インストゥルメントを集めよう 後編
内容は前編とは打って変わります(^^;
今回は「無料インストゥルメントを使う上での考え方」などなどのお話です。
大抵の無料音源は「それだけですぐに使える」というレベルではありません。
機能性の面で不足していたり、音自体に不備があって、他のインストゥルメントとの併用が不可欠だったり、 またはインストゥルメント自体に付いている機能を使って使って使いまくって機能の効果を完全に熟知して、 「そのインストゥルメントへの理解」が完成して初めて音が完成できるなんてのも珍しくもないです。
そりゃ「ギターの音だけで一本3〜6万円する有料音源ソフト」とかなら、
無調整でもそのまま音楽に使えるくらいのクオリティがないと困りますが、 無料インストゥルメントにそれだけのクオリティを求めるのは、単に使用者のワガママです。
先程紹介した中で、唯一調整なしでも使えるフリーソフト「インディペンデンス・フリー」・・・
アレは元々が「有料音源(6万円)」で、その一部を「クオリティはそのまま」でフリー化されています。 ですから、この「インディペンデンス・フリー」と「無料インストゥルメント」の音を聞き比べてもらえば、 「有料音源と無料音源で、どれだけ差があるのか?」が、初心者でもハッキリと分かると思います。
「じゃあ、どうすればいいの?」と言えば、答えは1つ。
↑に書いた通り「自分で、無料音源を加工して、有料並みの音質に仕上げる」しか方法はありません。 つまり、ここから先、必要になってくるものは「音師(音声加工技術師)」としての知識と腕です。
あらゆる音を自在に操り、あらゆる音を作り出す、音のプロフェッショナルの知識を、
少しずつ覚えていく必要があります。この能力は「曲全体・曲の一部・コーラス・ハモリ」を その曲に合わせて作っていく時にも必要となる技術でもありますので、 これが出来なければ音どころか曲が完成されませんし、これがなければプロデューサーにはなれません。
もちろん、これらは一朝一夕で簡単に出来るようなことじゃありません。
理解して使いこなすだけでも軽く数年は掛かる「専門職業知識」です。知識で就活できるレベルのスキル。 ですから、まずは「音を良い感じに変化させる」という、音師としての基礎・基本から覚えていくために、 「無料音源の可能性」を自分で考えて作り出すのは、ちょうど良い「音師としての練習題材」になります。
無料音源は、それが「使える音・使えない音」になるのも、全てユーザー一人一人の腕前に掛かっています。
それが有料と無料の決定的な差です。もちろん、有料ソフトも決して万能じゃありませんから、 突き詰めた言い方をすれば「どちらも同じ・要調整」なのですが、無料音源は特にその色が濃いです。
それでは実際に「無料音源の音を有料音源に近づける手順」を説明しますね。
まずは大きく4つに分かれます。
【その無料音源は、そのままで使えるだけの音質・クオリティを持っているものか?】
【無料音源自体に、十分な加工用のエフェクト機能・調整機能が付いているか?いないか?】
最初の問いは愚問ですけどね。
どんなソフトであろうと、有料であろうと無かろうと「要調整」が基本です。 調整が必要じゃない音源なんて、本物の楽器や演奏環境も含めて、この世に有り得ません。 どれだけ良い音でも、クオリティが高くても、必ず曲に合わせて加工するのが原則です。
2つ目。音源に十分な調整機能が付いている場合は、それらの機能を1つ1つ音を聞きながら触り、
どの機能でどのように音が変化するのかを聞きながら少しずつ理解して、音を探していくしかないです。 そして、ここでも大きく2つに分かれます。
「その調整機能による音の変化が、自分が作りたい曲に合う音に変えられるだけの変化をさせられるか?」
【調整機能】と一言で言いましても、同じ「ディレイ」1つにしても、ソフトによって違いがあります。
デジタルな処理を得意とするものから、自然反響系を得意とするものまで千差万別です。 ソフトに付属の調整機能だけでは不十分だと判断した場合は、他のエフェクトインストゥルメントと 連携して動くようにして「2つのインストゥルメントによる加工」で解決させる必要があります。
どのみち、その音源の質感を見極めて、加工を繰り返して、曲に合う音を作り上げていくということです。
大体の加工方法やパターンというものは決まっていますが、何よりも大切なのはそこじゃありません。
ここで実際に音を鳴らさずに、文章だけで説明しているのにも理由があります。
「そんなことは自分でやること」だからです。ここで音を流しても、その人の知識にはなりません。 音楽は自分で鳴らして、自分で考えて、自分で創って、自分で知識を蓄えるものです。
ソフトの使い方の詳しい説明などとは一線を画すもので【音師の技術は自分で調整して自分の耳で聞く】
それ以外の成長方法が用意されていない分野です。(ですから、職業に出来るくらいの技術スキルなんですね) あくまで今回は「音を取り扱う以上、自分を一人の音師として考える」というのが、 今回の記事のコンセプトですので、あえてサンプルなどは用意しません。 (以後の記事では、ちゃんと用意しますよ)
自分の楽器や音を自分で調整することの大切さ・・・それを「自分だけが出来る仕事だ」と思うことが、
音楽を作っていく上で、必ず大きな差になります。それが技術知識に対する正しい考え方・使い方です。
他人のフォームをただただ真似して、それで上手くなるピッチャーはいないのと同じです。
自分で自分の投げ方を考えて投げ込み、何千回でも何万回でも投げまくって、 それで初めて上手くなるのとも同じです。技術というものはそういうものだと言いたいわけです。
それを理解できない人は、この手の技術方面には向かないですね。一人の技術者としての私見ですが。
まずは、それを大切だと思える精神を持つことが、知識よりも何よりも物作りに必要なものです。 それを踏まえた上で、音作り・曲作りをしていけば、必ず大切にしていない人よりも上達します。
無料音源を有料レベルに加工して使う際には、それを忘れないことですね。
それさえ分かっていれば、どんな音でもあなたの思いのままです。それだけ大切なことです。 どれだけ知識と音を覚えるのに時間が掛かっても、曲の完成が遅れても、その道だけは避けてはいけません。
後は【音やエフェクト・調整用のインストゥルメントを出来るだけ数多く取り揃えておくこと】と、
それらを1つ1つ使い倒すこと、他のインストゥルメンスとの複合性を極めること、 曲との相性を何よりも一番に考えて音源や音の加工方法を選ぶこと・・・それの繰り返しですね。
結局は、使うのがどのような音源であっても、使用者の意識が唯一の音であるべき。。。ということです。
それを弁えて無料音源を使用すれば、もうそれは有料のスペックと変わらないクオリティになるでしょう。 |