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【くろーずあっぷ】筑波山麓地域の活性化に貢献 早川公さん
「筑波山麓(さんろく)には学園地区や大学付近とは違った魅力があふれている」
10月、地元産食材を使ったメニューを紹介する「つくば特産メニューまつり」を成功させたほか、北条米を使ったアイスクリーム「北条米(マイ)スクリーム」の販売にこぎ着けるなど、筑波山麓地域の活性化に貢献している。
「最初はずっと大学周辺だけで過ごしていたが、それで居心地がよかった」
山麓とのかかわりは授業のフィールドワークがきっかけ。北条商店会の人たちとの交流も生まれた。折しも、つくばエクスプレスが開業し、街が大変革する中、山麓からみたつくばに興味を持った。
「大学以外のつくばを知ろう」。ゼミの後輩らに呼びかけ、学生グループ「早川家」を結成。筑波山登山や地元のイベントなどに積極的に参加した。
「地元の人と酒を酌み交わし『おまえ、ごじゃっぺだな』といわれ、初めて仲間に入れてもらった感じがした」と振り返る。「だらしないけどかわいいやつ」。そんなニュアンスが気に入り、グループ名を「チームごじゃっぺ」に変えた。
山麓の北条にほれ込み、5月には大学近くのアパートから北条の一軒家に転居。近所の人から野菜などを分けてもらい、土地の豊かさに感激したことが特産メニューまつりにつながった。北条米スクリームのアイデアも商店会の人との交流から生まれた。
「2つの大きな試みが成功したのは、商店会の人たちのバックアップとお互いを信頼する気持ちが実を結んだ結果だと思う」と謙虚な一方、緻密(ちみつ)な計算も働く。
大学ではかつて演劇サークルで脚本と演出を担当。テレビの人気番組「欽ちゃんの仮装大賞」に2回出場して優勝と準優勝した実績も持つ。「当時のディレクターに『優先順位をはっきりしろ』といわれたことが今も役立っている」。
北条に住み、自分も地域社会の一人であることをつくづく感じているが、若者に元気がないのが気がかり。「つくばの同世代の人とどんどんおもしろいことをして地域を盛り上げていきたい」と次の手を考えている。(篠崎理)
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【プロフィル】早川公
はやかわ・こう 昭和56年生まれ。宮城県松島町出身。筑波大大学院博士課程人文社会科学研究科国際政治経済学専攻(文化人類学)。筑波山山麓の活性化に取り組む筑波大の学生グループ「チームごじゃっぺ」代表。趣味はギターなど楽器演奏やビデオ・映画製作など多岐にわたる。