道仁会進出、未然に阻止…佐賀・みやき町が施設買収

 許すな組織暴力

　指定暴力団道仁会（本部・福岡県久留米市）が佐賀県みやき町の元保養施設に拠点施設を移転するとされた問題で、同町は２９日、施設所有者から土地と建物を９０００万円で買い取ることが決まったと発表した。官民一体の暴追運動が道仁会の進出を阻止する結果となり、施設移転問題は昨年１１月の発覚から半年で解決へ向かうことになった。

　元保養施設は同県みやき町と鳥栖市の境界付近にあり、約２万３６００平方メートルの敷地に、鉄筋２階建てなど５棟がある。現在の所有者は栃木県在住で、昨年７月に施設を購入し、福岡県内の不動産会社に管理を委託していた。１１月下旬、所有者が知らないうちに組員らが施設に出入りし、内部を改修していることが明らかになった。

　町は１２月下旬、施設が暴力団の関連施設として使われることを防ぐため、所有者と買収交渉を始め、鳥栖市も買収費用の一部を負担することで合意。住民も施設から半径約５００メートル以内に居住する両市町の９００人以上が道仁会に対し、施設の使用禁止を求める仮処分申し立ての準備を進めていた。