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政府(厚労省他)


医療・介護含む「優先課題」を提示―安心社会実現会議

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 政府の安心社会実現会議(座長=成田豊・電通最高顧問)は5月28日、第4回会合を開き、意見集約に向けた素案を示した。素案では、安心社会の実現には雇用や子育て、教育、医療、介護の5つの「安心領域」が連携することが重要だと指摘。医療・介護分野の優先課題としては、社会保障番号の導入や二次医療圏の救急体制整備、独居高齢者の住宅保障などを挙げた。また、安心社会の実現に伴うコストについても「堂々と議論すべき」とした。

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 麻生太郎首相は冒頭のあいさつで、「目指すべき社会の姿を十分に書き込んでほしい。実現するための工程、道筋も議論しなければならない。国民一人ひとりの責任と役割、必要な財源について、しっかりと書き込んでいくことが必要だ」などと述べた。

 素案では、「安心社会」は「働き、生活することを共に支え合う社会」と指摘し、その実現には「教育・訓練」「医療」「保育」「介護」「住宅」などの「基本的な支え」が不可欠だとした。
 また日本では、社会保障支出が「人生後半」に集中する傾向があったが、現役世代支援も必要だと指摘。全生涯を通じての「切れ目のない生活安全保障」のため、▽雇用をめぐる安心▽安心して子どもを生み育てる環境▽学びと教育に関する安心▽医療とコミュニティの安心▽老後と介護の安心―の5つの「安心領域」が連携していくことが大切だとした。

 「優先課題」では、▽非正規労働者への厚生年金・健康保険・雇用保険適用の拡大▽低所得世帯や子育て世帯、特に貧困率の高い母子世帯に対する給付つき税額控除の導入▽職業能力開発と一体となった求職者の所得保障▽高齢者雇用の促進・就労環境の整備▽就学前教育、育児休業と保育の総合化―など11項目を提示。
 このうち医療・介護分野の課題では、▽「安心保障番号制度/カード」(社会保障番号/カード)▽地域医療の再生、特に二次医療圏での救急体制の整備と当該救急部門のファイナンスの確立▽コミュニティにおける医療・介護連携推進と連動した独居高齢者に対する住宅保障―を挙げた。

 政府が果たすべき役割については、「政府が大きいか小さいかよりも、いかに無駄なく高機能であるか」などが重要だと指摘。また、政府だけを公共の担い手と見なすのは「時代にそぐわない」として、政府のほか民間企業やNPO、コミュニティ・家族の間での効果的な役割分担を追求すべきとした。
 財源については、「不必要な支出をなくしていくことが前提」とした上で、「安心と活力を高める上で不可欠な負担については、政策にかかる費用とそのための財源を明示し、堂々と議論をしていくべき」とした。また、国民各層の担税力、企業の競争力、社会保険制度の持続可能性を勘案しつつ、各種の税負担や保険料負担をどのように組み合わせるかを決定すべきとした。

 次回の会合は6月の第3週に開かれる予定で、取りまとめが行われる見通し。

■医師不足対策や介護保険、年金制度改革を
 素案で示された5つの「安心領域」のうち2つが、医療・介護にかかわるものだった。
 「医療とコミュニティの安心」では、急性期病院を中心に医師不足が深刻化しており、地方では病院の経営破綻が広がっているとした上で、救命救急センターでの医師や看護師の配置などをできるだけ早急に進めることが必要だと指摘。さらに、二次医療圏で病院のコンソーシアム(共同運営体制)を組織しつつ医療機関の機能分担と集約を進め、地域の医療ニーズに応えるべきとした。特に産科や小児科の救急医療体制の確保を強調している。また、レセプトの段階的なオンライン請求への切り替えや、医療IT化への対応も進めるべきとした。このほか、「国民の命と基本的人権(患者の自己決定権・最善の医療を受ける権利)を実現するため、そのことを明確に規定する基本法の制定を推進しなければならない」としている。
 「老後と介護の安心」では、制度に「綻び」が見られるとして、介護保険と年金制度の改革を進めるべきと指摘。また、介護施設や病院など「日常生活から切り離された形」ではなく、「コミュニティにおける医療・介護連携の推進」や「独居高齢者に対する『住まい』の保障」を進め、地域の中で安心した老後生活が確保されるようにすることが重要だとした。


更新:2009/05/28 23:20   キャリアブレイン

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