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アニメやゲームに国の「殿堂」 東京都内に設立構想

2009年4月9日

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 アニメやマンガ、ゲームの「殿堂」の創設に文化庁が乗り出した。日本が世界に誇る「メディア芸術」と位置づけ、その発信拠点として「国立メディア芸術総合センター」を東京都内につくる。アニメ「つみきのいえ」と映画「おくりびと」が米アカデミー賞を受賞したことを弾みに、日本発の新しいアートの旋風を巻き起こすねらいだ。

 国がアニメやマンガに特化した施設をつくるのは初めて。センターではアニメなどの映像作品を鑑賞したり、マンガを読んだり、ゲームを体験したりできる。政府の新経済対策の一つとして、設立に向けた予算117億円を盛り込んだ。交通の便がよい東京都心に施設を建てる方針だ。

 日本のアニメやマンガは「ジャパン・クール」として国際的に高い評価を受けている。だが、作品や情報がまとまっている施設はなかった。文化庁は97年度から優れた作品を紹介する「メディア芸術祭」を都内で開いているが、展示期間は10日間程度だ。

 センターは、アニメやマンガ、ゲームに関する作品や情報の収集・保存を行う。海外へのショーケース的な役割もになう考えで、日本文化に関心を持つ外国人に「最先端の日本文化に触れられる場」としてアピールする。京都市と京都精華大学が運営する京都国際マンガミュージアムやNTTインターコミュニケーション・センター(東京都)など、国内の大学や企業が持つマンガやデジタルアートのミュージアムとも連携する。

 メディア芸術は、コンピューター・グラフィックスなどデジタル技術の進歩で多彩に発展している。スクリーンに映った自分の姿にまったく別の映像が重なって踊り出すなど、体験型、双方向性の作品が次々に生まれている。

 こうした側面から国は、国際的な競争力を持つ産業としてもメディア芸術に注目。文化的な影響力を高める「ソフトパワー」の育成にもつなげたい考えだ。(小川雪、上野創)

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