アフリカ中部にある広大な湖が消えつつある。サハラ砂漠南端のチャド湖。1960年代には琵琶湖の40倍もの面積を誇ったが、この40年で20分の1に縮小した。降水量の減少や無計画な灌漑(かんがい)などが原因とみられており、今世紀中には完全に干上がると警告する専門家もいる。湖に水を集める「集水域」は、チャド、カメルーン、ニジェール、ナイジェリアなど、日本の面積の6倍強にも及ぶ。もし湖が消えれば、その周辺で暮らす3700万人が「水難民」になる可能性がある。長年、サハラ砂漠の南縁地域で植林活動などを続けるNGO「緑のサヘル」のスタッフと一緒に、乾く大地を歩いた。
武田 剛(たけだ・つよし)
朝日新聞編集委員。92年入社。03年末から1年4カ月間、第45次南極観測隊に同行して、昭和基地で越冬取材。帰国後、地球環境をテーマに「北極異変」「地球異変」取材班を立ち上げ、06年にグリーンランド、07年にネパールヒマラヤ、08年に北極圏カナダ、09年にアフリカ・チャド湖を取材。著書に「南極 国境のない大陸」(朝日新聞社)、「南極のコレクション」 (フレーベル館)、「ぼくの南極生活500日」(同)。41歳
(更新日:2009年04月13日)
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