回も出てくる「正しい」という大切なポイントが欠落していたようです。
そのために「正しい仕事」ができず、正しくない仕事(アウトプットされた事故)を生み出してしまったということです。
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先日もお隣の東大和市の介護ホームで看護士による不祥事が発生しました。教育がなっていなかったのが原因なのでしょう。

さて、日本の教育の荒廃に関して、私はこのように結論づけています。

「学校教育や職場内教育が抱える問題はディズニー方式の教育を行えばすべて解決する。」続きを読む
2006年08月24日

「この世で一番怖いのは、雨やもり」

長い人生を経て、酸いも甘いも噛み分けた老夫婦の会話。

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「あのなあ。この世で一番怖いものはなんだろうなァ。死ぬことか、なァ・・・」
<中略>
「わたしがこの世で一番怖いと思うのは、雨やもりだよ」

「やもり?そりゃ、うちの天井をはいつくばっているヤツかい」

「そうじゃないですよ。雨やもりってのは、雨もりのことですよ」

「どうして、雨もりが怖いんだい?」

「そうさねェ、もし火事だったら、いっぺんに燃えちまって、どうしたらいいかを最初から考えればいいけれどね、雨やもりは、私たちが気がつかないうちに、天井が腐り、柱が腐り、畳がダメになっていってしまう。この“気づかないうち”というのが怖いんですよ、おじいさん」

「ああ、そうだなァ」

「人間も・・・・やっぱり、雨やもりになっていくのが怖いですねェ。しだいしだいに気づかないことが一番怖いんですよ」

引用 榎本勝起著 「魅力人生爽快学」 損な性分のあなたに贈る100話 大和出版1986年
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2006年08月01日

プール事故:安全な社会に再生させるためには

夏休みのプールで悲惨な事故が起きてしまいました。埼玉県ふじみ野市の市営プールで31日、同県所沢市立小手指小2年、戸丸瑛梨香ちゃんが排水口にのみ込まれ、死亡したという事故です。

このブログを読んでいただいている方は、「ホスピタリティの構成要素のなかで最優先されるべきことは安全、安心である」と私が何回も書いている理由がお分かりになられたことと思います。

安全、安心な環境でなければ、おもてなしにもなりません。サービスにもなりません。これは当たり前の「原理・原則」であるのです。

ところが日本は、この当たり前のこと、「安全、安心の環境づくり」さえもができない社会に変質してしまいました。

それでは、安全、安心な社会に日本を再生させるためにはどうしたらよいでしょう。私が出した結論は以下の通りです。

それは、

ディズニー方式の安全教育システムと、ディズニー方式のスーパーバイジングを日本社会に導入すること。

これだけです。

ディズニー方式の教育システムやスーパーバイザー(現場の管理、監督者)制度を簡単に説明することはできませんが、ディズニーランドの現場運営がうまくいっている理由は、間違いなくこの二点にあると私は確信しています。
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2006年07月23日

ホスピタリティとコンプライアンス

以前3月29日のブログでコンプライアンスについて少しだけ触れました。今日はそのコンプライアンスについて書いてみたいと思います。

◇コンプライアンス(法令遵守)だけでは会社は存続できません。法令は社会の最低限のルールであって、法令さえ守っていれば何をやってもいいというのではありません。そして、より会社のルールを明確にするために役立つのがマニュアルなのです。

このように書きましたが、その背景にはライブドア問題、村上ファンド問題などで表顕したように「法に触れなければ何をやってもよい」という風潮が、今の日本に蔓延していると考えているからです。

この「法に触れなければ」という思想は、アメリカ型の市場原理主義に基づくものであると考えられますが、日本人がこの市場原理主義を解釈するとこうなってしまいます。

「赤信号、みんなで渡れば怖くない」
「カラス、何故鳴くの、カラスの勝手でしょ〜」
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2006年07月07日

エレベーター死亡事故と安全の維持管理A

高校生が死亡したあのエレベーター事故から一ヶ月が経ちました。

この間、このブログで事故原因や防止対策の途中経過について書きたいと思っていたのですが、入手した情報量があまりにも少ないために、今でも「何も書けない」状況が続いています。

その理由は、事故機が外国のメーカー製であり、裁判を意識した対応なのか、事故機に関する情報(プログラムやメカニック的構造など)を開示しないことにあります。事故の原因を知りたい私たちエレベーター利用者にとって、このシンドラー社の対応はまったく納得できないものです。

