建築とデザインとその周辺をめぐる巡回企画展


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展示内容

チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-  展

チェコにしか存在しないキュビズム建築。不思議な造形の魅力を探訪します。
チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク- チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

会場構成
会場は、以下4つのコーナーで構成されています。
コーナー1 ヨゼフ・ホホル
コーナー2 ヨゼフ・ゴチャール
コーナー3 パヴェル・ヤナーク
コーナー4 家具・工芸品のキュビズム


会場写真:すべてINAXギャラリー1(東京)

■ コーナー1
Josef Chochol
ヨゼフ・ホホル
1880-1956


20世紀初頭、チェコスロヴァキアはオーストリア=ハンガリー帝国の支配下にあり、建築界もウィーンのオットー・ヴァーグナーや、その弟子であるチェコの建築家ヤン・コチェラの強い影響下にあった。
彼らの進める合理主義建築に意義を唱えたのが、ヤナーク、ゴチャール、ホホルらの若手建築家だった。3人は、1911年に結成された「造形芸術家グループ」に参加。キュビズムに触発された新しい造形表現を建築に展開していった。
壁面を分割し、結晶形や幾何学形で表層を覆ったホホルの作品は、陰影の濃いダイナミズムを漂わせている。
1912年から14年までのわずかな期間にキュビズム建築を手がけたホホルは、その後、ロシア構成主義に傾倒し、キュビズム運動に再び戻ることはなかった。現在、プラハのヴィシェフラト地区に、ホホルの3作品が残されている。
チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真

チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:「ヴィシェフラトの3 世帯住宅」(1912-1913)ホホル設計。木製サッシの多角形、上部の庇の結晶形がシンメトリーに配置され、端正な表情をつくり出している。 写真:鈴木豊

■ コーナー2
Josef Gocar
ヨゼフ・ゴチャール
1880-1945


3人の建築家のなかで、最も多くのキュビズム作品を残したのがゴチャールだ。
彼は、ヤナークが建築におけるキュビズム理論の確立に情熱を注ぐなか、その理論を建築に体現するため実作を重ねていった。その見事な例が「ブラック・マドンナ」や「バウエル邸」、「ホフダネチの温泉療養所」だろう。
彼の作品を見ると、どれも完成度が高く、設計者としての手腕に秀でていたことがわかる。現場の立地条件や建設目的、依頼主の意向などに柔軟に対応しながら、さまざまな手法を駆使してその建物にふさわしいキュビズムを表現していった。
この高度なテクニックは、戦後建設された「チェコスロヴァキア・レジオン銀行」でも遺憾なく発揮され、ロンド・キュビズムを代表する作品として称賛された。1925年パリの「国際装飾美術展」では、チェコスロヴァキア館のデザインでグランプリを受賞。海外でも高い評価を受け、多くの建築家に影響を与えた。


チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:「バウエル邸」(1912-1914)ゴチャール設計。撮影/鈴木豊
2008 年夏、「バウエル邸=キュビズム・デザイン・ミュージアム&ギャラリー」としてオープンした。鈴木豊氏の写真による、本邦初公開の物件。

チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真

■ コーナー3
Pavel Janak
パヴェル・ヤナーク
1882-1956


キュビズム建築の理論的指導者、それがパヴェル・ヤナークだった。
1911年、彼は「The Prism and the Pyramid(多角柱と角錐体)」と題した論文を発表。「自然界の現象には、すべて目に見えない力が働いている。その力でつくられた最も美しい形が結晶体で、これこそ建築の精神性を表現するのにふさわしい形態だ」と著した。これが今日一般にキュビズム建築宣言といわれているものだ。
実作は少ないものの、膨大なスケッチやドローイングを残していて、そこにヤナークの理論の先見性がよく表れている。1914年、チェコのキュビズム運動が大きく発展しようとした矢先、第一次世界大戦が勃発。戦後、ヤナークは「建築は社会的要請に応えるべき」だとして、民族的なモチーフを用いたロンド・キュビズムを展開していった。


チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真

チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真 /ヤナークのデザインによる陶磁器。

■ コーナー4
家具・工芸品のキュビズム


キュビズム建築家たちは、室内に置かれる家具や照明器具、卓上の時計や陶磁器などもデザインした。キュビズム建築の可能性を試すために、いわば習作としてデザインした面もあるからだろう。
これらを製作したのは、同時代に設立された、前衛的な芸術家が集う実験的工房である。
ウィーン工房を手本にプラハの若い前衛芸術家グループが創設した「アルチェル工房」、ヤナークとゴチャールの指導のもとに設立された「プラハ美術工房」があげられる。しかし、複雑に折れ曲がり、斜めの面が多用された家具の製造は、困難を極めたらしい。水平・垂直の接合部分がほとんどなく、各パーツは凹凸が激しい。伝統的な手法でつくり上げたという、家具職人の技術の高さが窺える。
家具や工芸品の一部は、現在もレプリカが製作・販売されている。





チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真

チェコのキュビズム建築とデザイン 1911-1925 -ホホル、ゴチャール、ヤナーク-

写真:INAXギャラリー会場写真

■ 関連リンク
CZECH CENTRE TOKYO
チェコセンター東京
http://www.czechcentres.cz/tokyo/
バウエル邸 キュビズム・デザイン・ミュージアム&ギャラリー
2002年にチェコ・キュビズム財団によって復元工事が始められ、2008年夏オープンした、ゴチャールの作品。
http://www.nck.cz/bauerova-vila/en/index.php
チェコ・キュビズム財団
The Czech Cubism Foundation 
http://www.nck.cz/
KUBISTA
プラハ旧市街内にある「ブラック・マドンナ」1階ミュージアムショップ。キュビズム関連の図書や、食器など工芸品のレプリカが販売されている。
http://www.kubista.cz/en/
The Museum of Decorative Arts in Prague
http://www.upm.cz/
National Technical Museum
http://www.ntm.cz/en
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