2009-05-28
私を誰だと思ってるの?
私、ウッドベースを弾く指とそれを抱える腕が好きよ。
DCPRGのライブなんか、私、あのウッドベースを見ているだけで濡れてたもの。
弾くならスコット・ラファロのように。
それを格好良いことだと吹聴するようなことはしないでね。
指で弾かれた乳房は緩やかな起動を描いて振動した。
柔らかくかき回された膣は何回も何回もそれを求めた。
細い身体が私の背後から手を回すと
私は、嗚呼、今、見られている。
濡れた股間を弾いては鳴り響く音、
それにしてはずいぶんと高い声で私は調子を取っていた。
わかったら右手がお留守なのをなんとかして。
■

僕を思い出して自分でするといいよ、なんて
私は楽器が弾けないというのに。
華奢な身体には弦が張られていて、まるでバイオリン。
そのアバラの浮いた球体関節人形の絵葉書をプレゼントしたら喜んでくれた。
本当にバイオリンを弾いていたのを見たから。
楽器を弾くように簡単に鳴らせるでしょう、私は。
そんなふうにされたら、もう。
■

幾度も幾度も射精させたとしても、
それを口で受けたとしても、
尽きることのない愛欲をあなたはきっと否定するわ。
勘違いしないで。
私はただ抱かれたいわけじゃない。
性欲などないわ。
私が欲しいのは愛。
その華奢な身体にいくつでも痕をつけて良いというのなら、
インドの性典。
歓喜天のように収まりつかない憤怒のような
私の情熱を後悔するまで受け止め続けなければならない。
ただ愛して。
ただの愛はいらないわ。
尋常ならざる愛で壊して。
私の首を締め付けて。
嫌いだけれどあの人のように首に南京錠をかけても良いというのなら、
私の首をきつくきつく締め付けて。
コルセットで腰を締め上げられる快感のお話はもうしたでしょう?
同じことなの、私の中では。
ただ私の命がいつまで持つか。
命の火に油を注いで、それこそがコイトゥス。
最後には消えて無くなる。
どちらかが死んでしまうまで。
2009-05-26 私は上の空で別れを思った
出会った瞬間に別れへの秒読みが始まることを恐れていては
何も出来っこないでしょう?
だから私はおそるおそる他人に近づいていくの。
さし伸ばされた手は掴むべきものなのか、
理解できなくなる。
「そんな服、やめちゃえばいいのに」
ねえ、リボンなんか外して、髪の毛を下ろしてみてよ。
はい、どうぞ。
「唇が厚くて、エロそうな身体」
私にはわからないわ。
私は薄い乳房と小さな尻、少女のような未熟な肉体が欲しかったけど、
この身体に触れることが愛情につながるというのならば、
どうぞ触って。
私の中の残酷さを理解して。
暗い森の中で底の薄いバレエシューズで走り回ってるの。
足には葉や石で傷だらけよ。
そんな私を後ろから静かに追い回して、
両腕を捕まえたなら、押し倒して
顔も見せずにただ愛だけを囁いて。
■

CHARAの歌を聴くと自分が可愛らしい生き物になれた気がする。
本当は何も変わっちゃいないんだけど。
本当は私に知られないで、知られたとしても、全てが終わってしまった後で知られたかったんだろうと思うの。
でも私は深夜の橋の下にぶら下がる彼を見つけてしまった。
そこで閉ざして彼はまだ冷える朝4時に首を括ってしまった。
私の命をも奪って、私の全てを自分のものにして消えていくことを望んだ彼は、
途中で私からその計画を放り投げられ、もう一人逝くことしかなかったのだろうか。
喪服なんか着ないで、黒いゴシックなドレスにコルセットで腰を締め上げて
告別式に出た私は、その場で髪の毛を一房、といっても50センチくらい切って、
御棺の中に入れてあげた後で、洋服を脱いで、
そのために用意した飛び切りセクシーな下着で彼を送り出してあげて、
でも本当の私は生きている彼を拒絶したのだ。
だから彼は死んだのだ。
彼を殺したあとだから私は泣いたのよ。
私が死んだら泣くの?
あなたは泣くの?
私が死んでもなかなくていいわ。
忘れて構わないわ。
ただ、今、私を泣かさないで。
2009-05-25
■擦り切れるまでやり続けてよ