私は、ディズニーランドでスペース・マウンテンやビッグ・サンダー・マウンテンの安全管理を担当してきましたが、その経験から、シンドラー社及び保守点検を請け負っていたSEC社の今回の事故への対応は、今後の日本社会に大きな影響を与えるものと考えています。

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2006年05月27日

ディズニーランドとマイケル・ジャクソン

暗く、おぞましいニュースが続いています。何か明るい話題がないものか、そう思っていたところ「マイケル・ジャクソン 27日に来日」というニュースが飛び込んできました。

ジャクソンさんは「私は日本の古くからの友達に会い、多くのファンにあいさつすることを楽しみにしている」とのコメントを発表した。日本滞在中、児童養護施設を訪問したり、東京を観光したりし、実業界のメンバーとも会うという。(時事通信 5月26日)

マイケル・ジャクソン氏は、過去に二度、東京ディズニーランドに来園しています。
今回も「観光」のスケジュールのなかにディズニーランドが含まれているとうれしい、私はそう思っています。

私が再訪して欲しいと思う理由は一つです。
それは「マイケル・ジャクソン氏にはいつまでもディズニーランドのリピーターであって欲しい」と願っているからです。

マイケル・ジャクソン氏の過去のディズニーランド体験が「素晴らしかった」からこそ、氏はリピーターでいてくれるのであり、その氏の体験を「素晴しい」ものにしたのは、ディズニーランドのキャスト達による「おもてなし」そのものであるのです。
そして、その「キャスト達」には私も含まれています。そうであるからこそ、氏がディズニーランドのリピーターであり続けて欲しいと願っているのです。

今日はマイケル・ジャクソン氏が来園した時の話と「ディズニーランドと芸能人」の話を少しだけさせていただきます。
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2006年05月22日

CS(顧客満足)とホスピタリティの関係@

この4月から、大学や専門学校、各種スクールなどでホスピタリティを学び始めた方も多いと思います。

どうでしょう、5月も半ばを過ぎ、そろそろ「迷い」が生じてきた頃ではないのでしょうか。

「ホスピタリティ? 学べば学ぶほど分からなくなってきた」

「ホスピタリティ? 実社会で本当に役に立つの」

このような「迷い」ではないでしょうか。

残念ながら、その通りである、と申し上げるしかありません。つまり、学校で教えるホスピタリティは理論にすぎず、実社会ではほとんど役にはたたないものと私は断言いたします。


今や、インターネットを使えば、ホスピタリティに関するたくさんの論文や商品(研修や講演など)が検索されまれます。ヤフーのウエブ検索では、なんと!ヒット数は48万件です。

確かに、ホスピタリティという言葉がよく使われるようになってきたのは事実です。

しかし、です。
それでは、いったいどれだけの人がホスピタリティの意味を知った上で使用しているのでしょうか?

ホスピタリティに関する「協会」も複数存在しますが、ホスピタリティの定義や中身(構成要素)は統一されているのでしょうか?

ホスピタリティについて語る講演講師も多数見受けられますが、「元」「基本」となるホスピタリティ理論は同じでしょうか。
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2006年05月09日

「国家の品格」とディズニーランドのホスピタリティ


競争と格差社会について考えてみたいと思います。

ディズニー出身の私が出した結論は以下の通りです。

「競争至上主義に基づいた組織運営を長期間にわたり推進すると、企業も社会も必ず衰退する」ということです。

所得格差、教育格差、希望格差など格差もいろいろですが、ここでは職場内の総合的な実力格差(スキル格差)を取り上げてみたいと思います。

それではなぜ、格差が生まれるのでしょうか。簡単に言えば格差=差とは「自由競争」の結果といえるでしょう。

自由に競争させれば結果に差が出ます。勝つ人と負ける人が生まれます。
ゴルフを考えればその当たり前のことがよく分かります。
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2006年04月29日

ホスピタリティと「成果主義」について考えるA

ディズニーランドは、働く人の何を「成果」として評価すべきでしょうか?

