検索オプション


ここから本文です

韓国の脱北者再教育施設ルポ 将軍様激ヤセに「胸が痛んだ」

5月28日20時33分配信 産経新聞

 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮からの脱北者たちに対する再教育施設である韓国政府・統一省傘下の「ハナウォン」(ソウル近郊の安城市)で研修している脱北者たちは28日、最近の金正日総書記の激ヤセぶりについて「将軍様が急に年をとられたのに大変、驚いた」「いずれにしろ国のアボジ(父)だったから、やせて老けた写真を見て胸が痛んだ」などと一様に驚きを語っていた。

 また、北朝鮮の強硬策で南北緊張が高まっていることに関連し「南北が戦争すればどちらが勝つと思うか」との質問に対しては「みんな生活に苦労しているので一か八か戦争にでもなった方がいいといった声がある」「戦争になれば北の兵士たちはみんな脱走するだろう」などといい「韓国が勝つ」と述べていた。

 「ハナウォン」ではこの日、取材に訪れた外国記者団に対し最近、韓国に渡ってきた脱北女性4人がインタビューに応じた。彼女らの一部は金総書記について公式の場での“口ぐせ”だろうか「将軍様」という言い方をしていた。

 「北では気心の知れた間では金総書記への不満を語ることはあるが、表向き批判がましいことはいえない」といい、「将軍さまは人民のためによくやっているが下の幹部たちが悪い」とか、「幹部たちは(金総書記の)現地指導ではいい話だけをするので、将軍様は本当のことを知らないのだ」などといった声も。

 「2012年強盛大国」のスローガンについては、「これまで目標が実現したことはほとんどないので人びとは信じていない」と述べた。

 「ハナウォン」の担当者は脱北女性たちの発言について「あくまで個人的な体験や発言なので北の全体状況を物語るものではない」と注釈を付けていた。

 「ハナウォン」は脱北者の韓国社会への適応を支援するため1997年に開設された。現在750人の収容能力があり、12週間の日程で韓国社会を知るための各種教育を行っている。

 担当者によると、これまで脱北者の総数は約1万6000人で、昨年は約2800人となっている。近年は女性が圧倒的に多く男性に比べ女性はその3倍にもなっているという。

 理由は(1)統制が弱い女性の方が脱出しやすい(2)男尊女卑の北では女性の生活力が強い(3)韓国に来る前に中国など中継地で女性の方が身を隠しやすい−などが指摘できるという。

 また「ハナウォン」は韓国での学校生活にうまく適応できない生徒たちのための特別学校「ハンギョレ中高等学校」を運営しておりこの日、その教室や教育ぶりなども公開した。一般の中高学校からの”落ちこぼれ”を含め脱北青少年の3割にあたる230人を再教育しているが、女生徒が剣道や料理教室で熱心に活動するなど、活発な雰囲気だった。

【関連記事】
将軍様「激やせ写真」のナゾ 国民の同情を期待?
朝鮮中央テレビが流す…「テポドン歌謡」すごい中身
「工場関係者、やせ細った金総書記に涙」 北朝鮮紙報道
総まとめ!北朝鮮の「言い分」 ミサイル発射
将軍様も大慌て? 北朝鮮のミサイル発射

最終更新:5月28日20時33分

産経新聞

 

主なニュースサイトで 金正日 の記事を読む

ブログパーツ

海外トピックス

nikkeiBPnet on Yahoo!ニュース