永田、ヒョードルに62秒TKO負け
永田裕志(35=新日本)が、わずか62秒でエメリヤーエンコ・ヒョードル(27=ロシア)にTKO負けした。
永田が世界最強の前に62秒で沈んだ。最後はPRIDEヘビー級王者ヒョードルの最後は左フックでダウン。さらに振り下ろした左右パンチ、キックでTKO負けした。序盤から永田のパンチは空を切り、唯一当てたローキックも有効打にならなかった。会見では「ビデオを見ましたが、格好悪いなと思う。でも悔しいと感じるので、これで終わることはない」と断言。01年猪木祭でミルコ・クロコップに21秒で敗れてから2度目の総合だったが、さらに3度目の正直を狙うと表明した。
しかし、新日本の至宝IWGP王座を歴代記録となる10度防衛した「ミスターIWGP」が完敗した意味も大きい。中邑、安田、村上と新日本所属の選手が撃沈し「(以前は)新日本が最強という過去の幻想に守られてきた。でも挑戦しないと何も始まらない」と永田。「全部さらけ出して前に進んでいく」と、再スタートを誓っていた。
写真=1R、ヒョードルのパンチでダウンした永田はそのままドクターストップ(撮影・栗木一考)
ヒョードル、猪木に感謝
PRIDE側との契約問題で出場が直前まで決まらなかったヒョードルだが「永田はいい選手だが、もっと研究してもらわないといけない」と余裕で振り返った。昨年9月に右手親指付け根を骨折し「完治はしていないが、痛みはなかった」。2月には暫定王者ノゲイラとのPRIDEヘビー級王者決定戦が控えるため「もちろん、出ます」と話した上で「猪木祭は高い質の大会でした。猪木さんにお礼を言いたい」と付け加えていた。
安田完敗…自己破産へ
安田がまた完敗した。レネ・ローゼと01年8月のK―1以来約2年4カ月ぶりに再戦したが、1回52秒レフェリーストップ負け。開始直後に右フックを受け、力任せに倒しにかかったが、ロープをつかんだローゼに体を入れ替えられ、マウントから10発以上のパンチを受けて万事を休した。安田は「(禁止されている)ロープを使いやがって。負けは負けだけど、やってられない」と憤慨。負ければ「自己破産」と言われた借金王は「そうならないように努力します」と締めくくった。
レコ蹴り一撃
レコが村上をキック一撃で倒した。K−1ルールの試合に乗り込んできた相手にも容赦しない。開始早々、村上から両手を挙げての挑発ポーズをされた。屈辱は怒りに変わる。村上の一瞬のスキを逃さない。戦慄(せんりつ)の右ハイキックを顔面にヒットさせた。村上は失神して崩れ去った。レコは「簡単な試合だった」と完勝劇を振り返った。そして、03年K−1GP王者ボンヤスキーに対して「俺が1番強いことを証明したい」と挑戦状をたたきつけた。
辻大トリ勝利
女子格闘家・辻がキック世界最強女王のゲイツィドウを3−0の判定で破った。1回から何度もマウントポジションになったが、寝技30秒以内の総合ルールで仕留められない。もどかしい展開にもあきらめることなく、果敢にタックルを繰り返した。終始主導権を握っでの判定勝ち。相手のパンチで顔を腫らしたものの「自分の打たれ強さに助けられました」。猪木祭の「大トリ」を見事に飾った。
高山総括「レベルが高い」
ゲストの高山善広(フリー)が「レベルが高かった」と総括した。「総合をよく知らない人には退屈なシーンもあったかもしれないけど。でも最後にもっていかれたよね」と藤田に感心していた。また、4日の新日本東京ドーム大会で挑戦するIWGP王者中邑がDynamite!!で敗れたことを聞き「勝っても負けても関係ない。言うことはないよ」。今回はクロコップの都合で欠場になったが、すでに次の大一番に切り替えていた。
ビンタ食らい大仁田喜ぶ
大仁田が10年越しで猪木のハートをつかまえた。バラの花束を手に控室を訪問。「偉大なる貴殿とプロレス発展の為に奮起できれば」などと書いた嘆願書を見せた。オープニングでは猪木から闘魂ビンタをもらい、がっちり抱擁。これまで対戦を訴え続けても無視されていただけに「会えたことが第一歩。これからです」と喜んだ。
花田氏初観戦、本能目覚める
大相撲の元横綱若乃花の花田勝氏が総合格闘技を初観戦した。プロ野球解説者の掛布雅之氏ととも中継した日本テレビ系のゲストとして呼ばれた。花田氏は「選手の生き様を見せてもらいました。大みそかに3大会、日本が格闘技王国ということがあらためて実感しました」と、久しぶりに格闘家として本能が目覚めたようだった。
恒例ビンタに殺到
恒例の108つビンタで思わぬ騒動が起きた。猪木がビンタに一般客を指名し始めると、興奮したファンが集結。一時は200人以上がリング上に上がって大混乱。関係者がマイクで「下がってください!」と何度も絶叫。ファンに囲まれた猪木も藤田にガードされながら、思わず「本気」のビンタを連発。約10分で事態は収拾したが、ヒヤリとさせるハプニングだった。
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