諏訪市の諏訪赤十字病院の2008年度決算は約1億5000万円の赤字となったことが29日の同病院経営審議会で報告された。最終赤字は06年度以来2年ぶり。世界的な不況や後期高齢者医療制度の導入に伴う受診抑制で患者が減少したことなどが要因とみられている。
決算報告によると、収入は14.3%減の114億7600万円、支出は3.2%増の116億6200万円で、最終利益は1億5100万円の赤字。本業の医業収益は107億8100万円で1.4%増えたが、医業費用も6.8%増えて109億1100万円に上り、医業収支は1億2900万円の赤字となった。
延べ患者数は入院が3.7%減の15万1433人、外来が6.4%減の22万1062人。患者数の増加を見込んで医師や看護師を増員したことも裏目となり、給与費が約4億円の大幅増となった。
同病院は1999年の移転後、赤字が続いていた。このため、現在の小口寿夫院長のもとで経営改善を進め、07年度には移転後初めて黒字化を果たした。これを受けて08年度からは第2次中期経営計画に取り組み、経営の安定化を目指していたが、再び赤字に転落した。
小口院長は「3月以降は患者が増えてきている」とし、09年度は1億円の最終黒字を見込む。「医療の質の向上を図る」として設備投資も積極的に進める計画で、電子カルテの導入や放射線治療装置やMRIの更新などに19億円を計上した。