先日、こんな問いかけをさせていただきました。
今日は、先日に引き続いて成果主義における評価の着眼点について書いてみたいと思います。

結論から言いますと
「しあわせをどれだけ創造したか」がその答えになる、私はそのように考えています。

当たり前のことです。ディズニーランドがゲストに提供している製品、商品は「ハピネス」つまり「しあわせ」なのですから。

確かにディズニーランドにはさまざまな職種があります。
商品店舗やレストランの仕事、ジャングルクルーズの船長さんや呪われた館の執事たち、清掃係に警備担当者、植栽を管理する仕事や、機械を整備する人、ナースもいれば無線局で働くキャストもいます。

それでも、スタッフは全員「ゲストをしあわせにする仕事」に従事しているのであり、(商品)物販業や飲食業に従事しているのではありません。

ここが、ディズニーランドのユニークなところであり、多くの人をひきつけてやまない理由の一つであると私は思っています。
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2006年04月15日

ホスピタリティと「成果主義」について考える@

今日は長い文章でなく、みなさんに少しだけ考えていただくログにしたいと思います。

ホスピタリティの環境をつくる、顧客に良い「おもてなし」を提供する。

これは、一人でできることでしょうか。

サービスとホスピタリティの違いA.pdf をもう一度見てください。

サービスは主人と使用人の関係であり、一方通行。
ホスピタリティは、客人と主人が対等な関係であり、WIN−WIN。
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ディズニーランドでは毎日がホームパーティーです。すべてのキャストがホームパーティーでゲストにおもてなしをする「ホスト」「ホステス」なのです。

ホームパーティーだからこそホスト役のミッキーは正面玄関でタキシード姿(正装)でゲストをお迎えするのです。ホームパーティーに招待したゲストですから、ゲストにも訪問者としてのマナーや身だしなみを守ってもらいます。ホームパーティーではゲストとホストは対等なのです

「すべてのゲストがVIP」東京ディズニーランドで教えるホスピタリティ より
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ディズニーランドのホームパーティーと同様に、ショップやレストランなどの「ホスピタリティの環境づくり」や、「おもてなし」の提供も決して一人ではできないものです。

チームワークが必要です。

マニュアルも必要です。

それでは、表題のホスピタリティと成果主義について考えてみましょう。

仮にディズニーランドが成果主義を取り入れたとして、ディズニーランドは、働く人の何を「成果」として評価すべきでしょうか?

ホスピタリティとサービスの違いPDFを見ながら考えてみてください
2006年03月29日

ホスピタリティの創造にはマニュアルが必要

「3月5日午後5時半ごろ、韓国ソウルのロッテワールドでアトラクション、『アトランティス』に乗ったソン某(28歳男性)さんが石村湖に転落し死亡した。」

この事故の続報が気になっていたところ、27日に次のようなニュースが飛び込んできました。

「アトラクション死亡事故を謝罪するために始まった『ロッテワールド無料開放イベント』に多くの人々が殺到し、激しい込み合いにより負傷事故が相次ぐと、ロッテワールドはこのイベントを急きょ中止することにした。

このイベントが始まった26日午前、ソウル蚕室ロッテワールドには一瞬で数万人が殺到、凄まじい混雑となり、負傷事故が相次いだ。10代の若者を中心に予想より多くの人々が殺到、統制不能の状態となり、事故が発生した」(朝鮮日報より引用)

私はこのブログでホスピタリティの三大要素は安全、おもいやり、居ごこちであると繰り返し述べてきました。

要素とは成分、条件のことですが、ホスピタリティ環境を構成する要素をこのように説明しているのは日本中で私だけであるかもしれません。
すくなくとも、学校や専門学校では教えていないようです。

さて本題に入ります。

私はロッテワールドへは行ったことはありませんが、ロッテワールドがディズニーランドとは異なり、ホスピタリティの環境、つまり安全で、おもいやりがあり、居ごこちの良い環境にないことは上記の報道内容から容易に推察できます。

それではなぜ、ロッテワールドではこのような不祥事が続発するのでしょうか。
今日はそのことを考えてみたいと思います。

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2006年02月28日

JALとホスピタリティ

JAL(日本航空)の内紛が発覚して2週間になろうとしています。
巨額な赤字と度重なる運行トラブルは「ナショナル・フラッグ・キャリア」と言われたJALブランドのイメージを悪化させ、さらなる乗客離れを加速させているようです。

そこで今日は、このJALの安全性について少しだけ私見を述べてみたいと思います。
昨年10月14日のログ ホスピタリティ 3つの大きな着眼点とは でホスピタリティの3要素は「安全」「おもてなし」「居ごこち」であると書きました。
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「ホスピタリティがあふれる状態であるか」「そうではない状態であるか」を判断することができる三つの柱があります。
それは「ホスピタリティあふれる状態」を成立させるために欠くことができない三大要素とも呼べるものです。

