- 2009/05/30(土)
6・6後楽園
▼日本フェザー級タイトルマッチ
王者・松田直樹(帝拳)× 同級5位・上野則之(ワタナベ)
▼日本ウェルター級タイトルマッチ
王者・中川大資(帝拳)× 同級2位・斉藤幸伸丸(輪島)
3月の死亡事故から自粛されていた形の帝拳ジム主催興行が再開。3ヶ月弱ではありますが、しばらく業界に穴が空いていたような気分だったので、ありがたい気分すらしてきます。帝拳ジムの所属選手の思いも相当なものがありそうです。
松田(29勝(12KO)8敗4分)はV2戦。07年に世界ランカーを敵地で倒す快挙があった王者は、WBC挑戦者決定戦で勝利しながらも相手陣営のクレームでノーコンテストに。再度チャレンジも別の選手に2回TKO負け、惜しくも世界挑戦権は逃したものの、その後に41戦目でつかんだ悲願の初王座。前回、梅津宏治とドローでしたが内容は激戦。今回の挑戦者も打ち合いを避けないファイターなので同様の正面激突が予想できます。
上野(10勝(3KO)8敗4分)は07年11月に粟生隆寛に王座初挑戦して大差判定負け。今回が2度目のチャレンジ。粟生戦では相手のカウンターに苦しんで思うように前に出られなかった印象で、再起後の2戦は1勝1分け。そのドローもノーランカー相手のもので、積極的な手数を持っていますが、松田優位は動かないところ。
中川(13勝(9KO)2敗1分)は初防衛戦。97年に一度引退して03年にカムバック、B級トーナメント決勝で現王者の小野寺洋介山に敗退も、その後は大半がKOの連勝。昨年、最強後楽園で牛若丸あきべぇをKOし王座初挑戦、沼田康司の強打を完封しての文句ない勝利で戴冠しました。感情的にならずリーチを生かした確実なポイント稼ぎは、派手じゃないのに見ていて痛快です。
挑戦者・斉藤(11勝(6KO)2敗1分)は王座初挑戦。過去2敗は東日本新人王準決勝、B級トーナメント準決勝でともに新井恵一に判定負けしたもの。04年からは1分挟む6連勝中。前王者・沼田も「今後の防衛戦相手かも?」と試合観戦していた選手で、連勝中の相手もランカーが多く含まれています。長身・中川とはかなりの身長差があるように思われますが、考えてボクシングをする印象があります。よく動く選手なので面白い試合になりそうです。
アンダーカードでは11勝(10KO)の日本Sライト級1位・亀海喜寛(帝拳) がインドネシア選手と対戦するほか、島崎博文、林徹磨といった日本ランカーも登場します。(ハイセー)
→ たぶん藤堂は夏から大阪勤務になります。飛行機に乗ってばかりのNY生活から、住んだことがない関西生活へ。ライター仕事は続けられるそうなので、プロフ画像そのままでいいと連絡アリ。拳論・関西支部になってもらいたいのですが、多忙であまり期待はしないでおきましょう(笑)
- 拳論
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和毅、日本人選手と
- 2009/05/29(金)
5・30江戸川区スポーツセンター
▼6回戦
亀田和毅(亀田)× 雲林龍広(勝又)
