県医師会、6月から応援診療 開業医9人を3病院に派遣 2009/5/30 10:35
徳島県医師会は六月から、勤務医不足が深刻化している地域の公立病院の応援診療を始める。第一弾として、協力を申し出た川島周会長(内科)ら開業医九人が、県立海部、三好両病院と那賀町立上那賀病院で診療に当たることになった。開業医の支援で勤務医の負担軽減を図り、地域医療を守る取り組みとして注目を集めそうだ。
勤務医不足で土曜日の救急受け入れを原則休止している海部病院では、県医師会の矢野勇人理事(内科循環器科)が毎月第四土曜日(初回六月二十七日)、大塚明廣副会長(内科)が第二日曜日(七月十二日)の日直を担当。上那賀病院では、川島会長と木下成三常任理事(内科)がそれぞれ月一回、日曜日の外来診療を支援する。
県西部唯一の救命救急センターを持つ三好病院では、三好市医師会の会員五人が、患者が集中する平日午後七-十一時の救急業務に当たる。六月中に電子カルテの操作研修を行い、七月にも応援診療を始める。
県医師会は一月、会員の医師千四百五十人を対象に公的病院への応援診療に関するアンケートを実施。「応援診療が可能」と回答した医師と応援を希望する公的病院との間で、勤務日や時間帯の調整を進めてきた。
県医師会によると、七月から産休に入る女性医師の代わりに美波町立阿部、伊座利両診療所の毎週火曜日の診療にも協力する予定。さらに会員十人程度から協力の申し出があり、今後、病院側とのマッチングを図る。
川島会長は「公立と民間の垣根を越え、地域医療のために一緒に仕事ができるのは大きな一歩。できるだけ多くの医師が継続して応援診療に参加できるようにしたい」と話している。
海部、三好両病院を運営する県病院局は「応援診療を受ける際には、勤務医を待機させるなどバックアップ態勢を確保したい」としている。