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【コラム】韓国を猛追する中国と台湾(上)

 韓国屈指の情報技術(IT)企業の役員は、「両岸(中国と台湾)が一つになって追撃してくることが最大の脅威だ」と語った。IT分野で世界的強者の地位を固めた韓国企業が、最近中国で「チャイワン」(チャイナと台湾の合成語)と呼ばれている中台企業の攻勢に押され気味だからだ。

 韓国企業が世界市場をリードしている液晶パネルが代表的な例だ。昨年1-3月期の韓国企業の中国における市場シェアは46.2%で、2位の台湾(35%)、3位の中国(13%)の合計に迫る数字だったが、今年1-3月期は29.7%で2位に転落した。1位になった台湾企業のシェアは56.5%で2倍の差が開いた。

 ハイセンス(海信)など中国の主要テレビメーカー8社が韓国製パネルの代わりに、奇美電子(CMO)が今年1-3月に中国の地場テレビメーカーに供給した液晶パネルは228万枚で、前年比5倍以上に増えた。液晶テレビの販売台数も同様だ。サムスン電子は世界のテレビ市場では1位だが、今年1-3月期の中国でのシェアが9位に転落する屈辱を味わった。逆に中国のハイセンスは同期に94万台を売り上げ、販売台数と売上高でいずれも1位となった。2-4位も中国勢のスカイワース(創維)、TCL、コンカ(康佳)が占めた。

 韓国企業の敗退は中国メーカーの低価格攻勢によるものだ。両岸関係の急接近に伴う「バイ・チャイナ」ブームも重なり、こうした傾向は加速化している。今年初めから中国政府は内需拡大を目的として、農村地域で家電購入時に13%の補助金を支給する「家電下郷」政策を全国で実施したが、補助金対象製品は低価格製品に限られており、中台企業が利益を得ている。

宋義達(ソン・ウィダル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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