1、安全、安心の状態であるか
2、おもいやりのある状態か
3、居ごこちの良い状態か
この3つです。

英語のキーワードは
1、Safety セーフティ
2、Courtesy コーテシー
3、Amenity アメニティ
です。
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2006年02月21日

ホスピタリティとゴルフの精神

「一流のツアープロでもナイスショットと言うよ。言われたら有り難うございますと必ず言うよ、なぜだか分かるか?」
このブログはホスピタリティ・ブログです。なぜプロゴルファーでも「有り難うございます」と言うのか、その訳をいつか述べてみたいと思います。ホスピタリティの精神とゴルフの精神にはかなり共通点があることをご理解いただけることと思います。

10月7日 教えてもらえるということ でこのように書きました。
遅くなりましたが、今日はホスピタリティとゴルフの精神について書いてみたいと思います。


まずは、オリンピックのメダリストがゴルフ番組のインタビューで語ったことから。

レポーター「ずいぶん叩いていたようですね?」(成績が良くないという意味です)
○○選手 「スコアーは付けていませんから・・・」
残念ながらこの選手は、ゴルフというスポーツのマナーやルール、その精神を誰からも教えてもらっていないようです。

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2006年02月09日

トヨタ方式 ディズニー方式 おもてなしとホスピタリティA

10月17日にトヨタ方式とディズニー方式のおもてなし、ホスピタリティの違いについて書きました。

このログの中で
◇後日、トヨタのレクサス販売に関する「おもてなし」について述べてみたいと考えています。「高級車にふさわしい質の高いもてなしの提供」が販売戦略だそうですが、はたしてうまくいくのでしょうか・・・?

このように書きました。今日はこのレクサス販売とおもてなしについて書いてみたいとおもいます。

まず、昨年の3月にプレスリリースされた時の新聞記事をご覧ください。

「トヨタ レクサス8月に導入 高級車販売競争激化へ」

トヨタ自動車が高級車専門の新しい販売系列「レクサス」を8月に導入するのをきっかけに、「高級車にふさわしい質の高いもてなし」を競う販売合戦が激化しそうだ。トヨタは接客技術の向上を目指して、販売会社の従業員を研修中。(毎日新聞) - 3月25日

私はこの時からトヨタのこの販売戦略に大きな疑問を持っていました。それは、

1、「高級車にふさわしい質の高いもてなし」について
2、「接客技術の向上を目指した従業員研修」について

以上の2点に大別されます。


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2006年01月23日

病院のホスピタリティ

今日は病院(ホスピタル)のホスピタリティについて、私が実感したことを書いてみたいと思います。

以前に領域の広いホスピタリティ概念@.pdfにおいて、病院やテーマパークのホスピタリティ概念を比較した表を紹介しました。

その内容は、同じホスピタリティでも病院のホスピタリティは「助ける」という意味合いが強く、テーマパークのホスピタリティは「楽しませる」という意味合いが強いというものです。

さて、最初に病院のホスピタリティに関して私が実感したことをまとめてみます。

◇顧客である患者は「助けられている」と実感している。

◇病院のスタッフは「心の回復」を手助けしているが、まだまだやるべきことは多い。

以上の2点です。

「実感した」と書きましたが、その理由は昨年末から数日前まで母が入院していたからです。身内の話で恐縮ですが、その時の体験を通じて私が実感した病院のホスピタリティについて書いてみたいと思います。

母が入院した施設は、介護老人保健施設を備えた病院であり、俗称で言いますと「老人病院」です。比較的長期に入院する高齢者の方が多く、治療よりも介護に重点を置いた病院です。完全看護保険医療機関であり、付き添いも不要です。

それだけに、スタッフの対応こそがこの病院のホスピタリティ評価の決め手になることは間違いありません。

結論から申しあげますと入院した病院に対する母の「患者満足度」は非常に高いものでした。


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2006年01月10日

ディズニーランドのホスピタリティ・アクションとは

このホスピタリティ・ブログを書き始めてから3ヶ月以上経ちます。
読んでくださっている方もディズニーランドのホスピタリティついてなんとなくお分かりになってこられたことでしょう。

今日はホスピタリティの原点にもう少し近づいてみたいと思います。

先日、ディズニーランドの「こころ温まる話」で北海道のご夫婦の体験談を紹介しました。

「寝てしまった娘を抱いてベンチに座っていたら、(私はその間にショッピング)向こうから七人のこびとがやって来て、娘の横を通る時、廻りのゲストの方々に指で“シー"という格好をして通り過ぎていったそうです。この話を主人から聞いて、私も感激してしまいました。」