三男(6勝(5KO))の帰国戦。日本ランカーの8回戦を差し置いてのメインで、相手の雲林は5勝(2KO)1敗の28歳。07年9月デビューで昨年10月、初の6回戦となった5戦目を初回KO負けも、3月の「興毅×ビダル」興行の前座で判定勝ちして再起したところで、積極的に前に出ていくタイプの選手です。和毅のリングネームは前回「トモキ・エル・メヒカニート・カメダ」でしたが、評判が悪かったのか今回は本名のようです。アンダーカードでは昨年の最強後楽園決勝で梅津に敗れた日本フェザー級2位の高山和徳(船橋ドラゴン) が、07年の全日本新人王・関本純太(勝又)と、天空ツバサ(山木)がマギー・チェチェ(モンゴル)と。(ハイセー)
亀田興毅、デンカオセーンやめて暫定戦へ
- 2009/05/29(金)
予想通りの流れ、だ。僕の夕刊フジ連載コラムを読んで頂いている方はお分かりかと思うが、覚書を持ち出してまでデンカオセーンに執着していた亀田サイドが、「こっちからデンカオセーンに話を持ちかけることはしない」と一転して逃げ姿勢になったのは、この5月末というタイミングがあまりにピッタリで、全てを物語っていると思うのだ。彼らにとって最重要事項であったはずの「TBSとの契約更改」は6月で、それまでに彼らは「近いうちに世界戦やることが決まってるんだ」と叫ぶ必要があった…と僕は見てきた。
この流れは以前も同じだったからだ。ただし、契約過ぎればノラリクラリと有言不実行になるのも例年通り。今年が違うのは不況のせいか、それとも内藤という正統スターの存在のせいか、いずれにせよTBSが以前のように熱烈バックアップ姿勢を見せていないのは彼らをより必死にさせたはずだ。結果的にまたも「言うだけ」に終わったことについて、金平会長を理由としていても、過去の彼らの言動を見直せば、それが毎度おなじみの「取って付けた言い訳」であることは容易に想像つく。
メキシコで暫定戦…は金の稼げる選択肢ではないが、それでも世界と名のつくベルトが得られれば、その後に凱旋して統一戦なり防衛戦なりの話を持ち出せるのだから、これまたTBSとの交渉の武器には役立つ。そもそも目的が「世界王者を倒す」ではなく「ビッグマネーを稼ぐ」なのだから、最終的に一番金になるテレビ(と付帯するスポンサー獲得)のために動くのが亀田スタイルだ。実は今年1月、僕が亀田サイドと親しかった関係者から「興毅はデンカオセーンと100%やりますよ」と言われていたのだが、それでも僕は懐疑的で思わず「信じられないですけどねえ」と答えた。時間がなく深く話せなかったため当時の「100%」の根拠が何だったかは今も気になるところ。今度お会いしたときにでも伺っておきたいと思う。
ただ、彼らの誤算はこのテレビの問題だけではない、と僕は見ている。当初6月と言っていた暫定戦が7月以降に延期されることになりそうなのは、果たして本当に新型インフルエンザのせいか…僕が感じとる別の理由は、もしかすると亀田ジムの存続すら脅かすような大きな動きになってしまうのではないかと春から取材を続けているところだ。(片岡亮)
p。s。個人的には金平会長に連中の暴言を無視してもらいたい…と勝手な心境。なぜなら坂田再起戦の控え室でまたも記者陣から「亀田」の名前が連発されるのは不愉快極まりないので…と思うのは坂田ファンだからですね。ファンなので、もちろんチケットを買って観戦です!(笑)
視聴率も防衛!内藤、20%超トップ!
