小児救急、急性期後のケアの仕組みを―重篤小児救急検討会
厚生労働省は5月29日、「重篤な小児患者に対する救急医療体制の検討会」の最後の会合を開き、小児の専門的医療と一般救急医療との機能分担や「小児救命救急センター」(仮称)の整備などを盛り込んだ報告書案を事務局が示し、これを基に意見交換が行われた。この中で、昭和大医学部救急医学講座主任教授の有賀徹委員は、救命救急医療を経て急性期から脱した1歳から4歳までの子どもをケアする社会の包括的な仕組みづくりを訴えた。
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同検討会では、重篤な小児救急患者に対する救急医療体制の整備について、「緊急に行うべき取り組み」「将来的に進むべき方向性」の2つに分けて議論。報告書案では、「緊急に行うべき取り組み」として、現在ある医療資源を活用して、重篤な小児救急患者を受け入れ、「超急性期」の医療を確実に提供する体制を、「将来的に進むべき方向性」については、「超急性期」の医療を受けた小児救急患者に、引き続き質の高い「急性期」の集中治療や専門的医療を提供する体制をそれぞれ構築することとした。
具体的には、小児救急患者の搬送と受け入れ体制の整備では、緊急度や症状に応じて、受け入れ先の医療機関を地域ごとにあらかじめ決めた上で、短時間で搬送することが必要と指摘。特に重篤な小児救急患者については、県域を越えた搬送体制も併せて検討しておくことが必要とした。
小児救命救急医療については、特に体制が整った救命救急センターや小児専門病院などの中から、すべての重篤な小児救急患者を、診療科領域を問わず24時間体制で受け入れる「小児の救命救急医療を担う医療機関」を整備することを盛り込んだ。「小児の救命救急医療を担う医療機関」の中でも、小児の救命救急機能を担う小児専門病院や中核病院などについては、「小児救命救急センター」(仮称)として整備し、支援を行うことが必要としている。
報告書案は、小児の専門的医療と一般救急医療との機能分担についても言及。救命救急センターなどがまず重篤な小児救急患者を受け入れ、小児科医と連携して「超急性期」の医療を提供した後、高度な専門的医療が必要な患者については、「急性期」の集中治療・専門的医療を担う小児集中治療室などに移す体制を整備する必要があるとした。
また、地域医療との連携について、長期間にわたって人工呼吸管理が必要な小児患者が集中治療室にとどまっているなどのいわゆる「出口の問題」について触れ、1つの医療機関で医療を完結させることを考えるのではなく、地域全体で完結させるという視点で、「超急性期」から「慢性期」までの医療提供体制を一体として整備する必要性を指摘した。
意見交換では、有賀委員が高次脳機能障害を例に挙げ、小児の救急医療を経て急性期から脱した子どもがその後、情動障害などが原因でキレやすくなったり、学習面でハンディキャップが出てきたりするなどの問題点を指摘。「その時には、医療機関から離れていることが多い」とした上で、こうした子どもたちをケアする社会の包括的な仕組みづくりを訴えた。これに対して、日本小児科学会小児救急委員会委員長の中澤誠座長は、「非常に大切な問題。何らかの形で盛り込みたい。出口を出てしまったらおしまいととらえられるのは避けたい」と述べた。
同省は今後、委員らの意見を踏まえた上で報告書をまとめ、来月にも公表する予定だ。
更新:2009/05/29 20:37 キャリアブレイン
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