(cache) FPN-同窓会SNS−裏社会による乗っ取り事件の謎−

同窓会SNS−裏社会による乗っ取り事件の謎−


■ネットとライフスタイル 2007-2-20 7:31:00 by borg7of9

 全国的に有名な同窓会サイトEchoo-Yubitomaを運営する(株)ゆびとまの社長さんが警視庁に逮捕されたそうです。元暴力団関係者によるIT企業の乗っ取りと大手マスコミが一斉に報道しています。筆者がブログを書いているSNSEchoo-Yubitomaの中でも騒ぎが大きくなっており、既に一部参加者の脱出準備も始まっています。手短に纏めて見ました。


 
 1−2年前、米国のSNSであるマイスペース上では、米国の10代の白人少女がマイスペースで知り合ったパレスチナ人男性に実際に会いに行こうとしてFBIがテルアビブ空港で阻止したり、ロス警察が犯罪を何時も監視していると言うニュース等が頻繁に流れ、『流石に本場は違う!!』ととても驚いた事がありました。



でも今回の事件で筆者は『日本のSNSの影響力も大したものだ』と妙に感心しています。



 本件は(株)ゆびとまの経営権を握った元有名暴力団幹部が高値で売って大儲けをしようとしましたが上手く行かなかったと言う話です。尚、現ゆびとまの社長の逮捕容疑は今年1月に破産したコンピューター関連企業「アドテックス」(東京都港区)の資産隠し事件で、民事再生法違反容疑だそうです。


 最近の裏社会=暴力団は覚醒剤販売等では無くIT系企業経営者の「IT技術しか知らず、金儲けや社会の仕組みなどに疎い点」を利用して色々仕掛けてくると言う話を時々耳にします。


やはり裏社会もWeb2.0に対応を始めたのでしょうか。

▼ 日本の裏社会について――元公安調査庁の菅沼光弘氏が特派員協会で講演
http://www.nicovideo.jp/watch/ut_QZ9tOYKIjo (動画)

上記の中で裏社会が儲けの為にIT系企業を狙い始めたと言う発言が出ています。これは今回の事件などが現在、当局の中で相当注目されていると言う風にも聞こえます。



まず関連記事は以下の通りです。

▼アドテックス事件の元組長、新興サイト売却で巨利狙う
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070218it01.htm

引用


引用:

同庁組織犯罪対策3課の調べなどによると、ゆびとまは昨年1月、東京都港区の学生向けサイト運営会社を吸収合併した直後、アドテックスの元社長が社長に就任。ゆびとまの経営権を握ったうえ、下村容疑者を同3月に副社長として招き入れた。 下村容疑者は翌4月、元社長からゆびとまの過半数の株式を取得して社長に就き、半年後の10月末、ジャスダック上場の大手情報関連会社にゆびとまを売却することで合意した。しかし、この1週間後、大手情報関連会社から「諸条件で調整が付かない」との理由で合意が破棄された。

引用終わり


▼元組長 最大級サイトの社長に
http://www3.nhk.or.jp/news/2007/02/18/d20070217000025.html

以下のブログにはnikkeinetや東京新聞、産経のイザなどの要約記事が載っています。

▼ ゆびとま社の社長が逮捕 元暴力団員の“乗っ取り屋”
http://aquaticzone.seesaa.net/article/34028336.html

▼ ゆびとま、株式一部譲渡で日本スポーツ出版社の子会社へ
http://www.venturenow.jp/news/2006/02/07/print/11016p.html


 ここが創業時代の経営者が退任した経緯です。(2006年2月7日、長崎知事選挙の最中)

引用


引用:
株式会社ゆびとま(本社:長崎県長崎市)は、株式会社日本スポーツ出版(本社:東京都中央区、代表:前田大作)と提携。ゆびとまの既存株主より日本スポーツ出版へ株式を一部譲渡し、同社の子会社となった。


ゆびとまは、同窓支援特化型SNS「この指とまれ!」(2月現在登録者総数:331万人)、汎用SNS「Echoo!」β版(2月現在:登録会員数:29万人)を企画・運営するほか、システム受託開発、インターネット広告事業を展開している企業。2006年1月12日付けで、株式会社ゆびとまエージェンシー(旧株式会社GRIP)と合併比率1:1の吸収合併を実施しており、ゆびとまエージェンシー側の株主だった日本スポーツ出版は、その時点でゆびとまの株主となっていた。

今回の一部譲渡により、同社の持株比率が過半数を超え、ゆびとまが同社の子会社となった形。 譲渡元、譲渡額、持株比率の詳細は非公開だが、日本スポーツ出版が株式の約53%を取得して筆頭株主に、ゆびとまの創業者グループは約25%で第2位株主に異動した。また新役員人事により、代表取締役に日本スポーツ出版の代表前田大作氏が就任したほか、新取締役1名と、副社長として1名が同社グループから就任。前代表の本上氏は取締役に残り、ゆびとまの創業者で前取締役名誉顧問の小久保氏と、前取締役副社長蒲原氏は、退任した。
引用終わり



 詳細は省きますがここからが裏社会が、経営権を支配した(株)ゆびとまを色々と高値で売り抜けようとしたようです。以下の記事などもその一つと思われます。上記の記事(一番最初の記事、「アドテックス事件の元組長、新興サイト売却で巨利狙う」)と10月末合意と言う日付が符合しています。



▼インデックスHDが「ゆびとま」を子会社化、SNS事業を大幅拡大
http://www.rbbtoday.com/news/20061030/35391.html


