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パレスチナ:資材難乗り越え、粘土とがれきで街復興 ガザ

ガザで採れた粘土で作った建設用のブロック=ガザ市東部で、前田英司撮影
ガザで採れた粘土で作った建設用のブロック=ガザ市東部で、前田英司撮影

 【ガザ市(パレスチナ自治区)前田英司】イスラエル軍の攻撃を受けたパレスチナ自治区ガザ地区は「停戦」から4カ月がたった今も、境界封鎖に伴う資材不足が続く。復興が進まない中、破壊された建物のがれきなどを使った都市再建の試みが始まった。

 市東部の住宅街。若者が足で練った粘土をブロック状にして日干ししていた。その脇ではモスク(イスラム礼拝所)や多目的ホール、図書館などを備える公共施設の土台工事が進む。「攻撃後に200万トンのがれきが残った。粘土はどこでも採れる。セメントがなくても建ててみせる」。現場監督のバトロウフさん(53)は話す。

 3~4階建て建物の基礎をがれきで埋め固め、粘土ブロックを積み上げる。鉄骨などを使わずに強度を保つため各階の天井部分をアーチ状にする。関係者によると今後、この施設をモデルに住宅再建にもがれきや粘土が使われる見通しという。

 イスラエル軍の侵攻でパレスチナ人1300人以上が犠牲となった。ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの「政府」のアルザザ経済相は「1万世帯が家を失った」と指摘。復興が進まない理由としてイスラエルがガザ境界を封鎖して物資搬入を制限し続け、セメントや鉄鋼、アルミなどの建設資材が枯渇していると説明している。

毎日新聞 2009年5月27日 19時54分(最終更新 5月27日 23時22分)

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