「優良放送番組推進会議」にテレビ局は戦々恐々月刊FACTA5月29日(金) 11時 3分配信 / 経済 - 経済総合第1回の選定テーマは「報道番組」で、トップは「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)。2位は「クローズアップ現代」(NHK)、3位は「週刊こどもニュース」(同)と視聴率ランキングの常連ではない番組が上位を占め、視聴「率」と視聴「質」の乖離を浮き彫りにした。 推進会議の有馬委員長は「今の放送は視聴率が“神様”となっている結果、番組の質が低下している」と放送界の現状を痛烈に批判。「みんなが良い番組と考えるものを積極的に応援したい」と会議設立の狙いを強調した。 会員企業は1社あたり年間20万円の運営資金を拠出する。会員企業のほとんどは民放の大スポンサー。「今後はテレビ番組にカネを出す代わりに口も出す」と、発足に関与したある企業の役員は言い切る。 背景には「CMを提供した番組の視聴率が高くても、商品・サービスの売れ行きは必ずしも良くならない」という現状がある。電通の子会社、ビデオリサーチが事実上独占する視聴率という「神様」の客観性を疑問視する声が経済界に増えている。 一方、局側は「広告収入の激減が続く中で、アンケートの評価が低かったら、CM料の値下げなどの口実にされるのではないか」(キー局幹部)と戦々恐々としている。 (月刊『FACTA』2009年6月号)
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