2009年5月29日
日韓両国が領有権を主張する竹島(韓国名・独島<トクト>)についての島根県独自の小・中学校向け副教材が完成し21日、県教委が内容を公表した。竹島の歴史や韓国との領有権問題について解説する内容で、今月中に県内の全小中学校へ配布する。
副教材は小学5年(1コマ)、中1(2コマ)、中2(1コマ)の社会科用。DVD(各学年約4〜7分)1枚と、学習指導案やワークシート、教材の写真や統計資料のデータが入ったCD1枚からなる。
小5用のDVDでは竹島の地理や竹島でのアワビ漁経験者へのインタビューを盛り込み、「竹島は日本の領土ですが、今は韓国が不法占拠しています」と説明。中1では竹島をめぐる日韓両国の歴史や主張の違いについて解説。中2では竹島周辺の漁業権をめぐる暫定水域の設置と、規制のゆるい韓国漁船による乱獲の状況を説明し、「竹島問題が解決すれば、豊かな漁場が守られ、日本漁船が安心して操業できるようになる」と締めくくる。 ワークシートはDVDの感想や「領土問題解決への自分の考え」を書き込むA4用紙を、1コマにつき1枚用意。DVDを使った授業内での議論の進め方などを、学習指導案で示している。
「竹島・北方領土返還要求運動県民会議」(会長=森山健一県議会議長)が、小・中学校教師らでつくる作成委員会を昨年7月に設置。12回にわたって協議を重ね、先月25日に最終案をまとめた。
事業費約260万円をかけ、DVD500枚を作製。県内の全小中学校と特別支援学校計373校や市町村教委に、今月15日から配布を始めている。中1では1学期中に、中2は2学期、小5は3学期に使う内容だという。
県教委義務教育課の秋利幸秀課長は「生徒らが両国の主張の違いを知り、自分たちがどう行動していけばよいのかを考えるきっかけにしてほしい」と話している。(玉置太郎)
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