どの様に表現すれば良いのでしょうか。この体験談に「ディズニーランドのホスピタリティのすべてが語られている」と言いたいのですが。

ホスピタリティとは「概念」であり、7人のこびとが“シー"という格好をしたことは実際の「行動(アクション)」です。
では、どうしてこの7人のこびとは、このような「行動(アクション)」をしたのでしょうか・・・

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2005年12月09日

ホスピタリティとサービスの違いA

ホスピタリティとサービスの違いがよくわからない」
講演の打ち合わせなどでよく質問されます。

反対に私から「サービスという言葉の持つ意味をどのように解釈されていますか」という少々意地悪な質問をすると、多くの方々は返答に困ってしまわれます。

私はこのサービスという言葉ほど曖昧な言葉は他にないと考えています。曖昧な言葉であるため、人は「自分勝手」にサービスという言葉を使用してしまいます。

サービスタイム  リップサービス ゴルフのサービスホール(後述) サービス残業 

サービスの意味するものが皆違いますね。

特にサービス残業の「サービス」は法律にも関係してきます。
「無料奉仕」「勝手に奉仕」の意味ならまだ良いのですが、そうではない場合には「違法残業」とも解釈されてしまいます。

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例えば、「サービスについて討論しよう」という状況を想定してみてください。ある人はサービスとは「割引きである」ととらえ、ある人は「増量することだ」ととらえるでしょう。ある人は「気持ちの問題」ととらえ、別な人は「無料化こそサービス」と言うことになるでしょう。

新聞の株式市況欄を見て下さい。「サービス」の部門にもたくさんの職種があることに気づくことでしょう。このようにそれぞれの人が別々な言葉を用い、別々な解釈をすることは、混乱を招く元になってしまうのです。

「すべてのゲストがVIP」ディズニーランドで教えるホスピタリティ 本文より
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2005年11月06日

ホスピタリティを学びたい人への三冊の本

読書の秋です。秋は私たちにゆっくりとした時の流れを感じさせてくれます。
心を落ち着かせ、じっくりと本と“対話”してみたいものです。

今日は、ホスピタリティについてもっと学びたい、という方々に三冊の本を紹介します。

それは
「真実の瞬間」ダイヤモンド社 ヤン・カールソン著
「武士道」  三笠書房 新渡戸稲造著
「7つの習慣」キング・ベアー出版 スティーブン・R・コビー著 ですが


その前に・・・
ディズニーランドのキャストはディズニーランドについて書かれた本をほとんど読みません。ウォルト・ディズニーについて書かれた書籍も同様です。

読む必要はないのです。

なぜならば、ディズニーの文化やインサイドストーリー、ウォルト・ディズニーの語録などは、本によって伝承されるのではなく、物語のように人から人へと語り継がれているからです。
続きを読む
2005年11月03日

BSEと吉野家のおもてなし

アメリカ産牛肉の輸入再開が近づいてきました。
食品安全委員会の答申が述べているように、食の安全確保を優先し、日本政府の責任において輸入再開の「前提条件」を100%守っていただきたいと考えます。

牛丼の吉野家の安部社長による輸入再開を歓迎するコメントも報道されていますが、今日はその吉野家に苦言を呈します。

覚えていますか、日本全国の吉野家のファンが駆けつけた本年2,11牛丼 <限定> 復活日を。

真冬の関東地方は晴れていたものの「体の心から冷える」という表現がぴったりの一日でした。

その日、私は妻と二人でいきつけの吉野家店舗前に並びました。
40分ほど待ち店舗内に入ったその時、目の前には信じられない光景が飛び込んできました。

席はガラガラの状態でした。

続きを読む
2005年10月21日

ホスピタリティ・ビジネスとは ホスピタリティ経営とは

これまでに何回か「ホスピタリティとは」について述べてきました。
今回のテーマは「ホスピタリティ・ビジネスとは」 「ホスピタリティ経営とは」です。

このブログはホスピタリティ・ビジネスで働く方々、これからか関わっていきたいとお考えの方々に、

少しでもお役に立てば・・・
  と思いながら書いています。

それは、ビジネス上で役立たなければこのブログの価値はないということ意味します。
今後はより強くビジネスの領域にスポットを当てながら、当ブログのテーマである「ホスピタリティ」について、詳しく述べていきたいと考えます。

