2009年05月31日 社会
先島の漂着ゴミ5・8倍 98年から12年で急増/防衛大教授調査
外国製大半か「清掃強化肝心」
【東京】宮古、八重山の先島地域の海岸に流れ着いた海岸1キロメートルあたりの漂着ごみは、1437個だった1998年に比べ、2009年は8271個と約5・8倍に増加していることが分かった。防衛大学校自然環境・環境地盤工学専攻の山口晴幸教授が1998年から毎年実施している漂着ごみ調査で明らかになった。(銘苅一哲)
2009年3月の調査で確認された漂着ごみの合計15万6939個のうち、22・9%が外国から漂着しており、山口教授は「外国における発生源対策は時間がかかる。早急な対応のため定期的な除去・回収の計画が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
調査は1998年から2007年の10年間は春季、夏季の年2回、08年からは春季に年1回実施している。これまで延べ576海岸で調査し、09年3月の調査は八重山諸島の6島28海岸、宮古島の4海岸を調べた。
今回確認されたごみのうち、国籍を判別できない不明ごみは全体の75・4%。残りは日本製のごみが1・7%だったのに対し、外国製は22・9%だった。遠距離から漂流時間が長いほどラベルなどの表記が劣化し、不明ごみとなる確率が高いため、不明ごみの多くが外国製が占めると推測されている。
外国製ごみの国別比率は中国製が74・6%と過半数を占め、台湾11・1%、韓国8・6%、その他は5・7%だった。ごみの種類はプラスチック類が83・9%で、発泡スチロールを多く含む漁具類が11・9%。ともに景観や動植物の生態系への悪影響が懸念される。
漂着度合いは、12年間で最も多かった05年の1キロメートルあたり1万5395個から、09年の8271個と減少傾向にあるが、山口教授はごみ自体の数量の減少ではなく、環境への社会的関心の高まりにより、行政や民間ボランティア、学校などによる清掃活動の活発化の効果だと指摘。09年調査では32海岸中21海岸で清掃の痕跡が確認されたという。
山口教授はごみの発生源である外国に対する国や地方自治体の働きかけと同時に、地元での継続的な清掃と行政の支援の必要性を強調。「民間ボランティアにも人員や資金に限界があり、行政にはバックアップする体制づくりが求められる。沖縄の魅力の生命線である海岸を守るためには、自ら立ち上がるしかない」と話した。
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