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「修学旅行で菌ばらまく」 誹謗中傷受け全校で人権教育
新型インフルエンザの感染拡大に伴う学校の休校措置が解除されたことを受け、兵庫県豊岡市内の小中学校が修学旅行を実施したところ、同市に誹謗(ひぼう)中傷とも受け取れる匿名メールが届いたり、生徒が旅行先で「菌をばらまきにきたのか」などといった言葉をかけられたことが分かった。
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新型インフルエンザへの偏見や中傷に立ち向かうため行われた授業=29日、豊岡市中央町の市立豊岡小学校 |
市教委は偏見や中傷に立ち向かう姿勢を育成するための人権教育を市立全小中学校で実施することにし、市内共通の学習資料を作成。二十九日には、豊岡小学校(同市中央町)で同資料を使った初めての授業が行われた。六月五日までに、各学校でも資料に基づいた指導が行われる。
市教委によると、匿名メールは「修学旅行に来ないでください。ディズニーランドで感染者が出たらあなたたちのせいだと疑います」という内容。修学旅行先でも、生徒が旅行先の大人から中傷とも受け取れる発言を受けた事例が複数あったという。
このため、市教委は、中傷とも受け取れる発言を受けた場合を想定した指導用資料を作成。小学校高学年・中学校用では、感染者が出た小学校が、修学旅行の訪問先から「とても迷惑。感染者が出たらあなたたちのせいだと疑います」というメールを受け取った場合などを想定し「あなたならどうする」と、問いかける内容となっている。
この日、豊岡小学校で行われた同資料を使った授業には、六年生三十人が出席。中傷メールについて生徒たちからは「迷惑、疑う、そういう言葉は差別のように感じる」「気持ちも分かるけど言い方を考えてほしい」「こんなメールが届いたら校外学習も行きたくなくなる」などの意見が出されていた。
授業を受けた福伊すみれさん(11)は「感染者が出たらクラスで差別したくないし、されたくもない」と話していた。
また豊岡市は同日、市長名で、国や県、自民党幹部などに対して、新型インフルエンザ対策に関する要望書を提出。無理解や偏見に基づく被害の発生や風評被害への支援などを訴えた。
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