犯したまま、抜かないで。
この腰を抱いたのなら、その背に爪を立てるわ。
他人に浸食される予感。
奮える太ももにあなたの脚を絡めて。
厭きるほどまでに囁いて
「愛してる」
摩りきれるほどまで貫いて
「感じるのか」と。
引き寄せた腰にまたそのペニスを深く沈め、
残酷な問い掛けを私の意志など無視して続けなさい。
長い髪の毛は振り乱れ、
あなたの細い肩にも巻き付いて、
熱く濡れ滴る子宮は回る回る。
この閨物語を綴るのは私の喘ぎ声。
いくらあなたが私を抱き締めても、
どれだけ奥までそれを入れたとしても、
私はあなたのものにならないでしょうけれど、
それですらあなたは私を…愛してる?
あなたに面倒と窮屈を感じさせるわ。
それでも幾度だって私の内を貫いて頂戴。
そこに生じる苦痛さえ、あなたへの愛なのだ。
足りない足りない、物足りない。
覚悟してね。
あなたの精は吸い尽くされ、私の魔性の粮となる。
■

二冊ともアナイス・ニンについて書かれた本。
矢川澄子という「永遠の少女」でありながら知才溢れる女史が書いたもの故興味があったの。
それだけじゃないわね?
私も「お兄ちゃん」と夫を呼びながら、
二回も堕胎を繰り返し、離別しながらも彼を描き続けるような恋愛がしたいわ。
澁澤龍彦のサングラス越しの華奢な頬から繰り出される眼差しで、
冷酷に彼の子を殺すという快楽を味わいたいわ。
他の男と不倫をしていたといううわさもあるけれどね。
男女だからといって単純に恋愛なんて括りで縛られたくなかった、
彼は私のことを
「アナイス・ニン似のパイオツカイデーなキュレーター」と表現してた。
アナイス・ニンはライフ・ワークとして日記(それは後に外部からの意図的に変更させられた点もあったが)を書いていた。
それはもう、「ニンフェッタ」とされる頃から。
ニンフェッタ?
私が書いていたのはそれ以前からよ。
文字が書けるようになった瞬間、私は創作を始めたの。
『父の娘たち』
読後、今度こそちゃんと客観的でいるようでいて、結局は主観でしかないレビューというものを書いてみよう。
寂しい寂しい、こんなもの!
これがあるから、私たちは常に孤独を携帯するはめになったのよ。
父の娘たちは父親に犯されるために誕生してくる。
誰よりも血の色濃い、しかし異性である分身の内奥へ
ねえ、パパ。
髪の毛は何時切ればいいのかしら?
髪を梳いて。
レースの靴下留めは白じゃないの?
ねえ、パパ、足を開くのは疲れたし、そこをそうされるのはくすぐったいわ。
2009-05-22
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3144071
終わらない恋がしたいというのは誰しも望むことだけれども、
残念ながら別れというものは残酷な形で訪れる。
それは自分が納得できるような形式を取らない。
不条理にしか映らない悲劇だ。
原因を双方の至らなさに求める。
でも、それは本当は違う。
ただ、ボタンを掛け違えただけのこと。
私がいない方があなたの生活はスムーズに進む。
あなたがいない方が私の生活に安定が訪れる。
押し付けがましい別れなど必要ない。
本当はそう、思いたい。
別れの悲壮さを感じさせず、それでいて二人がお互いどれだけ好意を抱いていたのかを歌い上げている。
「今はあなたに必要なことは、あなたの思い通りにすること」
相手を責める色を残さずに告げ、いつの日か私も消えていく。
余談;
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5612967
似ているようで何だか違う。
いや、全然違う。
感情の起伏が表れ過ぎていて、相手に重荷を与えてしまう。
相手のことを考えて離れていくようでいて、
「離れていく健気な私」を主張して引きとめてもらうことを期待している。
相手から離れる気など感じられない。
そして私はこちら側の女にしかなれないのだろうな。
■

