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“殺戮ピラニア”長南亮『ピラニアUSA日記』

ちょうなん・りょうプロフィール

1976年10月8日、山形県鶴岡市出身。上京後、U-FILE CAMPに入門し01年にプロデビュー。04年からはPRIDE武士道に参戦。現UFCミドル級王者アンデウソン・シウバにフライング・レッグロックで一本勝ちしたことも。07年からはUFCに主戦場を移して活躍中。ダン・ヘンダーソン率いるチーム・クエストで武者修行中。

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5月29日更新

カンセコ

いままでにない奇妙な感じだった。

ジェイソンの控室は元メジャーリーガーのカンセコと一緒だった。どちらかといえば、ああいった選手は反対派の俺なのだが、試合前日になってジェイソンのセコンドで来ていたライアンにカンセコのセコンドを頼まれる。

「NO!」と即答したのだが食い下がるライアン。なんでもカンセコにトレーナーはいなくて、金髪女性マネージャー一人しか帯同していないらしい。

セコンドとは遊びでやってるわけじゃない。人がいないからヘルプで回ったりすることはあってもおかしくないが、元から必要なはずのセコンドがいないのに俺がセコンドをする必要はないだろう。

断り続ける俺をあきらめたライアンが次に頼んだのは、このサイトでもおなじみ整体師の山本先生だった。凄腕整体師にしてミーハー10段の先生はカンセコのセコンドを了承した。

そのやりとりを見ていたジェイソンと俺は大爆笑。

ライアンと山本先生がミットを持って控室外の広いスペースに移動してカンセコのアップを手伝った。ライアンはミットを持つのがかなり下手くそなのだが、帰ってきたライアンはカンセコのスタミナのなさに驚いていた。

カンセコはハイキックを披露したいらしく、その蹴りを受けたライアンは「止めたほうがいい」と説得していた。

おまけにミーハー10段にして柔道3段の山本先生はK-1ファイターに打撃戦は危険だからテイクダウンを狙うべきだとテイクダウンの指導を始めたそうだ。シルムのチャンピオンでヒョードルがテイクダウンできなかったホンマンをカンセコが倒せるはずがない。

じつに愚かなプランだった。

ジェイソンのセコンドで来ていたレスラーのレイモンドは同じくライアンの要請を受けてカンセコのセコンドも着くことに。彼はデジカメでカンセコのウォーミングアップを撮影しながら楽しんでいた。

ジェイソンはメインなので待ち時間が長く毛布にくるまり眠りだす。そうなれば俺も暇なのでバックからPSPを出してモンハンをやり始めた。

アップを終え、試合直前のカンセコは黒い胴衣を身にまとい自慢げにこっちを見ている。

危険を感じた俺はゲームに集中することに。

さらにPSPを見たカンセコは野球ゲームについて語り始める。もはや「???」が連発のカンセコだったのだが、俺のタトゥーを見ると「彼のタトゥーの写真がほしい」と言いだす。

俺は聞こえないふりをして小さなバリアーを張った。

その後、控室のモニターでカンセコの闘いを見守った。一発目のパンチだけは頑張ったと思う。

ここまででも長文になってしまったので、そのあとのジェイソンの試合はとくには語らない。消化不良だったし反省もしなければいけない。ジェイソンもバッティングを受けたらしく額を4針縫った。

ドクターチェックを受けて控室に戻ったジェイソンに、カンセコは反則で放ったグランド状態での蹴りについて語り始めた。

そんなカンセコをジェイソンは「うるさい」と一蹴した。



※写真は試合前日の公開軽量の控室で。サップの陰にはカンセコの姿もある。

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