▼ インデックスと日本スポーツ出版、ゆびとま株式譲渡の基本合意を解消
http://www.rbbtoday.com/news/20061109/35737.html


引用 (2006年11月9日の記事)


引用:
インデックス・ホールディングスは9日、日本スポーツ出版が保有するゆびとま株式の譲渡に関する基本合意について、解消したと発表した。日本スポーツ出版との協議において、条件が合わなかったためとしている。
 ゆびとまは、同窓会支援サイト「この指とまれ!」を運営。インデックス・ホールディングスは、日本スポーツ出版が保有するゆびとま株式の5,100株(50.5%)を取得することについて、基本合意に至ったと10月30日に発表していた。





引用終わり


流石にしっかりした調査の結果、「これはやばい」と言うことで賢明にも基本合意を解消された訳ですね。



● 日本最古のSNSは「ゆびとま」


 1996年5月に開始された同窓会サイト「ゆびとま」は、長崎東校の同窓会をネットで運営し始めたものが小学校、中学校、高校から更に大学へと広がりました。
そして瞬く間に全国的なサービスとなり、当時インターネット上で「ゆびとま」は時代の寵児として騒がれました。



 Web2.0の新しい仕組みと言う視点からは、日本型SNSの時代はGREE、mixiから始まったと考えられていますが、社会学的な観点から見ればそれは同窓会サイト「ゆびとま」と考えられます。創設当時の元「ゆびとま」経営者の方々もSNSの基本であるミルグラムの「六次の隔たり論」は良くご存知でした。



『同窓会を通じて先輩後輩間の縦糸を紡ぐ』と言うのは明らかに人脈作り且つ社交クラブの発想です。『同窓会組織の縦糸人脈』ですね。


また米国でSNSのFriendsterが登場した時から新しい仕組みとして研究されており、2004年5月、GREE、mixiに3ヶ月遅れ程度でEchooを立ち上げました。
ゆびとまの創業者はEchooを『同窓会組織を横断する人脈作りの横糸』と考えていました。



 当時のEchooの持つテーストは非常に地味で古いイメージが強かったのと言う印象を持ったものでした。


● 創業者の長崎知事選への立候補と経営の譲渡


 『同窓会サイトは国民から支持されている。でもお金が無い!!』

これがゆびとまの実態でした。そして株式会社に衣替えし、ベンチャーキャピタルから多額の投資を仰いだ途端、ITバブルが崩壊しました。


 女性社長とそれを支える副社長と言う組み合わせの創業者達は、ITバブル崩壊期を乗り切るのに精神的に疲れていたのではないかと思われます。(きっとベンチャーキャピタル等から早く儲けて上場せよ!!元を取らせろ!!と毎日、責められて大変だったのでしょう。)



『成功とはちょっと時間がかかること』と言う社是を作った彼女たちは、まるでテレビドラマの「おしん」のようにITバブル崩壊期を耐えて、耐えて、耐え抜いて来ました。



お金儲けに欲が無く、同窓会を基本としたEchoo-Yubitomaの参加者から、その人柄がまるで「マリア様」か「観音様」のように慕われる女性の小久保社長は、テレビを始めマスコミからも引っ張りだこであり、大変な人気者でした。



そしてSNSブームの到来で広告費が入るようになり、やっと(株)ゆびとまが黒字化の目処が立った処で県民から慕われている小久保社長に『知事選に出ないか』と言う声が民主党からかかりました。


そして民主党から長崎知事選に立候補の決意を固め、スポーツ出版に(株)ゆびとまの株式を譲渡しました。



黒字化が見えた途端、これまでの疲れがどっと出て何か新しい事をやりたかったと言うのが本音でしょう。そして自民党の現職に敗れました。


● 組んだ相手が悪かった

 経営を安定させる為、経営を若い世代に渡すと同時にパートナーを探した結果、今回の事態になったようです。有名暴力団の幹部はパートナーの側から入って来ました。そこから後はマスコミの報道を読めばお判りかと思います。



報道されているように創業者の皆さんが最終的に解任されたのは、長崎知事選の最中だったそうです。(2006年1月から2月)実はこの頃から「様子がおかしい」と感じた一部の参加者の脱出も始まっていました。筆者の知り合いの輪からもぽろぽろ常連さん達が消えて行き始めました。


● 300万人の巣移りの儀式の始まり


 本件は同窓会はゆびとまを利用している人々が多いmixiとEchoo-Yubitomaで同時に大変な話題になっています。
 


 既にEchoo-Yubitomaの中でも移転先や撤退準備の議論が始まっています。移転先はやはりmixiのようです。もっとも多くの参加者の方々が「Echoo-Yubitomaには愛着がある」とか「三年間の日記や人脈が・・」と仰っており、当面はmixiと二股をかけて様子を見ることになりそうですが。



Echoo-Yubitomaは田舎のおじさんやおばさん世代も多く、シニア層や主婦層も多くいて、mixiよりは年代が上ですが、mixi参加者の皆さんには東欧共産主義の瓦解の結果、西欧がユーゴスラビアの難民を受け入れる気持ちで温かく迎えて上げて欲しいと思います。



 それにしても今回の事件は、mixiでの2ちゃんねらーの皆様のいたずらレベルを遥かに超えています。


 筆者も何時この事件が表面化するかと思っていましたが、日本でもsnsが市民権を得た途端、大変な出来事が起こりました。


borg7of9
山崎秀夫 / 日本ナレッジマネジメント学会専務理事
http://echoo.yubitoma.or.jp/weblog/h-yamazaki/



(8664p)
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