- 2009/05/27(水)
視聴率速報(20〜23時頃の高い順で)
20.4% TBS 20:30-21:30 WBC世界戦 内藤×熊
16.2% TBS 21:30-22:54 DREAM.9
14.1% テレ朝 21:54-23:10 報道ステーション
13.7% NHK 20:00-20:43歌謡コンサート
13.0% 日テレ 19:58-20:54 踊るさんま御殿
13.0% テレ朝 21:00-21:54 ロンドンハーツ
12.6% フジ 22:00-22:54 白い春
11.9% 日テレ 22:00-22:54 魔女たちの22時
11.7% テレ東 20:54-21:54 開運なんでも鑑定団
11.6% NHK 20:45-21:00 首都圏ニュース845
10.4% NHK 21:00-22:00 ニュースウオッチ9
10.2% フジ 19:00-20:54 カスペウチくるSP
9.5% フジ 21:00-21:54 アタシんちの男子
8.5% テレ朝 20:00-20:54 たけしの本当は怖い家庭の医学
8.1% TBS 19:55-20:302大格闘技祭り(前宣伝番組)
7.7% 日テレ 21:00-21:54 誰も知らない泣ける歌(終)
7.0% テレ東 19:00-20:54 事件の現場をカメラは見た
6.8% NHK 22:00-22:50 プロフェッショナル仕事の流儀
4.9% テレ東 22:00-22:54 ガイアの夜明け
ダントツでしたね。ボクシング界における内藤の役割は大きいと思います。個人的には「視聴率20%超えたら選択試合1回サービス」してあげたいぐらいッスよ(笑) TBSは番組改編で視聴率大苦戦中なので内藤サマサマですね。その恩恵をボクシング業界全体に返してくださいな。(ハイセー)
→ 瞬間最高は27.8%(DREAMは19.1%)です。
内藤、予想外の苦戦防衛
- 2009/05/26(火)
5・26ディファ有明
▼WBC世界フライ級タイトルマッチ 12回戦
王者・内藤大助(宮田) 3−0 同級10位・熊朝忠(中国)
※王者5度目の防衛、113−111、114−111、114−110
実績に乏しい実質1階級下の相手に思わぬ苦戦だった。リーチで15センチ短い熊は体ごと飛び込む強烈なフックを持っていたが、その動きは単調で「正面から大きく振ってくるだけの相手なら楽勝」という戦前予想に沿った流れになるかと思われた。
しかし、フライ級でも規格外に小さい熊は的にしにくく、かつ内藤のフェイントにも無関係にフックを振るってくるため、これが内藤の離れるタイミングと一致して結果的にやりにくい挑戦者と化した。さらに熊はタフでメンタルも強く、前進を防ぐためのボディにも動じない。6回にダウンを喫した王者もパンチの種類を変えたり足を使ったり、いろいろ試行錯誤していたが、スタミナもある挑戦者を倒し返すような場面はなく終了。バッティング減点のルールでなければ2点接近しえいたのだから大苦戦といえる。ただ、意外な展開とあって結果的に最終ラウンドまで目を釘付けにさせたのは国民的スターならではの運命か。
次戦はある外国人選手が「内藤戦のオファーをもらった」と漏らしていた話を聞いていたのだが、WBCは暫定王者となったポンサクレック(タイ)との90日以内の統一戦をオーダー。この統一戦をクリアしてもさらに1試合の指名試合を義務づけるというから、内藤にとっては険しい防衛ロードになる。実はポンサクレックは暫定王座決定戦の前、親しい関係者に「勝っても負けても引退」とこぼしていたのだが、思った以上の動きができたからなのか試合後に内藤との再戦に意欲を見せ前言撤回したという。宿敵と5度目の対決は、この日の試合で「畜生!」と悔しさをにじませた内藤か、引退撤回してまで臨んでくるポンサクレックか、世界王座への執念が強い方が制するのだろう。
世界戦3連発は西岡の逆転3回KO、デンカオセーン2−1辛勝、そして内藤ダウンの大苦戦、全て順当な予想通りとはいかなかった。これだからボクシングは面白いのだが、この面白さをいかに世間に伝えるかも考えてみたい。僕は西岡と内藤の試合を「普段ボクシングを全く見ない人」と観戦したが、どちらも十分に楽しんでもらえたのだから競技そのものは魅力溢れるものだと改めて思った。(片岡)
p。s。コメント欄に寄せられる感想は非常に面白いです。これに比べたら自分の記事なんてゴミ同然。一人一人の感想全てが正しく思えちゃいます。そうそう、さきほど人に聞いたら内藤のTV中継は入場シーンがカットされていたそうで。内藤の入場は感動的なのでもったいないと思うのですが…。あと、DREAMは平日だからか集客が悪いと現地記者よりイベント途中で電話あり。メインがノーコンテストだったそうですが(笑)、中継の方は内藤の熱をうまく引き継げる内容だったんでしょうか。次大会で青木×ヒベイロ、マヌーフ×パウロだそうです。