ホスピタリティとサービスの違い
そのためには、「ディズニーランドのサービスとは」「ディズニーランドのおもてなしとは」「ディズニーランドのホスピタリティとは」にも答えていかなくてはいけないのですが、これらを簡単に説明することは至難のワザです。
ディズニーランド出身のコンサルタントの著書もいくつか発刊されていますが、紙幅(原稿の枚数)の関係でこの大切なテーマについて十分に伝えきれていないのが現状です。
時間をかけ何回にも分けて説明していくしかないでしょう。
そこで今日はディズニーランドのサービス、おもてなし、ホスピタリティに対する「論評」についてふれてみたいと思います。
ホスピタリティとサービスの違いを一覧表にまとめてみました。参考にしてください。
サービスとホスピタリティの違いA.pdf
ネット上で検索すると、学者やコンサルタント、学生からディズニーファンまで、様々な立場からディズニーランドのサービスやおもてなしを論評しています。
出版物も同様です。
多くのビジネスマガジンが実施するランキング調査では、ディズニーランドのサービスは常にトップクラスにランクされ、様々な視点からの論評も加えられています。
これらの論評に間違っているものはありません。一部週刊誌のように悪意をもって書かれた記事もありますが、それ以外のレポートはほとんどが正しいものです。
しかし・・・です。
学生や学者がディズニーランドの「サービス」「おもてなし」「ホスピタリティ」を勉強したこと、研究したことをレポートすることには何の問題もありませんが、経営コンサルタントの方々などが「知識」としてビジネスに活用していくためには、より科学的な論拠を持つことが必要です。
なぜでしょうか。
学者や学生のレポートは真理の追求で良いのですが、ビジネスは営利の追及でなくてはいけないからです。
当たり前のことです。
さらに成熟した現代社会においては、企業は営利の追求の結果を社会貢献に結びつけていかなくてはなりません。
つまり、ビジネスは「良い結果」を生み出さなくては意味がないということです。
そして「良い結果」を生み出すには、良い結果を生み出すことができる構造(仕組み)など、多くの重要なことを知らなくてはいけないのです。
「人をみて法を説け」でしょうか。
人の立場によりサービス、おもてなし、ホスピタリティに対する「良い評価」の意味は異なります。
学者の論評の場合は「論理性の高さ」でよいのですが、ビジネスレポートの場合は社会に通用する「武器」としての完成度が要求されます。
ホスピタリティの場合、
学生レベルの人は「勉強」です。「ホスピタリティを勉強しました」でよいのです。
学者レベルの人は「研究」です。「ホスピタリティ理論の提供」だけでよいのです。
協会レベルの人は「啓蒙」です。「ホスピタリティの普及」をすればよいのです。
コンサルタントレベルの人は「ホスピタリティの実践」です。「ホスピタリティの成果」も求められます。
さらに一流のソムリエなど、ホスピタリティのリーダーレベルの方もたくさんいらっしゃいます。
病院もホテルもレストランもビジネスです。学者や学校の研究や授業とはまったく違います。
実業として良い結果を出し続けていかなくてはなりません。そのためには、
人を正しく動かしていかなくてはなりません。
組織を正しく動かしていかなくてはなりません。
良いサービス、おもてなし、ホスピタリティによりリピーターを増やし、マーケティングのコストを下げ、競争に打ち勝っていく必要もあります。
学者がディズニーランドのサービス、おもてなし、ホスピタリティをどのように論評しても、どのようなレポートを書こうと世の中は良くなりません。なぜならば、学者は現場も持たず、部下も持たないからです。
結果責任も取ることもないからです。
(この分野の学者について述べているのであり、全ての学者の仕事を否定しているのではありません)
プロの場合には必ず「結果責任」が問われます。
日本社会のサービス、おもてなし、ホスピタリティを高めていくためには、組織内に「質の高い論評」ができる人材を広く育成していくことが必要です
それができるのは、サービス、おもてなし、ホスピタリティの現場を直接指導する「プロのコンサルタント達」だけなのです。