私がどれだけ退屈な女で
あなたにとって都合の悪い嘘を吐くようなことがあったとしても、
私を愛して。
全部、あなたを愛しての行いだから。
全部、許して私に手錠をかけてしまって欲しいの。
いくつもの混乱を生み出しては、
右往左往しながら、結局は頭を抱えるのは自分で、
それに付き合わされたあなたも傷つく。
ねえ、でもそれって幸福なことじゃない?
二人で同時に同じことで傷つくのって幸せじゃないかしら?
二人で協力して片付けたり、
あなたが私を殴ったり、詰ったり、
私はそれを謝って、
二人して仲直りして
一緒の布団に包まり、仲良く抱き合ってまぐわって眠るの。
だから混乱を愛して。
混乱を生む私を愛して。
2009-05-21

有楽町のガード下、狭いくせに安くもない上に値段は高い飲み屋。
不味いモヒートの、ちっとも潰されてないミントの葉を割り箸で崩して飲みながら、
やけにトリスを飲みまくる彼の冷たい視線を受けていた。
「もっと言って。私がどれだけ最低な女かって、もっと言ってよ」
冷ややかな流し目がゾクゾクさせた。
この場で私を殴り付ければ面白いのに。
けれども彼は私を殴らない。
「私は、より一層、私を愛してくれる人のところに行くだけよ。
ただ、愛されたいだけよ」
あなたには理解出来ない愛し方もあるというだけのこと。
さっきの私を軽蔑しきった目線はなかなか素敵だったわよ。
ねえ、殴って、縛り付けて。
私を踏みにじるように愛してよ。
なのにあなたときたら
「愛してるんだ、必要なんだ」
と私を背後から抱き締めるものだから、
私は含み笑いが絶えることない
2009-05-20

どんなに抱き合って、お互いの体液が付着しあったとしても
ここには0.03mmの距離、どうすることも出来ないの。
奥まで入れて、奥に出して、それで私の体がどうなるのか
私の肉体が本当に女なのか証明してみせてよ。
こんな「うすうす」なんて取っ払えない距離が
私たちの間に障害でしかなくって、
怖い、怖い、怖いものを抱きしめて
生みたいの、出来てしまったのなら生んでしまえばいいの。
それだけなの。
私の中に出してでもそれは護謨越しの感触、
物足りなさは私の本能から生じるものなのかしら。
最適な距離が0.03なんて許されない、私は。
無謀なんて言うぐらいなら私の中に突っ込まないでよ。
私をかき回さないでよ。
私の全てを征服する覚悟がないのに?
私は本当に女かしら?
確かめてみてよ、ほら、スカートをたくし上げて
この中に全て見えるわ。
limitedを極限まで0に収束させてよ。
私を微分してしまって。
細切れの私があなたの上で再構築されると出来上がる
2009-05-19
あなたが好きだからと伸ばした黒髪も
いったいどこまで伸ばせばいいのか、
もはやわからずに切ることすら出来ないでいる。
ほんの少しだけ掻き揚げて白い項を覗かせると
真っ赤な唇が裂けていた。
どこでしゃぶって欲しいの?
一本しかないペニスなのに、
あなたが望むだけ、私の体には畸形な唇があるわ。
黒髪を掻き分けて差し込んで
脳蓋をこじ開けて精液で私の脳髄を満たしてくれるの?
耳孔、鼻孔、全ての孔から漏れ出る精液を
舌で受け止め、胃の中へと反芻し、
私は生きている。
黒髪は何処までも伸び続け、
私の命を吸い取ってしまうけれど、
あなたが望んだものを切り落とすのは嫌だ。
あなたが愛したものならいつまでも残しておくのが筋だ。
愛しているから、死んでしまう。
私を蘇らせてくれはしない。
虫の息の中でオルガスム最中、
黒髪が踊る。
私は愛しているから、死ぬの。