じゃあ進めますけども、阿部君はその後、(奥田)民生君とフーゴル(ゴルフ)やった時にまた話をしたんですよ。それで段々と。
そう、キーマン。
リーダーですよ、もう。
唯一のA型ですから。
それが大きかったんでしょ?
それでまずは民生のとこに話がいったんだよね?
いったっていうか…まぁ…で、了解しました。でね、最初、テッシー(手島)には内緒にしようって言って。
アッハッハッハッ!
俺はもう、何も知らされずに。今も良く分からないっていう。
今も内緒のことが30個くらいあるんです。ギャラが実は一番安いですから。
サポート(笑)?
手島来た時にはレコーディングもう終わってましたからね(笑)。ま、それは冗談ですけど、まず5人で話さないとそういうことにもならないだろうからって、事務所のナンバー2にスケジュール調整してもらって昨年の1月に“シャンブル”という店で、5人が揃っての新年会が開かれたんです。そこで「やる?どう?」って話になったんだよね。
したら、テッシーが「イヤだ!」って言ってね。
「イヤイヤイヤイヤぁー!」って。
駄々をこねた(笑)。
EBIは知ってたのかしらんけど、こねなかったね、駄々は(笑)。
いやいやいや(笑)、そこで聞いたのが初めてですよ。でも前に阿部が「新しいこと、やりたいね」みたいなことをチラッと言ってたんで。
耳元で?
それ覚えてないんですよね。独り言かなんか言ってたのかな(笑)。
そういうわけで僕は完全に後乗りなんですよ(笑)。でも話がどんどん進んでいく感じだったから、後乗りでも…。
後乗せサクサクでも?
もう、後乗せサクサクですよ!
でね、そこから、じゃあとりあえず曲を作ってみようってことになったわけです。
長かった(笑)。ここからようやくアルバム制作の話ですね。
一応作る時にお題が出たんだよ。俺は(「大迷惑」を文字って)“ギザ迷惑”を作れって言われて、手島は「自転車泥棒」に続く“自動車泥棒”で…。
一応作ったんだよ、俺は。真に受けて。
それで、川西さんは(「ロック幸せ」を文字って)“ロックしわ寄せ”だっけ?それを作れと。阿部は?
俺もないなぁ。
えぇっ?EBIもなかったのかい?何で3人だけあったんだ(笑)。
まぁとにかく、DVDで民生も言ってたように、曲を書いてみたら分かるんですよと。やっぱり音楽家は音楽やらないとって話で、何か作ろうってことになった。
ただ、リリースとかツアーやるとかって計画は全くそこにはなくて、とにかくやってみようよと。
それはもう、飲んだ初日からそれぞれの立ち位置が戻ってたような気がしないでもないですけどね。
川西君は手島君と、ホント10何年振りにそこで会ったんだよね?
いや、イベントとかでたまに会ってたんだよ。
EBIの方がね、会ってなかった。風の噂では、僕が行ったライヴハウスとかで「先週EBIさん来られましたよ」とか、話だけは聞いてたんですけどね。
でも会えばいつも通りだったわけですね(笑)。その曲出しでは何曲くらい候補曲が上がったんですか?
その時はね、確か20〜30はあったと思います。ま、川西さんが半分書いてますけど。
ハンパなのばっかりね。
デジタリーなサウンドでね。ラップありのアメリカンありの…。
節操がない。
しかも歌が全部、布団にくるまってボソボソ、みたいな声なんですよ。もうちょっとデカイ声で入れられんのかい(笑)。
近所迷惑じゃないですか。
でも昔からそうだったよね。
パソコンのちっちゃいマイクに向かって歌ってたのかなぁとか、画を思い浮かべますよね。
そうそう。もうねぇ、色んなもの(オプションで)付けるのが面倒くさいの。マイクも内蔵で良いの!
で、そこからどんなふうに収録曲をセレクトしていったのかな?
流れですね。
特に基準とかもないしね。
EBIの、「早く人間になりたい」…じゃないや(笑)、「AUTUMN LEAVES」からやろうっていうのは決まってましたけどね。
「AUTUMN LEAVES」をやろうって言いながら、(デモがボーカルとベースだけだったから)楽器弾く気はサラサラなかったんだけど。
「一人でやっとけや」って(笑)。
復活しといて、スタジオにいたのはホントにEBIだけだった。なので、さすがに1曲目はそれじゃなかったです。士気に関わるからね。
結局「HELLO」からレコーディングに入りました。別にそこの時点で「15曲決めて録るぞ」っていうことではなくて、途中で「で、いつまでやるの?」って話になるんですけど。
結構、長い間録ってたんでしたよね。
間に中抜けしてるから、実際はそんなでもないけどね。川西君が色々他の予定があったりして。ま、おかげで休めた。
それにしても、ユニコーンファンの期待を裏切らない15曲というか、実に当時の5人らしいものも残しつつ、当然進化もしていて、とにかく“らしい”作品になってるなと感じたんですが。
まぁ、全然違うものも作ろうと思えば作れますしね、どうにでも出来るんですけど、やっぱり「さしあたってやってみよう」っていうようなノリがあるんで、そういうやり方は前と一緒だし、だからこういう感じになってるんじゃないですか。別に、テクノバンドになろうと思えばなれるからね。