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企業・経営

農林中金、5721億円の最終赤字、含み損は2兆929億円、09年3月期

2009年5月28日

 農林中央金庫が5月27日に発表した2009年3月期の連結業績は、最終損益が5721億円の赤字に転じた。前年度は2768億円の黒字だった。価格が下落した証券化商品や株式の売却損が単体で前年度の2倍となる1850億円、償却費が1.4倍の3466億円に達した。与信関係費用は742億円と20倍に膨らんだ。

 単体で保有する有価証券で、時価が取得価格(簿価)を下回る評価損(含み損)は約2兆929億円と前年度の4.8倍になった。ただし変動利付国債と一部の証券化商品については、市場価格や第三者の評価価格を「時価と見なせない」として、経営者の見積もりに基づき価格を算定している。

 単体で保有する有価証券の残高は9.0%増の39兆5588億円。証券化商品への投資は2.1%増の6兆1700億円。資産担保証券(ABS)やローン債務担保証券(CLO)が中心。損失額は3060億円だった。

 3月にグループ内で約1兆9000億円の増資を実施した結果、単体の自己資本比率は15.65%と前年度から3.1ポイント上昇した。資本金など自己資本の基本的項目(Tier1)は0.24ポイント高まり9.62%となった。

 このほか農林中金は5月27日、副理事長に全国農業協同組合中央会(JA全中)専務理事の向井地純一氏を迎える人事を正式発表した。

■関連情報
・農林中央金庫のWebサイト http://www.nochubank.or.jp/

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