そこで今回は「ホスピタリティ・ビジネスとは」「ホスピタリティ経営とは」について少しまとめておきたいと思います。

続きを読む
2005年10月19日

ホスピタリティとサービスの違い

サービスとホスピタリティの違いについて説明します。

そのためには、「ディズニーランドのサービスとは」「ディズニーランドのおもてなしとは」「ディズニーランドのホスピタリティとは」にも答えていかなくてはいけないのですが、これらを簡単に説明することは至難のワザです。

ディズニーランド出身のコンサルタントの著書もいくつか発刊されていますが、紙幅(原稿の枚数)の関係でこの大切なテーマについて十分に伝えきれていないのが現状です。

時間をかけ何回にも分けて説明していくしかないでしょう。
そこで今日はディズニーランドのサービス、おもてなし、ホスピタリティに対する「論評」についてふれてみたいと思います。

ホスピタリティとサービスの違いを一覧表にまとめてみました。参考にしてください。

サービスとホスピタリティの違いA.pdf


ネット上で検索すると、学者やコンサルタント、学生からディズニーファンまで、様々な立場からディズニーランドのサービスやおもてなしを論評しています。

出版物も同様です。
多くのビジネスマガジンが実施するランキング調査では、ディズニーランドのサービスは常にトップクラスにランクされ、様々な視点からの論評も加えられています。

これらの論評に間違っているものはありません。一部週刊誌のように悪意をもって書かれた記事もありますが、それ以外のレポートはほとんどが正しいものです。

しかし・・・です。
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2005年10月14日

ホスピタリティ 3つの大きな着眼点とは

今日のテーマは、
[ホスピタリティの要素とは」「ホスピタリティの着眼点とは」です。



ホスピタリティあふれるサービス、ホスピタリティあふれるおもてなし・・・ 
何か変ですよね。

それでも何が変なのか「よーく考えても」・・・余計に分からなくなってしまいます。

ホスピタリティとサービス、ホスピタリティとおもてなしの違いが分かりにくいことも理由の一つです。
しかしながら最大の理由は、

「ホスピタリティがあふれている状態」とはどのような状態であるのか

このことが理解されていないからです。
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2005年10月07日

教えてもらえるということ

ディズニーランドの社員研修会で、学習院大学の先生のお話をお伺いしたことがあります。

その方は秋篠宮妃殿下、紀子様のお父様のご同僚にあたられ、紀子さまのおそだて方について、お父様にこのようにお尋ねになられたそうです。

「どのようにして紀子さまをあのように才能豊かで素敵な女性におそだてになられたのですか」

お父様はこの様にお答えになられたそうです。

紀子(さま)には、
学業や習い事ができるようになったのは、あなたに力があったからではない、先生が教えてくれたからできるようになった。
このことだけを教えてきたのです。
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2005年10月04日

ホスピタリティとは、ディズニーランドのホスピタリティとは

ある大学の看板に書かれていたキャッチコピーです。
ホスピタリティってなんじゃ? 

ホスピタリティ=おもてなし と一般的には解説されています。
間違ってはいませんが、本当のホスピタリティを知り、ホスピタリティ・ビジネスを成功に導いていくためには、ホスピタリティについてもう少し深く学んでいく必要があるでしょう。

さて、日本社会に定着した「ホスピタリティ」が付く言葉、あなたはいくつ思いつきますか。

ホスピタリティ産業 ホスピタリティ・ビジネス ホスピタリティ・マインド ホスピタリティ・マネージメント

このほか、ビジネス上の思惑から生まれた「ホスピタリティ」が付く造語も増え続けています。
「ホスピタリティ」を冠に付ければまるで「やさしく、心のこもった」ものに変身するかのようです。
この「ホスピタリティ」という用語が乱用されていることに私は危惧の念を抱いています。

それではホスピタリティとは何?定義は?
今後このページで、本一冊に相当するくらいのコンテンツを提供していきたいと考えておりますので、今の時点ではホスピタリティの定義については述べません。
なぜならば「○○と定義する」などと今から枠をはめてしまいますと、多くの読者の方々が難しく考えすぎてしまうのではないかという心配があるからです。

作家の井上やすしさんは、ものごとを表現するとき「難しいことは易しく、易しいことは深く」ということを大切にされているそうです。
ホスピタリティとは決して難しい概念ではありません。易しいものです。それだけに井上ひさしさんのように「深く」説明していけるよう努力していきたいと考えます。

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