携帯電話の販売方法の変化によって、携帯電話端末代が高騰し、端末が売れなくなってきているというのはご存じの通り。そんな中、これまであまり存在を知られていなかった「中古携帯電話」が注目されつつある。

販売奨励金時代は必要性が薄かった中古携帯電話

 日本では「中古車」「古本」「中古ゲーム」など多くの分野で中古市場が発達しており、たくさんの人が利用している。だが、携帯電話はほとんどの人が使っている身近なツールであるにもかかわらず、中古携帯電話の存在はほとんど知られていなかった。

 その理由は、携帯電話の販売方法にある。かつて携帯電話の販売は、キャリアからの販売奨励金を用いて端末を値引きするというのが当たり前だった。そのため最新の携帯電話であっても安価に購入でき、あえて中古端末に手を出す理由は見あたらなかった

 しかし中古携帯電話の市場自体は、実は2Gの時代から存在していた。販売奨励金制度が主流の時代であっても、短期間で最新端末に買い替えれば端末代は高くつく。そのため「最新端末を安価で購入したい」「買ったばかりなのに端末が故障した」という人や、「この端末が使いたい」というマニアなどに利用されていたのだ。

 とはいえ、従来は新品の端末を安価に手に入れることができたため、中古携帯電話の市場自体は決して大きいとはいえなかった。主な売買経路もWebサイトやネットオークションが中心で、店舗販売が少なかったというのも、その存在が知られなかった理由の1つといえる。