フランスがアブダビに軍事基地開設、ペルシャ湾岸で初めて

アブダビ（CNN）　フランスは28日までに、中東アラブ首長国連邦（UAE）のアブダビに軍事基地を開設した。最大で兵士約500人が常駐する。仏がペルシャ湾岸に軍事基地を設けるのは初めて。原油輸送路の確保などが当面の主要任務になるとみられる。

ミラージュなどの戦闘機を派遣、海軍基地も備え、空母以外の船舶が寄港可能。UAE政府筋によると、同基地には市内ゲリラ戦に備えた訓練施設もある。

基地開設の式典にはサルコジ仏大統領が出席し、中東地域の安定化に寄与すると指摘。UAEの地元通信社との会見では、基地開設は大国としての仏の責任感を明示するものであり、有事の際のUAE支援にも役立つと述べた。基地開設は、国際政治で仏の存在感を高めることを狙うサルコジ外交の一環ともみられる。

UAEはペルシャ湾を挟み、イランと向き合う。イラン政府は先に、UAEでの仏軍事基地開設に不快感を表明している。一方、中東バーレーンに海軍第5艦隊司令部を持つ米国は仏基地についてソマリア沖合で多発する海賊事件への対応などで貢献出来ると歓迎している。